剣羽根毛鉤の出生

剣羽根毛鉤の出生

日本独自とされる剣羽根毛鉤
(羽根自体の強さによる水面での跳躍と水中での毛鉤自体の振動)

当初は擦れた山女魚用毛鉤に効果的とされ
流行りも知るだけで4回程は有ったと思い出す
1960年代の釣雑誌にも効果的なテンカラ毛鉤と刺激的な言葉で紹介される
高麗雉の剣羽根が輸入され出し、山女魚は全滅するかもしれないとまで喧伝された

今更ではないけれど剣羽根毛鉤で使う本来の剣羽根は「日本雉の雄」
それもフライで言うバイオット側だけ・・・その特異な強さを生かす為
羽根の各部名称なら「外弁」

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羽根 各部名称

雄・雌の区別も無く、表・裏の色違いも無い高麗雉では無い(前出済み)

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日本雉剣羽根

高麗雉との差異

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日本雉と高麗雉 剣羽根裏表の差異

黄色丸の内が日本雉剣羽根で裏側が表と同じく暗色
高麗雉は雄雌共に裏側は色が明るい(段だら縞は高麗雉の雌)

この剣羽根を使う原点にハス毛鉤の「清姫」が有る
黒染めの剣羽根を使い胴は黒地に赤の帯巻きを2箇所

此方をご参照ください 眩影氏のブログ記事
鮎毛鉤修行その10:鮎毛鉤の原型・伝承ハエ毛鉤を巻く

旧来の毛鉤釣りで使用される毛鉤と職漁師が使う毛鉤は原点に「ハス毛鉤」が有る
「現代テンカラ」とされた1950~60年代にはハス毛鉤の原点が色濃く残る
その後に「テンカラ毛鉤」とされて釣雑誌に喧伝された物は
職漁師が使う毛鉤をお町の人が垣間見した物か推測・憶測で真似た物が見られる
(黒にも様々な黒が有り、茶にも様々な茶が有る事すら感じ取れない方々も多い)
蓑毛も本来の日本式毛鉤は伝承に見られる様に英式の巻き方
アイ側に羽根の裏側を出す巻き方は米国で行われ始めたドライフライの巻き方
明るい裏側を使う事で視認性とコックネックの性質で浮き易い利点を尊重した物
それでもキャッツキルパターンに見られる様に薄く長く巻く形式が本来
キャッツキルパターン初期なら裏表を合わせ放射状に巻きとめる
短くブラシの様に厚く巻く事で浮力を得るとする日本式フライとは意見を異にする
・・・浮いてさえいればどんな毛鉤でもフライでも釣れた時代は過去に確かに有った

剣羽根毛鉤の原点 「清姫」

安珍・清姫伝説の「清姫」しか思い浮かばない・・・

おどろおどろしい伝説・・・「驚ろ驚ろしい伝説」
・・・They thrusts famous in Gruesomeness legend

Dojo-ji_Engi_Emaki
安珍・清姫伝説

黒地に赤「清姫」のパターンはこの絵から?

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安珍・清姫伝説

「清姫」にはこの絵も残る・・・

Yoshitoshi_Kiyohime
「清姫日高川に蛇躰と成るの図」

ハス毛鉤の色使いは浄瑠璃なり浮世絵から得られたものかもしれない
フライと同じ材料を使っても滲み出る毛鉤の色彩感覚は和柄と同じ
京毛鉤の影響を受けたはずの関西地区では質素な「テンカラ毛鉤」が珍重され
その端境では却って京毛鉤の色使いを残す毛鉤釣りの「毛鉤」が残るのも不思議な話

たかが毛鉤釣りの「毛鉤」でもその底には海外の知恵も加わる
果ては、英国「ウォータールー・バラックス」・・・ワーテルローの戦いまで関る

剣羽根毛鉤の出生” への6件のフィードバック

  1. キジの剣羽根も奥が深いんですね。
    勉強になります。
    キジの剣羽根で思い出すのは・・・
    私も昔に手に入れたその羽根が100枚くらいありましたが、半分ほどを知り合った老テンカラ師に2つに割いて差し上げ、一緒に釣りに行く約束をして春がくるのを楽しみにしていました。
    しかしその方は、突然の交通事故で亡くなってしまい、一緒に釣る願いは叶いませんでした。
    キジの剣羽根を見るとそのことを思い出します。

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    1. 剣羽根毛鉤の特徴は投射性に優れた面と丈夫な事かと思います
      実際に100匹程度の魚で壊れる事はまず有りません
      30年程前の毛鉤も今だに現役で毛鉤箱に居ます(笑)

      老テンカラ師のご冥福を心よりお祈り申し上げます
      寂しいものですね、自分に毛鉤釣りを教えてくれた爺様達も
      皆、石のシャッポをかぶっています。
      自分も順番待ちの立場ですから何時は三途の川で竿を振るでしょうが
      それまでには「こんな毛鉤も有る。」と伝えたいもんです

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  2. 先日はご丁寧な御返事を頂きました。

    さて、“清姫”とあれば、私は漱石 虞美人草の藤尾の、女の媚態…なるものを連想し、まだまだ男を磨いていかねばならない(男は、女を見破る先で、なおやはり騙されなければならない)と改め反省するこの頃でした。

    渓にでる陽気も徐々にととのってきました。

    浮世絵に顕著な、和的色使い(色の組み合わせ)は出色だろうと思います。
    どういった(感覚、感性的な)背景があるかについて興味深いです。

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    1. コメントありがとうございます
      男の妙味としての”清姫”・・・考えさせられます
      母なる自然に抱かれて渓魚の媚態に目を奪われる
      そんな陽気が近づいて参りました
      何処かの渓でお会いするかもしれません、其の節は良しなに
      ゆっくりと毛鉤の話でもいたしましょうか(笑)

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      1. その際はご教授いただきます(笑)

        もっぱら今の関心事はじつは淡水魚の色覚についてです。自分の専門研究分野とはちがうので浅知恵ですが、もしかしたら人間よりかなり多くの色を見分けているのではないか?と。

        どういうカラー(と組み合わせ)が好まれて来たか、毛鉤の文化史を紐解くこともまた、非常に興味深いのです。

        私は今年いよいよゼンマイ胴の試作デビューです。(田舎に頼んで干してもらっていました、まだ数年干すべきか悩みますが)ダビング材とちがう風合いを期待してます。

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  3. 生殖行動時には紫色に反応が良くなるとか、深場ではピンク、白濁りでは青とか、釣人ならではの蓄積が基になっているキラーカラーがオレンジ・赤・黒・チャートリュース以外にもあるかと思います。そこに金銀銅の光の組み合わせ、今様鮎毛鉤には蛍光色にラメ入りまで。
    欲望は尽きることが無さそうです。
    ゼンマイ綿は楽しみですね、乾燥後に良く揉んでみてください、巻き易くなると思います。
    40年程経つゼンマイ綿は却ってしっとりとして巻き易くなりました、色も赤味が強くなりました。良い時期が近づいてきました、共に安全で良い釣りが出来ますように!

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