毛鉤で釣れない川

毛鉤に反応しない魚を毛鉤で釣る・・・(paradox)?
勿論、哲学的なパラドックスでは無い

魚が見える程の透明感に溢れる渓流
低層に居る魚の陰まで見える
一流しで様子見・・・ヒラも打たない
日差しが強い日中で透明感のある流れに釣り圧が強ければ尚更
禁漁間際の源流域で産卵行動に入った淵に溢れる魚の様
逃げもせず釣人の思惑を嘲笑う・・・

擦れ掛かりともなれば己の釣法自体を魚に笑われる
手を変え品変えて苦心惨憺でも目の前に居る魚の姿
底地が泥混じりの渓なら
そんな時は、ユスリカパターンメインなのは判る
厄介なのが
大岩が点在し底に小砂利より粒子が細かい砂っぽい渓流
映像で紹介されるような典型的な渓流域だから始末に負えない
水生昆虫の姿も無くかと言って陸生昆虫も飛んでいない
そんな時にライズする姿を見せつけられたら、それこそ堪らない
餌を追わない、ルアーを追わない

そんな時こそ毛鉤とフライの一番面白い時
・・・自虐的毛鉤釣りでは無く(笑)
「毛鉤でこの渓は釣れない」とか「地元の手練れなら」とか・・・
マッチザベイトのペレットフライはともかくとして
定番やらアトラクターパターンに擦れた場合も含め
あるパターンに固執する時期が有るのは確かだと思う
「釣れるのは小型の毛鉤だけ」なんて聞いたら
それこそ答えは手の内に有る様な物
様々な試行錯誤と経験の蓄積の形である毛鉤とフライ
釣れない時があるからこそ・・・
英式バザーフライも鮎毛鉤もその極致かもしれない

「毛鉤で釣れない川」・・・なんて魅惑的な言葉

中部山岳地帯以北なら盛期は蜉蝣の姿はほぼ居ない
かと言ってタランチュラ・フライに反応する魚も居ない
適度に人が行き交う渓なればこそ楽しも深いし引き出しも増える
なんて素敵な釣り場をお持ちなのだろうと心底思う

以下爺の戯言 —————————

安曇野に篭川が有る
ここを毛鉤で釣れれば一人前らしい
関東近郊の有名河川はもしかすればそれ以上かもしれない
釣雑誌が煽る新釣法やらこの竿とこのラインならは論外として
木化け石化けに始まり言い古されたその技術なり技
今迄会った爺様達はそんなこと一言も言わず
それこそ其の儘でスタスタと背を屈めもせず流れに向い
立つべきところに立ち、流すべき筋を躊躇なく流す
敢えて言葉で説明するから
「魚の居場所を知れ」とか「流す筋が大事」になるだけ
爺様が言った言葉
「此の頃、殺気が消えたのか魚が逃げなくなってきた」
・・・蓋し名言

良く言われる
入り波(incoming wave)に食い波(Eating wave)
言い方を変えれば
水底から上がる男波に水面から底に向かう女波

信州小布施 北斎館

男波(onami)

onami
onami

女波 (menami)

menami
menami

言葉で表すと本意が逃げるし文章となれば独自解釈ともなる
葛飾北斎の有名な男波に女波を掲げられたらそれこそ正体不明
白泡で沸き立つ男波を突き破る岩魚も居れば瀞で静かに鰭を動かす岩魚も居る
重い竹竿に馬尾で編んだ馬素を終始振り回し杣道すらない渓を釣り上がる
ならばその釣場に至る事と道具を使いこなす技も技術も必要かもしれない
流れの側まで車を横付けし、たかだか
100g程度の竿と繊細なレベルラインに何の技なり技術が此処まで云々されるのだろう
道具に負けて道具に使われるのか、道具としてそれを使いこなすのか
ソフトプレゼンテーションに有利だからレベルラインの選択?
ナチュラルドリフトがし易いからレベルラインの選択?
大名釣りのタナゴ釣りならいざ知らず繊細な道具仕立てで渓流やら源流に向かう
繊細さが必要なのは道具では無く流れと魚に向ける繊細な感性だと思う

毛鉤で釣れない川” への6件のフィードバック

  1. いやはや天からお見通しの啓示に近い記事に感謝感謝でございます。 私などは源流と程遠い琵琶湖から産卵に登り始め、既に産卵し始めているウグイの毛鉤釣りに四苦八苦しております。笑笑。やはり毛鉤で上げなければ新米毛鉤好きの矜持にかかわります、、大笑い。 何回も記事を読み返して何かヒントがないものか、来週に備えます\(^o^)/ ありがとうございます\(^o^)/

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    1. 満月様 
      なんとも羨ましい実釣を貴ブログで拝見して楽しんでおります。
      悔し紛れに取り敢えず竿と毛鉤を持ってやっと雪解けを迎えた山を徘徊して参りました(笑)
      この記事は拙ブログにご訪問されている方へのご挨拶を兼ねて掲載させていただきました。
      釣り上げる本数より如何に楽しむか、それをどのようにして実家の管理釣り場営業に繋げるか
      私自身も田舎に戻り生活している身ですからお互いに対するエールの気持ちかもしれません
      又、満月様もご存知の通り米国はテンカラ釣りが紹介されて10年の節目を迎えます。
      紆余曲折と離合集散を経て今の姿で落ち着いているかと思いますがここで大きな転機があるかもしれません。
      満月様も仰られる通り基本は毛鉤で魚の反応を愉しむ事が一番かと思います。
      テンカラ釣りのラインの長さと竿の長さはそれを見て愉しむに最適な長さだと思います

      あの悔しい程の鮎用バケ針の潔い姿も毛鉤の究極の産物と思いますし
      それを使いこなす楽しみの成果が鮎の食味に加味されていると思うと
      こちらも今年こそ毛鉤だけで鮎狙いを目論んでいます(笑)

      某大物ばかりの有名な管理釣り場で
      定番のマラブーテールのアトラクターパターンを使う釣人の後に
      鮎たわけ様が発表された文化針やらオランダ針にとても似ているパターンで
      ワンキャスト・ワンフィッシュ
      それも50~60㎝だけともなれば自画自賛を超えて手が痛くなるだけ、
      細いハリスを気遣うやり取りで気疲れする有様は釣りの愉しみの範疇を超えます。
      最初は良かったのですが魚も疲れるしこちらも同じ
      釣って食べる事に異論は有りませんが
      その油だらけでボケた味を知っているだけに面白さも半減
      美味い魚を釣上げて頭の先から尻尾まで喰らいつくす
      その美味さを知りながら釣った魚を放す。
      あの魚は食べたら美味かっただろうななんて思い出しながら毛鉤を巻いています(笑)

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      1. 恐れ入ります、師匠のあの削げおとされたバケ鉤を見る度にいまの形になるまでの師匠のお時間や想いが重なります、私などが似たようなバケは巻いてもあの隙のなさには程遠く巻けていない事も実感しております、自転車のピストの様な潔良さにも通じたバケ鉤に出会え、開発者にお会い出来出た事は宝物だと思っています。今しばらくは 何とかバケ鉤を使い毛鉤を食わないウグイを狙って見るつもりです。天秤仕掛けで鮎のドブ釣りのように底から上げようか、延べ竿にフローティングラインを付けてバケ鉤を流そうか、てんからラインで水面を叩こうか、バケ鉤自体を浮かそうか、、、全くの素人発想で空っぽのオツムがぐるぐる回っているところです、笑笑。 とりあえず小さな鮎エサ1.5号をバケ鉤にして来週も地内川へ行くつもりでおります、、アンビバレンツな不立文字、、貴重なお時間と公案をありがとうございます。九拝。

        いいね: 1人

  2. 男波と女波、初めて見ました、、五次元の隻手音声を二次元の紙に絵で顕す、、恵果和尚以前には無かった宇宙を両界曼荼羅での二次元での表現、、ふとそんな気がしてきました。ますます足りないオツムが音を立てて空回りです。大笑い。 ありがとうございます。

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  3. いつもありがとうございます。
    私も昔、管理釣り場に入り浸りの時代がありました。
    何が、鱒に口を使わせるトリガーになるのか・・・
    その「究極の要因」を追求することに夢中になりました。
    その結果、辿り着いたものが、あのF師匠の鮎バケとそっくりであったことを知った時、鳥肌が立ちました。
    しかし、もう何年も管理釣り場にも行っていません。
    ワンキャスト、ワンフィッシュも飽きますし、その年は肘が壊れました(笑)
    しかし、毎日のように自然の川に立つ人には、どんなロジックをまくし立てても敵うわけはありません。
    私の道具集めと知ったかぶりのブログも、釣りに行けないジレンマと釣り下手を誤魔化すための
    卑怯な手段でしかありません。
    自分が一番わかっています。
    道を究めた人の人生と、そんな人達が作り上げた道具に対する憧れ。
    それを聞き、その道具を愛でることでシンクロできる幸福。
    同じような境遇の方にそんな世界を少しでも伝えられたら・・・
    (何を言いたいのか分からないコメントで大変申し訳ございません)
    今後ともよろしくお願いいたします。

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    1. 鮎たわけ様
      コメントありがとうございます。
      この土日は春祭りで今日も朝6時からお宮に詰めていました、
      明日は祭りとその片付けで一日終わります。
      それが終われば林檎の花摘みにサクランボハウスの仕上げ摘果に苗間作り・・・

      そのストレスを思いっきりブログに書き綴っております(笑)
      それとも釣りの世界にどっぷりと嵌り込みたいからかもしれません。
      道具集めも縁が有ってお手元に集まって来ているのだと垣間見ながら感じます。
      流行りの陰で無視される在野の方々とその作品はその土地にすれば懸け外の無い財産です
      決して消え去るべきものでも無いと思いますしそれが個々人のブログの素晴らしい価値です
      鮎たわけ様のブログに比べたら自分のブログなど10年前から同じ事の繰り返しで恥ずかしいです
      今現在の通説に違和感を感じている方は少数ではないと感じていますし今迄同じ毛鉤釣りでも接点の無かった鮎毛鉤の方々まで入って頂ける幸運にも個人ブログの有難さを痛感しています。
      誰もが漠然と疑問に思っていた事に対する掲示だけでもウェブサイトだから出来る事ですし、もし、万が一それが誤りであれば素直に訂正できる立場とも思います。今迄、作為的でそれもアンフェアな情報ばかりで居心地が悪いと感じている方も興味を持たれて来ています。
      なによりこの清々した文章そのものが鮎たわけ様の釣姿を思い浮かばせます
      長々と失礼いたしましたが簡単に言えば「同意・同感」
      ありがとうございます、こちらこそよろしくお願いします

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