伝承毛鉤について Ⅱ

伝承毛鉤について Ⅱ

風土と其の釣人の釣り方に根付いた伝承毛鉤
感性のFLYとは違う収穫の道具としての毛鉤

道具としてなら手作業の道具と同意
大工道具から農家の土農具に杣人の道具
槍鉋に釿から大鋸・・・

形は同じようでも作り手と使い手の鬩ぎあい
そこから生まれる形の違い以上に
互いが専門家ながらの個人の好みも出る
・・・それが道具の機能美

もっと一般的な土農具の鎌・鍬・鋤ですら土に合わせ
刃の違いに刃付け角度だけでなく柄の長さに付け角度が違う
形だけマネしても合わない土なら疲れを生むし道具も傷む

判りやすい鉈なら対象物に合わせた形
竹割・巻割り・薮払い・山刀・・・
狙いすました道具こそが見せる機能美

手に近い手作業で使う刃物程
目的と使い方が限られる
同様に各地の地方色に溢れる伝承毛鉤にはその使い方
それを抜きにした本からだけとか現物からだけでは
他の手作業の道具と同じくその使い方の知識が無ければ
道具として使いこなせないのは伝承毛鉤も同じ

手道具なら傷んで使い物にならなくなるけれど
毛鉤なら魚が釣れないだけで済む

過去のFF釣法の黎明期
振り倒し使い尽くして釣り道具として見極めたのは
各地の手道具に慣れ親しんだ職人さんなり各地の手練れ
けして英書を読んで理解したような学者さんでは無かった

ラテン語も要らず道具から見極めた手練れなればこそ
そこから生まれた独自のflyパターンは意思を同じくした
過去の英国パターンにも似る不思議

土着の各地の毛鉤釣りが名前を変えて
テンカラ釣りで全国区になった
1950年代は遥か昔でありながら
自分らが伝承する毛鉤が出てこないのも不思議な話
まして
テンカラ釣りの言葉が広がる黎明期には珍しがられた逆さ毛鉤
それが今では日本だけでなく海外までそれが主流
十人十色が十人一色

FF釣法なら3~4番のショートロッドにロングリーダー
テンカラ釣りならレベルラインに逆さ毛鉤ばかり

FF釣法ならFlyパターンの引き出しも多いから多少は益しでも
テンカラ毛鉤となると
幻だとか伝説とかで謎を深める手法で誤魔化す

どちらも釣り雑誌のマニュアル通り・・・

地元に根付く土着の毛鉤釣り
仲間と認められれば伝わる毛鉤の何処に幻?

魚に夢を求めるのが釣りと思うが
釣り具に夢を求める今のテンカラ釣り
拠り所に職漁師まで引っ張り出す
・・・野暮を通り越して不思議な釣り

拠り所とする職漁師自体
1950年代には渓流魚養殖技術確立で皆無
山菜・茸採り程度の小遣い稼ぎはまだ残ったにせよ
山の主が居なくなったおかげで
お町の人でも入れるようになり渓流釣りが流行る
畑なら畝まで潰すような歩き方の輩で溢れた
なにを今更・・・不思議な話
権威づける手立てであっても
・・・共通項は毛鉤で釣るだけ

今となれば遊びの釣りに権威付け
今のテンカラ釣りと昔の毛鉤釣りを取り繕う姿
何がそこに有るのだろう

今のテンカラ釣りの吹聴者が面白い

「テンカラ釣りは釣り上げる魚の数が少なくても
他の渓流釣りより満足できるから普及したい・・・」

1970年代にFF釣法を喧伝した釣り雑誌と同じ言葉に同じ趣旨
それ以前からFF釣法なり毛鉤釣りをしていた者達にすれば
底の浅い疑問符ばかりが並ぶ文章に同じ言葉
大学なら認められるらしい卒論の様な
稚拙なコピー&ペースト文章そのもの

http://aitech.ac.jp/~ishigaki/tenkara/top/esaturi.htm

昔を知る釣人なら・・・笑い話
これを其の儘受け取る海外テンカラピュアリストとなれば
笑い話を通り越して哀れな話

釣れる数と形に拘る職漁師毛鉤として紹介しながらの自己矛盾も有る(笑)
垣間見と模倣だけ、物事の内面を見据える視線すら此処には無い
釣る事ばかりでその魚と自然を守った職漁師の自負すら気付きもしていない
結局は釣る魚の数に拘るのが最大の自己矛盾・・・

一つの淵で岩魚が2~3本でも釣れれば遠来の釣人なら大喜びでも
案内する地元の手練れが釣るつもりになったら
その同じ淵で最低でも10本は釣るだろう
全てを釣らず
出る魚を拾うのが地元の手練れ
敢えて2~3本で形を揃えることこそが
岩魚に対する礼儀と己の矜持
数釣れれば良いだけでは無い拾い釣り・・・

名立たる技術を誇る毛鉤釣り師の影に居た解説者が
何時の間にやら海外では日本を代表する
第一人者になっているのも不思議な話

海外テンカラ釣りサイトを巡ると不思議な事が一杯
再発見も多いし伝わり方も日本へのFF釣法黎明期と同じ

今でもハックルの色と名前すら説明できない釣雑誌
・・・色々と差しさわりが出て来るのかもしれない
ブランド志向で誤魔化して
ジェネティックハックルメーカーに合わせていれば無難(笑)

海外のフライタイヤーサイトでも問題提起されている
単純な例なら
今はファーネスもバジャーも同じになるらしい・・・

付記として ———————————-

日本古来の毛鉤釣りとして確立された鮎毛鉤

緻密な巻きに鮎から見た視点まで考えられている精緻さ
鮎の視点から胴巻を見るか剣を見るか・・・
荒巻は回転まで考えられている考察力
季節から天候に時間帯なり水の色に合わせ
色の組み合わせに綺羅・・・

これも釣具メーカー主導型では無く
主役はあくまで鮎毛鉤だからこそ

巻き分けられる種類の多さもさることながら
僅かな違いで釣果まで変わる経験値の積み重ね
道具は軽く強くなっただけで主役は変わらない

釣具メーカー主導型の今のテンカラ釣り
劇的な技術革新でもなければメーカーの価値も無い
どの分野の製造メーカーでも行き詰ると過去の権威に縋る

海外のテンカラフォーラムが活発化しだしたのが2009年ごろ
そろそろ10年の節目
彼の地の対象魚や気候風土に合わせた独自のテンカラ釣り
まさに百花繚乱
英国のFF釣法が米国に渡り独自で様々な発展をした事と同じ
どの様に解釈して米国の風土に合わせていくのか・・・
ウェブサイトのお陰で個々人の考え方まで
伝わってくるのが何より素晴らしい
ソ連の釣りフォーラムでも表題に上げているのが
「釣りに国境は無い」・・・ Рыбалка без границ
だからこそ
中途半端で意味不明な伝承云々に稀とか幻で済ますのは
恥と思う

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