川鼠胴毛鉤 

川鼠胴毛鉤
何か洋風感を感じる毛鉤

一般的な初見が1920年代の日光毛鉤の
ゴロ蝶毛鉤と金胡麻・銀胡麻毛鉤

蓑毛の金胡麻・銀胡麻は呼び方が違う程度の認識
普通なら斑入りとか単に胡麻の呼びならわしでも
そこに川鼠胴の組み合わせが面白い
その後
剣羽根と共に驚異的効果と喧伝したのが
沢山釣れるかだけが主目的の当時の釣雑誌
水の中で銀幕を纏い魚を引き付けるらしい
・・・余程キッチリ巻いた毛鉤(笑)
ゼンマイ胴すら同じく銀幕を纏うと紹介
・・・釣雑誌とはその程度(笑)

初期の日光は富裕層の舶来鱒釣り場

上流部で使うのが
ゴロ蝶毛鉤 ゴロッチョ毛鉤 #12~#10程度
(ゼンマイ胴に雌雉の頸毛を寝巻)

下流の渓流部(清流部)で使う
それより小型の金胡麻・銀胡麻毛鉤
(カワネズミ胴に軍鶏毛を傘巻)

釣り場からもパーレット鱒用?
モール胴となればアイアンブルーダンフライ
となれば
無くてはならないスキューズ・ニンフ

ゴロ蝶毛鉤が沈ませ毛鉤なら川鼠胴毛鉤は浮かし毛鉤
FF釣法のフライの影響が強い気がする
何より2~3㎜程度の毛の長さを
仕付け糸に撚り着ける手間を考えたらフライ作り並み
使い方から考えても細身の毛鉤だろうし
一束釣り(百匹釣り)には向かない毛鉤胴としての素材

今ならループダビングでキッチリ・シッカリ
そこにリブ巻き補強なら耐久性も高くなる
金胡麻・銀胡麻の蓑毛も
今ならスペックルドバジャーなりコックデレオン

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川鼠胴毛鉤

蓑毛はゴールデンスペックルドバジャー

以下爺の戯言 ———————————–

伝承云々に関しての笑い話

だいぶ昔にはなるけれど信濃町は野尻での話
北信濃一帯での名物料理「タケノコ汁」にテレビ局が初取材
今とは違いテレビに出るなんてトンデモナイ時分
本来のタケノコ汁は根曲がり竹に水煮サバ缶で味噌仕立てが定番
油の浮いた汁まで入れてタケノコの甘味と鯖の旨味を味わうもの
その時出てきた「タケノコ汁」は
スッキリ上品な鮭缶仕立て
その場では「美味しいですね」と皆で言うしかない
収録が終わってテレビ局が帰った後
「なんだこのタケノコ汁は!」で一悶着は当然の事
作った奥さんがサラリと一言
「折角のテレビ取材に安いサバ缶では恥ずかしい」

自信満々の黄緑色に輝く極上物のタケノコでも
奥さんには敵わない・・・

伝承云々をメディアが伝える事はこの程度のものかもしれない(笑)

ゴロ蝶毛鉤についての参考文献
釣技百科 松崎明治 朝日新聞社刊(1942年10月)
釣法のみならず口絵に「ゴロ蝶毛鉤」が掲載されている

ゴロ蝶を擬して巻いた日光鈎・・・ヒゲナガカワトビケラ
雉の雌の胸毛を巻き鈎の腹にゼンマイの綿を巻きつけて造った毛鈎

日光鉤1号は金色や白糸のリブ附き
日光鉤2号は胴を太目、キジの羽根附き毛鉤
日光鉤3号は胴を太目、テールにキジのファイバーを数本

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