カルガモ毛鉤 Ⅱ

カルガモ毛鉤 Ⅱ
・・・狩猟鳥利用

ソフトハックル毛鉤の類い
本来のソフトハックルフライなら
代表的なパートリッジにグラウスにムーアヘン・・・
フライのパターンとすれば流れの緩い
スティルウォーターとかチョークストリーム向け

流れが速い渓流域の毛鉤釣りなら
もう少し腰が有るヘンフェザント
雀毛鉤なり禁鳥の・・・とか色々出てきますが
ブルーグレーからダークダンのグラディーション入りとなると
川鵜にオオバン(ヒーロン)等のムーアヘンの様な羽根から
今回巻いたお勧めのカルガモの羽根を使った毛鉤
カルガモテール毛鉤は先回紹介済みなので
一般的なウィングカバーフェザーを蓑毛で巻いたもの
折角の狩猟鳥なら肉だけでなく全て利用させていただきます

色目がブルーグレーダン
カルガモウィングカバーフェザー
(サドルフェザーはもう少し柔らかい)

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カルガモ毛鉤 Ⅱ

コガモ(ティールダック)なら同じ色調で小型毛鉤に向いています

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コガモ(ティールダック)

蓑毛はカルガモウィング
胴は日本雉テール
タグ&リブはファインカッパーワイヤーツイスト

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カルガモ毛鉤 Ⅱ

胴に蓑毛はブルーグレーの濃淡
素材のいぶし銀色はお洒落

以下爺の戯言 ————————————-

これだけでは終われないのが爺の厭らしさ
定番パートリッジ&オレンジから
この手のソフトハックルフライは使い飽きる程

山上湖のジンクリアで見える魚ばかり狙っていて
反応が明らかに違うフライ・パターン
ブラウンパートリッジをフロントに巻いた英式マーチブラウン

ドライフライでもこれが水面下に沈んだ時の反応
ラインが風で煽られてフライが引きずられると
無視していたフライを慌てて追う姿

コックハックルを2巻き
フロントハックルにカルガモウィングフェザー
・・・ダブルハックル毛鉤

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カルガモ毛鉤 Ⅱ

でも
フライパターンの中に同じ様な考え方のフライ有り
名前がそのまま Hutch’s Pennell
・・・毛鉤作りは面白い(笑)

一見するとソフトハックルフライと見紛う
今様テンカラ毛鉤
確かに水面下で流すなら汎用性充分でも
その毛鉤に反応しない魚に気付けば
毛鉤と釣り方も変わる
・・・毛鉤の泥沼に嵌り込む(笑)

銅線毛鉤

銅線毛鉤
これも案外古くから使われていた毛鉤
仕付け糸代わりに巻いて補強と重みを加える
解禁当初に濁りに底を魚が離れない釣り辛い時用
・・・滝壺の様に流れが入り組み底が深すぎる場合も
ソフトハックルフライのヘビーウェイト版

荷札に着いた針金も使ったものだと説明されました
パターン的には前出済みでは有りますが
自分好みの鈎が見つかりましたので
来期用にすべてのパターンを巻いています
アイ用の20lb.バッキングラインに変わる撚糸も探してはいますが
これがなかなか見つかりません
見つかれば又毛鉤が増えていきます(笑)

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銅線毛鉤

蓑毛はヘンフェザント
ソラックスはピーッコックハール

水流等の状況次第が多分に有るので面白味には欠けるが
底に居座る大型魚には実績が高い
シャンク全体に銅線を巻いて重みを加え残した銅線でリブ
もっと重くするならソラックス部分にリードワイヤー+GB

以下爺の戯言 ——————————————–

自分の趣味については控えめであるべきだ。
どこでそれを語るにしても、語る喜びを大切な宝物のように扱い、
いくら催促されても、全部をとことんまでさらけ出すべきではない。
・・・エドワード・グレイ「フライ・フィッシング」(西園寺公一訳)

田舎者の爺にはこの上品さが足りない事を自覚してはいる
だから
毛鉤釣りの楽しみについての専門家になりたいと思う
・・・これもエドワード・グレイの残した言葉

毛鉤のプロポーション

毛鉤のプロポーション

フライのプロポーションは伝統的なフライであれば
均整のとれた自然な美しさを持つのは厳格な規定があるから

毛鉤となるとそれこそ十人十色

kebariプロポーション
毛鉤のプロポーション

毛鉤に愉しさを求めてもそろそろ良いのではないかと思う
過去の毛鉤はその当時に間に合う鈎と素材が限られていたし
なにより今のフライフックの様にアイも無い
その当時の制約が今でも付き纏うテンカラ毛鉤の不思議

以下間違った認識を感じるのが

1、アイが有って当然のフライフック
過去のフライにおいてはブラインドアイフックも多いため
シルクガットでアイを作っていた
アイ(チチワ)も添えるし鈎素そのものを巻き留めたフライも多い
・・・毛鉤だけでは無い

2、毛鉤は手だけで巻く
昔はどこの国でも手だけで巻く、特別な技術ではなく慣れ
フェザーウィングフルドレスサーモンフックすら手だけで巻かれていた
・・・毛鉤だけでは無い

3、誘いを掛けるのが毛鉤釣り
長い竹竿でダッピング・スケーティング・リフトアップ等
フライフィッシングでも毛鉤釣りと同じ誘い
リールが無い時代は余るラインは上着のポケット
振り方も昔のテンカラと同じ振り方
ジョージ・セルウィン・マリアットの時代
・・・毛鉤釣りだけでは無い

・・・等々

振り方も今様テンカラ釣りはアップだけの不思議
サイドにアンダーも有ればエイトロールにスネーク
ロールキャストにボウキャストやらタワーキャスト・・
オープンループでは無くタイトループが基本
これは昔の毛鉤釣りの竿捌きを英訳しただけ

竿より長い道糸と鈎素を引きずらない為にリズムを取りながら
渓の前ではいつでも回し振りしながら遡上したのが毛鉤釣り
それ以外にも
今様テンカラ釣りではいつの間にか変わったことが多い
進化とかではなく十人十色が画一的な釣り方に成っただけ
・・・十人十色とは風土を背景にしている事も忘れている

テンカラ釣りは日本独自と思い込むその考え方に
ガラパゴス的な思考方法を感じてしまう
違いとすれば場所と渓の違いと対象魚
・・・他の国なら鮭まで毛鉤で釣る

今更、毛鉤は何でも良いとか一種類とか一本だけとか
・・・潔さの美学又は懐古趣味なのだろうか

その割にはラインは数多く、竿も数多い
アレがいい・これがいいは本来の釣り談義であっても
道具として真っ当に使えれば
たかだか4.5m程度のラインにそれを操る竿
何を使おうがロングラインで大型鱒相手のFFとは
勝負所が違い過ぎる

拘りも良いけれど向こう岸を釣る為ではないし
山岳渓流を対象とした毛鉤釣りなら
騒ぐ程そんなに代わり映えはしない
昔の毛鉤釣りは竹そのものだし折れればその辺に有る灌木の枝
グラスの餌竿も長かったしその後のグラファイ
尚更釣れるわけでもなく軽くなっただけ
重い荷物を持たない(持てない)現代人用になっただけの事
世界的にもテンカラ釣りは云々と宣う煩わしさ
過去の釣り雑誌を見直せば正体が見える

今の画一的なテンカラ釣りなら
そろそろ脱ガラパゴス化が必要と思う

以下爺の戯言 —————————

この頃痛感するのが基礎体力の無さ
一人前なら肩に30㎏(籾一袋)片手20㎏(肥料一袋)
それを上げ下げして一日働くのが普通の百姓仕事
若い人や脱サラに定年退職者の今の農業研修生は
肩に20㎏片手で15㎏がやっとこさ
それを二~三回繰り返せば目に涙が浮かんでる
一緒に仕事していてやりづらい・・・
フライロッドの竹竿も同じ
10Fはたかだか3.3m
昔の毛鉤釣りや餌竿の長さより短い
振れないのは技術以前の話・・・

山鳥尾羽毛鉤

山鳥尾羽毛鉤 Copper Pheasant kebari
・・・狩猟鳥利用

山鳥がCopper Pheasantなら日本雉はGreen Pheasant
どちらも日本の固有種でも英訳すると高価なフライマテリアルに化ける(笑)
高麗雉もRingneck Pheasantと言い換えれば一般的なフライマテリアル
どれもこれから始まる日本の狩猟対象鳥であるし家禽の鶏よりも歴史は古い

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山鳥尾羽毛鉤

世界的にも稀な雉の剣羽根毛鉤を考え付いたのにそれよりも一般的な
各種雉の部位を利用した毛鉤が表に出てこない毛鉤の不思議な歴史
蓑毛にヘンフェザントウィングカバーやサドルフェザー程度
何処かの地域に埋もれたそんな伝承毛鉤は有って当然
・・・と思う期待感

注釈
(ハス毛鉤・鮎毛鉤には多用されていますがテンカラ毛鉤にはの意)

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山鳥尾羽毛鉤

蓑毛はハニーダン

毛鉤は丈夫さが道具としての命の部分
尾羽を使うなら、芯にスレッドなりファインワイヤーでツイスト
弱い部分をタグで補強してリブを巻けば毛鉤としての丈夫さに近づくかもしれない

手巻きの毛鉤を珍しがるけどこれは各国でも行われていたこと
フルドレス・サーモンフライすらバイスを使わず手だけで巻き上げる
それに比べたら・・・

以下爺の戯言 ——————————-

山鳥・雉・・・古来から鳥肉といえば雉肉
兎も一羽・二羽と数えて鳥扱いはそれだけ四つ足の殺生を禁じた話
渓魚に対しても数々の掟と竜神信仰に加え漁に対する諫めの伝説は各地に残る
岩魚は竜神の眷属とされそれを得るためにはそれなりの儀礼を弁える
技術と共にそれを伝え広めたのが秋田マタギなり津軽マタギ等の狩猟集団
毛鉤釣りを単にマタギ衆からとするテンカラ語源には疑問を感じるが
山岳文化伝承者としての役割は狩猟技術だけにとどまらない
それとは別系譜に神道を尊び殺生そのものと無縁の木地屋集団もいる
獣肉を好まぬ木地屋集団すら漁労の技術に長けている
古くは山窩(サンカ・サンガ)の人々の教えの自然共生主義
(語源は以南の漂泊の民を官憲が区別するための言葉)
殺生禁止は明治維新まで根強く続くし地方ならそれ以上
古い話の様では有るけど
明治体制の確立と同義を立憲体制の確立(明治22年、1889年)
とすれば近代の歴史から見たら案外と新しい
・・・賤民思想を植え付けた統治のための身分制度確立も同じ
竜神の化身とされた岩魚を得る事は山の民だけに許された特権
この意識は形を変えながらも中部山岳地帯一帯に今も根強く残る
こんな歴史観も釣人ならばこそ・・・

お町の人なら「鬼は外」でも以北の民は「鬼は内」
・・・外来宗教である仏教と対になる日本固有の信仰「神道」

鬼伝説やとりとめのない話では有るけれど渓流釣りを含めた
山漁なり職漁師の根底にはその思想が流れている事を忘れると
かの釣魚大全の意味不明誤訳にも似た話になる
・・・宗教的背景と思想的背景は共に人のバックボーン

平成の浮世からすれば明治時代は遠い昔と感じるけれど
自分の爺様・婆様はその時代に生まれて暮らしている
そう考えると100年前でも自分の爺様・婆様の身近な話
(勿論、今は石のシャッポを被っています)
爺様・婆様のその頃の丁寧語「~でごわす」
・・・これは薩摩藩の方々が長野県庁のお役人だったから
その時に聞いた話を次に伝えれば150年後でも形として残る
・・・伝承は漠然としたものでは無く直に聞いて次に伝えられること

フジ林檎の葉摘み最盛期
梯子に登って北をみれば初冠雪で白く光る山々

目の前には天照大神が隠れた岩戸とされる戸隠山
宮崎県高千穂町岩戸から飛んできたらしい(天岩戸伝説)
国内有数の勢力を誇ったという今は焼き討ちで跡形もない
修験道の修行の場であった飯縄山は隣に聳える
・・・古くは飯砂(喰える砂の意)天狗の麦飯(天狗伝説)
ちなみに高尾山は飯縄権現、総本山はこの飯縄山

八百万神のお陰か竜神の祟りか大雨続きで
犀川殖産本流釣りも茸採りも暫くは行けない・・・

雉尾羽胴毛鉤

日本雉尾羽胴毛鉤  Japanese pheasant tail kebari
・・・狩猟鳥利用

日本雉は日本の固有種(亜種?)・・・国鳥

フライなら定番の素材でも毛鉤では見かけた事が無い不思議
ウィング使用の遠刈田毛鉤ぐらいしか出てきていない
・・・それも羽軸の皮
優れた素材なのに使われていないのが却って不思議
・・・何処かでは必ずと思う程の存在

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雉尾羽胴毛鉤 Japanese Pheasant pheasant tail kebari

高麗雉(リングネックフェザント)とは違う裏面の黒さと
一般的なフェザントテールのブラウン基調に比べ
表面も斑入りのダークダンに毛先がブルーダンに輝く妖しさ

そのメタリック基調は裏面の黒と合わせ独特な存在感を感じる
狩猟鳥の有効利用にもジビエ料理と共に面白い存在

フライのフェザントテールやその素材を使ったマーチブラウンなら
ブラウン系だろうがいぶし銀の日本雉テールなら
合わせる蓑毛も剣羽根は勿論のことコックネックで探すとなれば
ブルーダンやダークダンにダングリズリー・ダンバジャー・・・

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雉尾羽胴毛鉤 Japanese Pheasant pheasant tail kebari

蓑毛はスペックルド・ダン・バジャー

フライマテリアルのお陰で毛鉤の世界も手軽に広がる
実際は蓑毛に拘った毛鉤作りは有ったけれど表には出なかっただけ
となれば
誰でもが簡単・手軽になっただけのことかもしれない

使って見て難点とすればナチュラルブラック以上にほぼ見えない
手練れのキラー毛鉤の位置付けか隠し毛鉤の類い

写真には写りずらい現物でしか伝えられないそんな毛鉤

日本雉テールで巻いたソーヤーニンフはオリジナルより
安曇野の湧水で効果を感じているし
ティーニーニンフパターンではこれしかない程

孔雀胴毛鉤 kujyaku-kebari

孔雀胴毛鉤  kujyaku-kebari

一般的な概念で多いのが孔雀胴毛鉤

英式フライならレッドタグやらコーチマン
代表選手は米式フライのロイヤルコーチマン
陸生昆虫を模したフライと喧伝されてはいるが
実際はどうなのか魚に聞いてみないと判らない事
ザグバグならニンフフライの伝統パターン
ロッホフライとなるとスネイルフライ
・・・これは巻貝のフライ

伝承毛鉤とされている孔雀胴毛鉤はハス毛鉤の蜂頭を源流に持つ
アピール力は有り過ぎる程あるし効果的な毛鉤と誰もが認めてはいる
ただ常用毛鉤となると手練れ程疑問視する方が多くなるのも共通点
浮かせ毛鉤では
緑色より青く光る方が良い(ハールよりソードかピーコックアイ)
沈ませ毛鉤では
銅色が良いしそれより黒に染めて銅色を強調した方が効く
結局は
フリューを毛羽立たせ巻いた毛鉤を嫌い煙草の火で焼いてこそ効く方と
ピーッコクアイの荒巻が万能とする方に分かれたのが仲間内の結果
これは毛鉤云々より釣り方の違い
・・・同行すれば判る事
虫餌代わりに鈎素に錘で使うような沈ませ毛鉤なら銅色が良いし
浮かせて使うならピーッコクアイの荒巻が良い反応
・・・どちらも前出済み

毛鉤のサイズが同じでも胴の素材で反応が変わるのは良く有ること
かと言ってフライで有る様なストリップドピーコックハールでは
細身で段だら縞が効くにしても毛鉤となると余りにも華奢過ぎる

シンプルで耐久性が高い毛鉤としては
黒染めストリップドハールのツイストボディにリブ巻き
勿論ツイストの芯はスレッドかワイヤーが要

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孔雀胴毛鉤  kujyaku-kebari

蓑毛はほとんど黒のスペックルドゴールデンバジャー

こんな経験則も
今は石のシャッポ被った爺様達や仲間内が毛鉤を使ってくれたお陰

毛鉤なら行ったきりだけれど
フライとなるとホイットレーごと海外の各有名処に釣行済み
巻いた当人も知らない渓の水を飲んできたフライも多い
アメリカ・カナダ・ニュージーランド・・・本では見てる(笑)

以下爺の戯言 ———————-

同輩なら理解して貰える様々な事の一つにカミさんの言葉
「道具増えてない?」
決して増えてはいませんが「後何年巻いていられるだろう」は自嘲の言葉
先達の姿を見ていれば上手く行って後10年程度と締め切りも見える
同年配でも毛鉤巻き自体を諦めた者も多くなってきた・・・
少しづつでも買い増してきたマテリアルなり釣針に釣り道具
きっと使い切る事は無いだろうし死んでも残る道具だらけ
それでも禁漁期となると毛鉤巻きは年中行事
11月20日になればフジ林檎も収穫終了で農作業も一段落
後は剪定作業と野沢菜漬けが残るだけ
荒川鮭釣りも最低とされた去年より今年は3割減の予想で期待薄
・・・4年周期説を信じた今年にかける気持ちも萎える
周りの山々は初冠雪、北アルプス連峰は真っ白で寒さも早い
今年は何時まで経っても大雨続きで好きな茸の出も悪い
そんな時こそ
タイイングベンチの前なら穏やかな時間を過ごせるパワースポット
・・・巻く毛鉤の数も今年は積み重なって山の様(笑)

山繭胴毛鉤 yamamayu-kebari

山繭胴毛鉤   yamamayu-kebari

何故か余り紹介されていない毛鉤素材
知っている人も稀な山繭胴

山繭胴でその素材の選択以上に大事な事
必ず金糸銀糸を下巻きにする事
家蚕以上の艶に透明感の有る太さ
濡れれば下地が思った以上に浮かび上がる

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山繭胴毛鉤   yamamayu-kebari

蓑毛はミディアムダン・シャンパーニュ
・・・これもその頃はシャンパンなんて名前も無く売れ残り(笑)

山国ではゼンマイがこれだけポピュラーでも
お町の人から見れば希少素材と持て囃す滑稽さ以上の事
天然物だから沢山ブラがっている中で選ぶが大事
見様見真似なり猿真似に知ったかぶりが図らずも露見する
・・・山繭の下地が浮かび上がる様(笑)

知ってか知らずか家蚕との区別もつかず
糸の取り出しを同じく鍋で煮てしまう有様
・・・煮たら山繭の有難みも消え失せる
糸の太さも厚みも蚕繭の数倍以上
煮なくても糸の取り出しは
単糸の強さも有るから容易な事だし
折角の虫の匂いも消え失せる
・・・虫の匂いすらダビングすると言われている

薄皮の別種を間違えてみたり
繭の厚みが少ない物を並べたり
昔のweb発表後よそ様のwebに噴出した素材
本質を判っている方なら文句も出ないが(笑)
・・・剣羽根処理やら剣羽根下拵えと同じ有様

天然物だから
採取する場所で同一種でも質は様々
採取時期を変えればバフ色から薄黄色に翡翠色
・・・天蚕なら山繭ならとは言えない程の違い有り

最良の品質なら厚みは蚕の3倍以上
繭を手で千切るだけで手に余る繊維の量
強さと丈夫さは絹糸以上に加えて
細身のシールズファー以上の
太さくてしなやかな透明感と輝き
・・・染色してもそのままは素晴らしい

以下爺の戯言 —————————

剣羽根処理に剣羽根下拵えとこの山繭のウェブ発表は
図らずもwebの森に仕掛けた括り罠
2009年に余りにも釣雑誌の泡沫記事に呆れ果て
それまでに発表されていない事を選んで
毛鉤作りのブログ開設して様子見
その後2~3年は追随記事も無く静かに推移
その後、会社設立して日本全国走り回る日々が続く中
ブログ更新は勿論の事
釣竿にも触れない3年間の最中に己の力となったのが
見様見真似に猿真似のブログが噴出しだした事
其の儘ならまだ楽しめただろうが
本質が判っていない噴飯記事ばかり
そこに自称プロまで入り込み頓珍漢な話を盛り上げる
「何時か落ち着いたら」が仕事の励み・・・
そのお陰かもしれませんが
その後2年半は海外半分日本半分の生活で兼業農家(笑)
やることはやれたお陰で今回のブログ再開
兼業農家では無い季節に合わせた農生活
ゆっくり愉しんで様子見・・・
自然物・天然物を其の儘使う毛鉤作りの楽しみにも似る

川立ちは川で果てる
釣人なら称賛に値する言葉でもこの件では本来の意味

同世代の釣り仲間も田舎に戻ってきたし
昔の毛鉤釣りでなく今の毛鉤釣りが始まる・・・

秘儀・奥義に幻の毛鉤は有るかもしれないが
その言葉で誤魔化す毛鉤は無い

以下のリンクはテグスの説明

tegusu

川鼠胴毛鉤 

川鼠胴毛鉤
何か洋風感を感じる毛鉤

一般的な初見が1920年代の日光毛鉤の
ゴロ蝶毛鉤と金胡麻・銀胡麻毛鉤

蓑毛の金胡麻・銀胡麻は呼び方が違う程度の認識
普通なら斑入りとか単に胡麻の呼びならわしでも
そこに川鼠胴の組み合わせが面白い
その後
剣羽根と共に驚異的効果と喧伝したのが
沢山釣れるかだけが主目的の当時の釣雑誌
水の中で銀幕を纏い魚を引き付けるらしい
・・・余程キッチリ巻いた毛鉤(笑)
ゼンマイ胴すら同じく銀幕を纏うと紹介
・・・釣雑誌とはその程度(笑)

初期の日光は富裕層の舶来鱒釣り場

上流部で使うのが
ゴロ蝶毛鉤 ゴロッチョ毛鉤 #12~#10程度
(ゼンマイ胴に雌雉の頸毛を寝巻)

下流の渓流部(清流部)で使う
それより小型の金胡麻・銀胡麻毛鉤
(カワネズミ胴に軍鶏毛を傘巻)

釣り場からもパーレット鱒用?
モール胴となればアイアンブルーダンフライ
となれば
無くてはならないスキューズ・ニンフ

ゴロ蝶毛鉤が沈ませ毛鉤なら川鼠胴毛鉤は浮かし毛鉤
FF釣法のフライの影響が強い気がする
何より2~3㎜程度の毛の長さを
仕付け糸に撚り着ける手間を考えたらフライ作り並み
使い方から考えても細身の毛鉤だろうし
一束釣り(百匹釣り)には向かない毛鉤胴としての素材

今ならループダビングでキッチリ・シッカリ
そこにリブ巻き補強なら耐久性も高くなる
金胡麻・銀胡麻の蓑毛も
今ならスペックルドバジャーなりコックデレオン

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川鼠胴毛鉤

蓑毛はゴールデンスペックルドバジャー

以下爺の戯言 ———————————–

伝承云々に関しての笑い話

だいぶ昔にはなるけれど信濃町は野尻での話
北信濃一帯での名物料理「タケノコ汁」にテレビ局が初取材
今とは違いテレビに出るなんてトンデモナイ時分
本来のタケノコ汁は根曲がり竹に水煮サバ缶で味噌仕立てが定番
油の浮いた汁まで入れてタケノコの甘味と鯖の旨味を味わうもの
その時出てきた「タケノコ汁」は
スッキリ上品な鮭缶仕立て
その場では「美味しいですね」と皆で言うしかない
収録が終わってテレビ局が帰った後
「なんだこのタケノコ汁は!」で一悶着は当然の事
作った奥さんがサラリと一言
「折角のテレビ取材に安いサバ缶では恥ずかしい」

自信満々の黄緑色に輝く極上物のタケノコでも
奥さんには敵わない・・・

伝承云々をメディアが伝える事はこの程度のものかもしれない(笑)

ゴロ蝶毛鉤についての参考文献
釣技百科 松崎明治 朝日新聞社刊(1942年10月)
釣法のみならず口絵に「ゴロ蝶毛鉤」が掲載されている

ゴロ蝶を擬して巻いた日光鈎・・・ヒゲナガカワトビケラ
雉の雌の胸毛を巻き鈎の腹にゼンマイの綿を巻きつけて造った毛鈎

日光鉤1号は金色や白糸のリブ附き
日光鉤2号は胴を太目、キジの羽根附き毛鉤
日光鉤3号は胴を太目、テールにキジのファイバーを数本

ゼンマイ胴毛鉤 zenmai-kebari

ゼンマイ胴毛鉤 zenmai-kebari

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ゼンマイ胴毛鉤

ゼンマイ胴の良さは水馴染みと茫洋感
その特徴を生かす為には下巻きが大事
昔乍らの金糸・銀糸の下巻きもその為

色変わりを防ぐために行われてきた以上に
ゼンマイ胴の素材の持ち味を生かす為

大型で太目にもっくら巻くのは
ヒゲナガを多分に意識していると思う
あるいはヒゲナガのシャックかもしれない

テンカラの語源に蝶の釣りが有る
夕方に見掛けるヒゲナガの成虫は白い蝶「テンガラ」
中部山岳地域から東北にかけては最重要水生昆虫
盛期の渓流シーズン中続くほど羽化期も長く
数の上でも蜉蝣以上の汎用性を持つ
成虫の大きさと水面の騒がしさで
各地で大型を引き付けるとされるのはその為

シャックまで意識した釣り方とすれば
表層より幾分ゆったりとした水面下の流れをナチュラルドリフト

ヒゲナガニンフを真似るなら
落ち込みに打ち込んで
食い波と言われる水底に向かう流れに任せてから
流れ出しで浮かび上がらせる

色目と存在感の組み合わせで使い易い蓑毛は
ヘンフェザントのウィングカバーが最適

3B程度の錘を付けて深みを餌代わりで狙うのも
孔雀胴より昔から行われてきた事

体節を強調するためと繊維の脆さを守るために
ツイストワイヤーでリブを入れるのも面白い
濡れたゼンマイ胴は下巻きの輝きを透過して
リブに巻いたツイストワイヤーがそれを引き締める

以下爺の戯言 ———————————

水面を騒がして狙う釣り方には別の毛鉤
ボディに銀幕を纏わせるには違う素材の毛鉤
適材適所のために毛鉤の種類が有る

ゼンマイ胴の長所としてフロータントとの相性の良さ
それを生かせば剣羽根との組み合わせで別物の毛鉤になる
釣り方・使い方を想定した毛鉤作りも一興
それでもこの組み合わせはそれを理解しての応用編
ストーンフライよりはカディスの釣り

剣羽根が良い・ゼンマイ胴が良い
ならば
両方組み合わせればもっと良いでは無い事は自明の理
適材適所は単純な毛鉤での定石
剣羽根の活かし方とゼンマイ胴の活かし方は別の方向性を持つ
決して剣羽根とゼンマイ胴の組み合わせは王道では在り得ない

ゼンマイ胴にはそれに見合う蓑毛
一例としてのヘンフェザントではなく
相性とその組み合わせの選択の結果

ゼンマイ胴そのものもグラディーションが良いのではなく
細い繊維の地色のバフ色からブラウン色に
太いレディッシュブラウンの繊維が入ってこその効果
古ければ古い程その赤味が濃いコーチマンブラウン
英国ハックル名で言えばダークレッド色
一抱え以上のゼンマイの古株なら各繊維も太い
天然物だからこその違いがそこには有る
チャドウィックNo477も
透けるグレーにダークレッドの太い繊維
・・・これは考えすぎかな(笑)

今ほど交通の便が良い訳でも無い昔の毛鉤釣り
同じ流れに同じ石で揃える岩魚の数
持ち山と重なる渓の割り当てなら
毛鉤を変えるのも
一所不住では無い地付きの一所懸命

播州鈎 毛鉤

播州鈎 毛鉤

ひょんなことから播州針の再発見
手持ちの昔の東京袖 平打ち 茶焼 11号
妙高高原町時代はこれが餌針にも毛鉤にも

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

これが爺様達のお勧め
その当時でも通常の鈎より大きいサイズ

顎の広さが抜き上げる保持力の表われで
飲み込まれない様に敢えてのサイズ選択
茶仕上げの中に青焼きの物が混ざるが
錆びるし弱いのでこれは使えないとの説明

サイズの調整は軸部分を切って合わせるそうな
昔乍らの油紙から1本取り出してバイスに載せる

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

その頃は何の疑いも無く手巻きで巻いていたけれど
久々に見る大きさに震える
このサイズで良く釣りをしていたものだとも思う
実際
今よりも釣れなかった事も無いし不便すら感じもしなかった

その頃使っていた羽根も取り出して並べてみると
今の名前なら右から
コーチマンブラウン・バジャー・ファーネス・スプラッシュ・クリー

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

芯黒先黒のバジャーで巻いてすっぴん仕上げ

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

出来上がりのサイズ感に思い出が蘇る
運転手兼魚篭持ち兼雑用係
昔なら電車にバスを乗り継いで上越から糸魚川までの
小河川を含め全ての渓の源流域まで巡る冒険話
海を見ながら山に入る物好きの部類のお世話役
時期が良ければ南葉山林道(現在崩れて通行止め)
イタドリが有ればその中に居るイタドリ虫を探しながら
関川で釣りが出来ない時期は通いつめても山女魚を知らず岩魚三昧
恐ろしいのが人跡未踏とまでは言わないけれど
(時期的には春先で雪崩の上を歩くから意味的には近い)
そんな奥でも会う釣人は全て妙高高原町の顔見知り(笑)
お互いに笑うしかないことが度々起こる
(同類相憐れむ - Similar phase mercy)
残雪を踏みながら崖を降りる程度は普通の事
北側にでもなれば胸まで埋まる粉雪
関川の春を待つ年中行事・・・

軸調整(シャンク調整)

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

その頃は使わなかった逆さ毛鉤

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

軸を切ってもサイズ感は変わらない

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

ちなみに渓流定番TMC102Y #15と比べると

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播州鈎 東京袖 平打ち 茶焼 11号

爺の戯言 —————————–

海外テンカラフォーラムにも紹介されていた
朔風社様のテンカラ入門 ウェブサイトが閉鎖されたようです
個人的な思い込みを排除してテンカラ釣りを総括された
素晴らしいものでしたので非常に残念です
これで最後の灯台の灯が消えてしまいました
web検索は便利ですが朧の様なものかもしれません
昔の残党から見れば浮世のテンカラ情報も同じ
アナログに戻って
本なら書き換えもできずにそのまま残り
そこに残る泡沫のような無粋な記事が笑えます

0.2秒早合わせの必要性を説いた練習方法やら
したり顔でぞんざいな毛鉤巻きを説明したり
釣った魚を針素にぶら下げ誇示する方々が残るだけ
それも砂・泥まみれ・・・
魚体保護云々だけで無く
昔なら砂・泥を付けると味が変わると嫌ったもの
嫌った以上にタブーと同じ
自然・渓・魚に対するタブーなら
頭より先に身体が動くのは当然の仕草

旨い魚を食べるなら弄ばず抜く
食うなら〆る

誇示する魚籠の中の木っ端山女魚は
命を無駄にした事と同じ・・・恥知らずと同意
もっと釣る昔の連中だって
そのまま魚籠に入れるのは控えたもの
(その場に応じて熊笹なり蕗の葉で包む)
なにより20㎝以下の魚は内臓内の
タンパク質分解酵素の働きが強いし持ちも悪い
釣る前に相手にもしないのが当然の矜持

命を大事にするそんな
殺生に対する理解も知識も見え無い
細仕掛けを自慢する
形だけのC&Rに拘る野暮な釣人と同じ

非常に残念です