秋山郷伝承毛鉤
・・・Secret Point
A way to not give the fish
a foreign object sensation when a fish gets a kebari
秋山郷毛鉤について
色々なバリエーションは有りますが
私が伝え聞いた毛鉤
雑魚川に通い
その渓に合わせた釣り方を
教えて頂いた時に毛鉤についても説明を聞きました
近過ぎて憚られる気持ちですが
農文協 職漁師伝
著者 戸門秀雄氏
でも写真で紹介されていますが
毛鉤自体の説明が有りませんので・・・
秋山郷毛鉤
スッピンと呼ばれた毛鉤
秋山郷毛鉤
ボディ 仕付け糸 黒
ハックル ファーネス
ハックルの巻き方が米式です
FF定番のハックルの裏をアイ側に向けて巻く
米式パターンの様
毛鉤は英式の巻き方が多い中では異色です
次はそのゼンマイ胴パターン
秋山郷毛鉤の特異な部分を強調して有ります
秋山郷毛鉤
ボディ ゼンマイ胴
ハックル ファーネス
ソラックス部分に巻いたハックルを刈り上げています
大事な事はハックルの芯黒の部分と茶色に変わる
その部分を残して刈り上げるのがコツと言われた事です
(なぜファーネスを使うかの理由)
秋山郷毛鉤
Y氏が強調したのがこの部分です
気泡を抱くとか浮きやすいとか理由は様々でしょうが
この方が釣れるで終わりです
ハックルについても一番は茶芯黒(ファーネス)では無く
それに先黒が入ってこそ効く(コッキーポンディュ)
出来れば先黒の胡麻入り(スペックルドバジャー)
最良の答えは
先黒・芯黒の本来のバジャー(ゴールデン又はシルバー)
毛鉤も見えるし
この方が釣れる・・・
先黒に拘ったのは毛鉤のサイズに合う
ハックルが用意出来なかったからとも思われます
先黒なら多少サイズが大きくても良いと聞きました
サイズが大きい場合は鋏で短くしても
煙草で焼いてもダメとのことでしたが
妙高高原町では鋏はダメでも
煙草で焼くのは構わないと差異は有ります
どちらも毛鉤に合うサイズは貴重品
ハックルの質に拘りが有りました
取捨選択の結果かもしれませんが
拘りの有る方が面白い
秋山郷に限らず毛鉤は餌の代用
餌釣りと同じで噛潰し錘は当然でも
巨岩に囲まれ底が青黒く深い淵続きでは毛鉤を沈めるより
その巨岩の縁に毛鉤を浮かべて待つ方が早い
岩魚はそれを目掛けて咥える
・・・水面下が普通の毛鉤釣りですがこれは水面の釣り
魚は見えなくても落ち込む寸前の岩下に潜んでいる
・・・流し切るのが大事
まず魚を見つけて
下の方から順番にその鼻面にそっと毛鉤を届けろ
・・・4間先のお猪口以上の話
etc.
胴巻を詰め巻きにすると

仕上げ

秋山郷毛鉤の素晴らしさはその古い職漁時代でも
遊漁・職漁を併せ、漁場を同じくする競争相手が多いため
独特な毛鉤パターンが更に進化したと考えています
同時期の他地区の職漁毛鉤に比べ小型で蓑毛も薄い物が多いです
観光地化が早く進んだためという時代背景も反映しています
古いパターンの荒巻き
手だけで巻くとなればこの方が早い
秋山郷毛鉤 荒巻き
ボディ 仕付け糸 黒
ハックル インディアンコックネック・ファーネス
今はセイゴ鈎が一般的ですが
最も古いパターンは鈎の形状が違います
注釈
私の好みはアウトポイントのため
鈎自体がセイゴ鈎と違います
素晴らしい渓と守る方々の努力の賜物
以下 爺の戯言 ——————————-
魚野川上流部・雑魚川・中津川
巨岩、巨石に囲まれその中を迸る流れ
渓の流れでは無く滝の連続がふさわしい
その中に現れる
引き込まれそうな蒼黒の深い淵
魚を見つけろと言われても・・・
それが夕刻
どこに潜んでいたのか
それこそワラワラと現れる岩魚達の数
こちらは夕闇迫る帰り道
いつもそんな有様・・・
付記
ゼンマイ胴に使うゼンマイについて
人が足蹴く通う株も小さなゼンマイで無く
一抱え以上も有る株から生える
指より太いゼンマイの綿なら
繊維の太さが倍以上違います
ゼンマイなら何でも良い訳では有りません
ゼンマイを収穫せずに
時期になれば綿だけ収穫し株を守ります
そんな株の場所も引き継いでいます
詰め巻きの毛鉤を某釣具屋さんの希望で店に置いていた事が有ります、お客さんの中には欲しがる方が居て秋山郷毛鉤として買っていかれた方が居るらしいですが詰め巻き毛鉤は秋山郷毛鉤を基にしたもので別の毛鉤ですからね・・・(笑)