京毛鉤

京毛鉤

日本古来の毛鉤となると京都に辿り着く
文献では1678年蠅頭(hae-gasira)京都の伊右衛門が販売
その頃はまだ順毛鉤式に羽根のファイバーを縛り付ける形式
その後の1756年に諏訪湖周辺で鶏毛を巻き付ける形が生まれ
1818~1829年頃に
京都三条河原町東・みすや針の永原屋茂八が菜種鈎(natane-bari)を販売
「菜種鈎」は黄色の小毛を鈎軸に巻き付け鈎頭に金色の玉
(文献では黄色でもその系譜で残るハヤ毛鉤はペールイエローの蜉蝣色)
その後に蚊針に毛鉤となる
蚊頭・蠅頭・蜂頭等の名称は
虫が群れ飛ぶ有様を現した釣り方も含んだ名称かもしれない
多針仕掛で流し毛鉤なり瀬釣り・・・瀬頭釣りとも
古く京都で愉しんだという毛鉤がその後の改良で各地に広まり名産品
ウグイ・オイカワ用に始まり鮎毛鉤で芸術的工芸品となり定着
真田毛鉤でも初期に販売されていたのは
色取り取りの胴に羽根のファイバーを直に縛り付けた蚊針(順毛鉤式)
鈎頭に金玉が付けられたものは贅沢品・・・
どちらも巻き針ではない蚊針で多針仕掛の飛ばし浮子釣法
明治時代は全国物産展も盛んで
各地の技術交流も奨励されていたため同様のものが広まり一律化
その中ではクル巻きの巻針形式の盛岡毛鉤は特異な存在
諏訪周辺で1756年に生まれた巻き針式のその後が中南信一帯に残る段巻き?
シルクロードの東の到達点で有る京都から毛鉤釣りが広まった事を思うと
その源流は古くはエジプトで愉しまれていたという毛鉤かもしれない・・・
外国の名称 天外なり唐天は置いといて(単なる言葉遊び)
渓流用で一本毛鉤仕掛で岩魚・山女魚用に成るのは当然として
この表題の「京毛鉤」が悩ましい
この系譜が鮎毛鉤だけでなく渓流魚用毛鉤となれば・・・
実釣でも鮎毛鉤を渓流域で瀬釣り式に流すと面白いように釣れる
・・・それ以上に「あっけなく釣れる」
菜種針の時点で鈎頭に金玉となるのが面白い
鈎素付きの毛鉤の弱点を漆で補強するのは常套手段としても
そこに金を張り付ける美意識とその効果の素晴らしさ
杣人毛鉤も考え抜かれた経験値の集積では有るけれど
京毛鉤の系譜を引く山女魚に岩魚用の京毛鉤は想像するだけで愉しい
・・・GBヘッド毛鉤では無い巻き京毛鉤の系譜・・・

前出済みでは有りますが方向性として

山女魚京毛鉤

DSCF5269
山女魚京毛鉤

これは実釣で確認済み

岩魚京毛鉤

DSCF5422
岩魚京毛鉤

あくまでもイメージです
・・・冬場仕事の愉しみ

思い出すのが毛鉤の手巻き時代
天然テグス時代は引き延ばしたテグスを歯で優しく噛んで平らにした後
U字型に針の軸に沿わせ絹糸で巻き止めた後にその糸の始末と抜け防止に
折り曲げた鈎素に巻き糸をくぐらせ全体を引き締めていた
その頃はアイ側からでなく巻き始めはふところ側から
鮎毛鉤の作成方法と同じ(これは自分らが使う毛鉤)
・・・天然テグスを常用するほどの歳ではありません(笑)

手の込んだ毛鉤(フライ)には
加賀毛鉤で一本槍製法と呼ぶその保持器具(バイス)を使う
自分の記憶では小脇に挟むから「ステッキ」と呼んだそれは
ピンバイスに40㎝程度の長い柄を付けたもの
その呼び方も誰から教わったのか昔話過ぎて覚えていないのに
巻き方だけはしっかりと手が覚えている
アイ付き鈎ならゲイブを挟むがその頃のアイ付き鈎は輸出用
輸出用のFLY作りだからマテリアルも多いしパターンも多い
グレーのシェニールに赤いテールから
ロイヤルコーチマン系は勿論の事
大振りなファンウイング付きに色取り取りの装飾
そのファンウイングも白だけでなく様々な色

道具箱の中から50年ぶりに出してみる
鈎はマスタッドらしい・・・
フックシェイプもオーショネー(O’Shaughnessy)にバイキング(viking)
パターンに合わせ鈎の種類も様々
印象深かったファンウイングフライは行方不明でも
セット販売用とか土産用と漠然と思っていたが
改めて見ると真面な鈎に確りと巻いて有る
これが長野の安曇野で巻かれていたかと思うに感慨深い
・・・1960年代初頭の安曇追分での子供時代の話

DSCF5494
1960年代初頭 輸出用フライ

渓流釣り用は器具も使わず手だけで岩魚用毛鉤巻き
鈎素付でも鈎自体が11号の大型だから苦もない事
天然テグスでは無いナイロンハリスだから取り扱いも楽
それでも鈎軸にU字型に沿わせて絹糸で巻き止める形式と
最後に蓑毛を巻いて漆代わりにカシュー塗料で仕上げるのは同じ
孔雀胴もヘラ浮子用からだから今風に言えばピーッコクアイから
今よりも上級品で青緑色に輝き丈夫でもあったような気がする
・・・同時に様々な情景が溢れてきて整理するのが難しい

農作業も一段落した今ならゆっくり愉しめる

なにより「百姓百の仕事の一つ」の中に有るのが
冬仕事の古くから伝わる毛鉤作り(笑)

京毛鉤を長野で巻いても・・・

京毛鉤” への2件のフィードバック

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