テンカラ釣りの哲学

テンカラ釣りの哲学
以下 爺の戯言に近いかもしれません

鱒釣用疑似餌 1
鱒用疑似餌
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鱒用疑似餌

海外テンカラサイトを覗いていると考えさせられるのが
日本でなら「我が釣りの美学」となりそうでも
海外だと表題の「釣りの哲学」となるらしい

日本語で言えば「毛鉤釣り」=FF釣法となる海外と
「毛鉤釣り」&「FF釣法」となる日本との感覚の違い
今の日本なら差し詰め「テンカラ」&「FF釣法」に洋式「Tenkara」
・・・「毛鉤釣り」は消え去って鮎の毛鉤釣りに残るだけ
「FF釣法」は古くは英国の上流階級の嗜む非常に厳格なルールが有る
チョークストリームでドライフライのみ
アップキャストのみ、バッグリミットも決まっている
釣り上げる魚以上の代金をリバーキーパーに渡し川の管理を委ねる
管理された公園の様な風景の中で規律正しくスポーツとして魚と遊ぶ
アイザックウォルトン氏の「釣魚大全」は富裕層向けの釣り師の哲学?
・・・背景に英国の宗教対立も顕す

10年程前から「テンカラ」釣りが紹介されて、何時から「Tenkara」となるか
興味が惹かれて以来、海外テンカラサイトを覗く愉しみを得る

米国での「テンカラ」商標登録等の問題も有ったが認知は急速に広まる
米国FF釣法業界からの批判にも耐えた先駆者の働きは称賛に値する
・・・リールも買えない貧乏人の釣りとか長いラインが捌けない単純な釣り
日本でも「FF釣法」導入期に岩魚・山女魚は釣れないとか
協会加入していないからフライロッドには雷マークが使えない等
それなりの問題が有ったのも事実であるからどちらも同じ様なもの
純然たる日本式「テンカラ」を先駆者が紹介しても
当初はミニマリストが好みパタゴニア社もそれを後押しするマウンテンギヤ
・・・必要最小限の装備で最大の愉しみを得るための山への道具
その後、固定線のFF釣法という新たな認識で「Tenkara」となる
毛鉤もジグヘッドを使いスティルウォーターやらチョークストリーム
スモールストリーム(薮沢・小川)に果てや鮫まで狙う・・・
対象魚も違えば気候風土も変わるのだから独自進化で「テンカラ」が
「Tenkara」に変わるだろうとは、当然の様に思っていた
次に現れた自らを第三世代と名乗る新たな「テンカラ」の認識
それは「Tenkara」が一部の指導者による「テンカラ」となる
・・・テンカラ純粋主義者とも名乗る
日本のFF釣法導入期には先ず英国のハーディー社が有り仏のぺゾン社が有った
その当時はほんの一部の好事家が独自解釈で誤りも多かったが楽しんでいた
スピニング釣り一辺倒になりそうな世界的な流れの中で1980年代を迎え
再度「FF釣法」の流行が到来し、米国式「FF釣法」だけに切り替わる
その当時の英国でも「ハットからベースボールキャップばかりになった」との
旧知の英国FF釣法釣師のボヤキは忘れられない(笑)

「てんから」=日本古来の毛鉤釣りが「テンカラ」に代わり「Tenkara」に成る
又、別の動線で有るフライと毛鉤を融合させた固定線のFF釣法も理解出来る

此処に出て来た「テンカラ純粋主義者」の存在が面白い
バーブレスフックを使い広がり過ぎたテンカラの定義を規律として再構築する
この表現だけであれば旧来の日本式テンカラ釣りの再訪かと思っていたら
予想を遥かに覆す米国独自解釈である「テンカラ釣り」らしい
彼の地の様々な「Tenkara」集団の勢力図の中で自己の存在を守るため
・・・さながら鎖国時代の日本の姿はそうだったのかと考えるような有様
その定義は思った以上に狭い
1980年代から現在までの日本の有名テンカラ釣師の教義だけを頑なに守る
日本から見ればほんの一部の有名処であってもそれが彼の地では全てに成る
その有名処に集まるピラミッド構造の構成員なら何百人集まろうが同意見
さながら「それは宗教団体の様です」と表現した方の意見が良く判る

別に日本の川で釣りをするために「テンカラ」が有る訳でも無い
一部の有名処が宣う「テンカラ」が日本の「テンカラ」の全てでも無い

古来からの「テンカラ」を理解されている方と「Tenkara」として楽しまれてる方や
固定線のFF釣法として自己構築して楽しまれている方とは愉しみを分かち合える
100年程前からの毛鉤パターンを紹介したお陰で様々な国の方と会話できる愉しみ

方や、これは「テンカラ毛鉤」では無いと頑なに否定する方々の存在
各地の毛鉤釣りの総称として「テンカラ」とした日本と彼の地の第三世代との断絶
海外に「テンカラ」が紹介されてそろそろ10年程となるが覗き見は楽しい
「釣り美学」とする一人称視点の日本と集団的教義としての彼の地の「釣り哲学」

GBフライとかビーズフライは誰某が紹介したもので日本のテンカラには無い
古い毛鉤をこれは○○○フライのバリエーションで有るとする彼の地の第三世代
日本の毛鉤釣り文化を知らずに此処まで来ると何やら片腹痛い(笑)

fixed line flyfishing

I feel the same feeling
Charles Cotton and Izaak Walton
And George Selwyn Marryat

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スモールハリー
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レッドタグ
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ブラックフライ

毛鉤もフライも美しい

誰が何時そのテンカラ定義を決めたのだろう
その定義自体が何を意味するのか、それとも自己の存在感を示すため?
職漁師毛鉤や伝承毛鉤に神秘性を持たせながらその実、全く違う釣り
在野の毛鉤釣りを総じてテンカラ釣りにした第一世代以前の先達の思惑すら越え
凝り固まった様なそのテンカラ純粋主義者達の考え方は原理主義とも違う
それが翻って世界に認められたテンカラ釣りとなり日本で喧伝されるのはもっと不可解

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毛鉤の蛇口

毛鉤の蛇口について考える
・・・チチワとか環付けとか様々に言われているが本来は蛇口

渓流釣りで常識で有った鈎素の内掛け

餌針の小さな平打ちのミミさえ嫌い鈎素の向きまで拘りが有った
中にはその小さなミミが光るとか流れ方が変わるとまで拘る
外掛けで鈎素を結ぶと魚の口の中で弾かれるとか針先を活かせないとか
どこでも同じ考え方が却って興味深い
そこまで常識で有ったその内掛けは餌針を毛鉤にする時も同じ
同じ考え方で魚に気取られ無い様に出来るだけ小さな蛇口にする
毛鉤釣りならほとんど結びっぱなしだから別段面倒でも無かった
蛇口そのものも利便性の為に後から備わった物
その前の毛鉤では鈎素を巻き添えて頭を漆又はカシュー塗料で止めを作る
それでも針素は内掛けで作ると各地の爺様達に強く言われていた
鈎を飲まれるのを嫌いわざわざ11号等の、その当時でも大きな鈎を使う
フックサイズで言えば#6~8程度になるかと思われる
鈎の型も狐とか流線とかでは無く袖型が一番良いと言われていた
その辛い魚篭持ち時代を思い出したきっかけが
郡上釣りの職漁師が使っていた伝説のアマゴ用吉村針
本では何度も拝見していたけれど、いざ現物を手にすると
俊敏なアマゴ用の鈎とは思えない大きさと
針先の鋭さ以上に針先の短さと独特な型に目を奪われ 

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アマゴ用吉村針8号と岩魚用東京袖11号

アマゴ用吉村針8号と使っていた岩魚用東京袖11号
(隣は内掛け例とサイズ感を見てもらう為のTMC102Y #15)

飲まれるを恥とし魚の口の何処に掛けるかを粋とした渓流釣りの矜持

「魚の向きに合わせて竿先を動かす」と何度も言われたその情景まで思い出す
・・・飲まれたら「下手糞!」と其の儘、山の中に置いてきぼり(笑)
飛ぶように駆け上がって行くから鈎素を切って追いかける
お陰で足の親指の爪なんて漁期中、何度も剥がれる
(黒長靴に荒縄を巻いただけで渓を駆け上っていく後ろ姿は鬼に見えた)

アイ付きフライフックに慣れ切ったその不甲斐なさを痛感する
テンカラ針のただ飛ばしやすいからと太軸にした物から
桑原型等の次世代型なら
アップアイ・ストレートアイ・ダウンアイまでの拘りも有った
(ブラインドアイサーモンフックにガットアイでも内掛けにする)
毛鉤も本来の蛇口は内掛けにしてなるべく小さく作る
今はフライ用バッキングラインが有るから利便性で使ってはいるけれど
それでもニードルの先を使って少しでも小さな蛇口を内掛けで作る
そこに細仕掛で1,5号の鈎素を結び、沈めるか水面に毛鉤だけ乗せる

付記
笑い話では無く中には山女魚を知らない爺様も居た
渓魚は岩魚専門で何時も行く渓は岩魚だけしか棲まない
わざわざ他の渓まで行くのは時間も掛かる蒸気機関車の時代
山女魚を知らなくても素人では無い、その渓では並ぶ者も居ない名人

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アマゴ用吉村針8号と岩魚用東京袖11号

ゼンマイ胴毛鉤 zenmai-kebari

ゼンマイ胴毛鉤 zenmai-kebari

This ”kebari” is not for Tenkara purists because it is not a tenkara pattern.

ゼンマイの収穫は換金作物として山間地の非常に重要な位置づけ
収穫して毎日干して手で揉むを繰り返す
収穫地の管理も厳しいものが有ったけれど
荒廃した嘗ての水田再利用で雪崩の地に小屋建ては昔話
そのゼンマイの綿は所詮ゴミの類い
その捨てられるゼンマイ綿では本来の毛鉤素材では無い
入れる者が限られる厳しい場所に有る一抱え程の株から得られる
そのゼンマイは太さも親指程にもなり綿毛も太い
別格の品だからこそ収穫もせず後年の釣人の為に大事に守られて来た
化繊と違い丈夫である事も大事な事だが時代を経れば経る程
その素材に経年変化で妙味が出ると言う
その資質を活かしたゼンマイ織の生地を見ればその意味が判ると思う
その素材を毛鉤の胴に巻いた先人の知恵
ゼンマイを巻けば良いとする今の毛鉤とは素材からして違う
100年程前のゼンマイ毛鉤として三体を巻いてみる

ゴロッチョ毛鉤で有名な雌雉を蓑毛にしたもの
・・・本来は片側の毛だけを使い蓑毛を疎らに巻く

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雌雉蓑毛ゼンマイ胴

柔らかな毛を活かし伏せ蓑仕立て
・・・節を形作る荒巻の孔雀が特徴的

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ゼンマイ胴伏せ巻毛鉤

真正バジャーの元黒先黒に拘る毛鉤も有る
・・・敢えて長めの蓑毛で巻く

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ゼンマイ胴元黒先黒蓑毛毛鉤

過去の文献で何度となく繰り返される同じ言葉
「毛鉤釣りはその時期に飛ぶ蟲に合わせる」
これは蚊頭針だけでなくそれ以前の江戸時代の文献にも頻出する
蓑毛も元黒は当然の様に使われ最善は先黒が良いとする先達の拘り
岩魚は白毛の斑入りが良いとするのも共通した認識であるのも興味深い
初期は白毛で始まり川によって茶毛・黒毛で飛ぶ蟲に合わせ
盛期では蓑毛を敢えて疎に巻くその経験の蓄積
蜂頭で始まる効果的な孔雀胴すらその毛を敢えて煙草の火で焼く
沈める毛鉤ならその孔雀を黒に染め銅色に輝かせる
先人達の思い入れと経験の蓄積が毛鉤の愉しみを深める
ここに後人の浅知恵で有るシルバーティンセルを下巻きに巻く
・・・濡れると透けるその素材を少しでも効果的にする
チャドウィック№477も銅線を下巻きにしたりリブにしたり
ピンクのスレッドで巻いてみたりはその効果を知る為

その時代で叶わなかった素材が有る今の時代
有難い事では有るがこの素材が
昔の先人達に有ればどんな毛鉤を巻いたのかと思う

興が乗ったので釣人社創生の佐藤氏が本で紹介された毛鉤

同じくゼンマイ胴で羽根附毛鉤
・・・テンカラ毛鉤では無いとする意見が出れば面白い

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ゼンマイ胴羽根附毛鉤

毛鉤釣りをテンカラとした自己矛盾の極致ともなる

こんな事が毛鉤釣りを総じてテンカラ釣りとした時代から
幾たびも定期的に行われている
其の都度消えて行く毛鉤達とその製作者の経験と蓄積
勿体無い話では有る
田舎なればこそ潤沢にある素材だけで作られる毛鉤
「テンカラだけは止めてくれ」と真顔で言った釣具屋の親爺
今は石のシャッポをかぶっているから仕方が無いけど
今の時代を見ていたらきっと驚くと思う

餌針のその小さなミミすら嫌い鈎素の内掛けに拘った昔の渓流釣り

今の時代のテンカラ毛鉤ならではの
外掛けで大きい蛇口を見たらもっと違う意味で驚くかもしれない

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ゼンマイ胴毛鉤各種 85年程前~100年程前

テンカラ毛鉤の名前の不思議

minogeプロポーション 各名称
毛鉤と蓑毛の各名称

爺の戯言 —————————————–

テンカラ毛鉤の名前の不思議

商品名として作った毛鉤をどの様に名付けようが
それは常識の範囲なら構わない事かもしれない
眞田毛鉤の様に金星とか太陽に幸村に黒龍なんてロマンを感じる

此の頃聞くようになったのが毛鉤のパターン名として
雄鶏毛鉤と雌鶏毛鉤にソフトハックル毛鉤を順毛鉤とするらしい
ならば、今まで順毛鉤と称していた背に羽根を載せるパターンは
どの様な名称区分になるのだろう?
紹介されていないからテンカラ毛鉤では無いとしてしまうのか
テンカラ純粋主義者ならありがちな話では有る

この竿が良いとかこのラインで無ければならない程度なら
釣具業界ならではの商売上の常套文句かもしれないけれど

本来、地域色に個人色が強い毛鉤に独自の名前は無かった
当の本人が使う毛鉤で有れば単に毛鉤とすれば良かっただけの事
その後普通毛鉤・逆さ毛鉤・順毛鉤と簡単な名称を区別の為に名付けた
勿論その範疇に含まれない毛鉤も多く○○式とか○○型とか区別を付けてきた
それでも、こんな名前一つでもそれなりの考えが当然ながら有ったはず

雄鶏・雌鶏までは何とか
一般的な素材の鶏の頸毛を使うからまだ違和感を感じながらも理解はできる
ソフトハックル毛鉤を順毛鉤とする流れは何時からだろう
雄鶏・雌鶏毛鉤は日本では使われていない、順毛鉤はそもそも違うパターンと
疑問を呈するとこれは日本の有名テンカラ師が認めた事だからと返答が来た
道具は進化して変わるのは仕方が無いだろうが釣り方も変われば
順毛鉤の様に従来からの毛鉤パターン名まで変わってしまうのには恐れ入る
従来型の毛鉤にそれをオリジナルと宣伝して個人名を付けたり
折角のパターン名まで後から変えてみたり、混乱と正体不明で誤魔化すのは
どうも現代テンカラ釣り師と呼ばれる方々の持って生まれた習性の様なものらしい

テンカラは10色なのだからもっと広い心をお持ち下さいと続けて来た
ならばハス毛鉤から特化した鱒用毛鉤はテンカラ毛鉤と違うとか
有名処が使っている物がテンカラ毛鉤で有るとするその弁をそのまま返したい
変貌ぶりに付いて行けないのは爺ならではの事であっても不思議な話では有る
伝統やら伝承の言葉を装飾の様に使いながらその実、過去の毛鉤を否定する
・・・この反応が面白いからそれを愉しむ気持ちも有る(笑)

その有名処が剣羽根の巻き方すら知らなかったり
ゼンマイ胴は気泡を纏うから効果的とした時代も有る
ゼンマイはチャドウィック№477と同じと言ったら理解出来なかったり
山繭胴すらその使い方を知らなかったり存在そのものも知らない
それも10色の類いの話かもしれないとするのは皮肉な話
個人的な反応以上に各国の反応の違いも面白い
仏では”蜂頭毛鉤”を巻いて楽しむ方までいらっしゃる
英国ならチャールズ・コトンなりフレデリック・ハルフォードまで思いを馳せる
元々、地域に根付いた毛鉤釣りを総称としてテンカラ釣りとしたものを
無理矢理な定義付けそれも自分の釣りを最高とするから矛盾も生まれる

それでもリールが買えない貧乏な釣りとするよりは良いのかもしれない

テンカラ釣り其の物もその時の有名処に合わせて作られてきた釣り方かもしれないが
此の頃はテンカラ毛鉤すらその有名処が認めないとテンカラ毛鉤にも成れないらしい
日本古来の毛鉤釣り文化も否定(見た事が無いから存在しないらしい)すれば
その一番の要である日本の毛鉤文化すら今のテンカラ釣りは認めないらしい
ここまで来れば魚釣りでは無くもはや、人釣りの方法に見える
職漁師毛鉤をアイデンティティーにしたがるのは作為極まる
結局は今のテンカラ釣りも日本独特のFF釣法と同じ道を辿る

貴方はテンカラ釣りのコアの部分を知らないと来た
その言われる「コア」の部分は何か判らず聞いてみると
それはバーブレスフックの使用をすることだと返答が有った
・・・もっと違う事を考えていてあっけにとられる
職漁師毛鉤は収穫の道具であって収奪の道具では無いと答えると
理解の許容範囲を超えてしまうらしい
此方の方がテンカラ釣りのもっとコアな部分と思う

職漁師毛鉤は収穫の道具であって収奪の道具では無い、とは・・・
収穫とは環境を整え生産し収穫するまでを意味する(狩猟も同じ)
バーブレスが即ち動物愛護とも思えない
早合わせに、刺さり優先の細軸や細仕立ても同じ意味と思える

昭和8年「川釣の研究」 Ⅳ

昭和8年「川釣の研究」 Ⅳ

鮎たわけ様から解答集を送って頂きました
ドキドキ、ワクワクしながら
その高解像度のデータを見させていただきました
結果
思い入れと思い込みが入り混じる個人の浅はかさを痛感致しました
及第点にも及ばない先の答案に対しての恥から来る涙では無く
届いたばかりのそのA-3用紙を開いた時に涙が出てしまいました
・・・爺になると涙脆いのです(笑)
戦前の日光湯川のFF釣法まで紹介されている魚住氏だから
バタ臭い毛鉤と思っていましたが純然たる和式毛鉤の数々
ハス毛鉤と岩魚・山女魚用の毛鉤の間を繋ぐその姿
鮎たわけ様の仰られたハス毛鉤風とのご指摘が心に染みます
下段の傘巻き毛鉤三体
右側の胴を見て安曇野で1950年代に輸出用として作られていた
その同じ胴の姿がありありと出ています

講釈よりは真実をご覧ください

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昭和8年「川釣の研究」 鱒釣用疑似餌 1

左上、順毛鉤三体はブラウンマラードが正解でした
右側の傘巻毛鉤は赤のシルクフロスが二段では無く三段でした
下段 普通毛鉤三体は傘巻に中金入り、花入附、赤胴に孔雀の荒巻

鮎たわけ様はじめ皆様のご指導を受け少しでも間違いの無いようにしてまいります
今後ともご指導よろしくお願いいたします、ありがとうございました

確かに「伝説の書」でした
連綿と続く日本の毛鉤文化を示すとても素晴らしい書です

以下爺の戯言 ——————————-

近代の歴史を節穴の様な小さな毛鉤目線から覗いていくと
江戸時代の太平楽と庶民の生活水準の豊かさから
革命に近い廃藩置県の際の変革と相反する外敵に対する為の静かなる粛清
自身の存亡を賭けた明治新政府の西洋文明への傾倒と吸収
高度成長期の地方文化の空洞化以前に断続された地方文化
地方に残る古い文化を押しやる程の文化的革新(文明開化)を感じてしまう
それに比べたら地方に残る毛鉤なんて小さなシミにも劣るかもしれない
でもその中で残った毛鉤は雄弁に真実を今に伝えると思う

昭和8年「川釣の研究」 Ⅲ

昭和8年「川釣の研究」 Ⅲ
・・・模倣と創造の世界の続編にもなりそうです

こちらのブログをご参照頂けると興味深い世界に入れます
もしかするとFF釣法の原理主義者かもしれません(笑)
独特のスタイルと蘊蓄が堪りません

Historic Angling Enterprises
http://www.historicanglingenterprises.com/

ご紹介済みですがFF釣法の博物館そのものです
The fishing museum
http://www.fishingmuseum.org.uk/index.html
こちらのfishing-libraryには原書がそのまま掲載されています

・・・・当方のブログは
(営利目的では無い個人のブログですのでご紹介させて頂きました)

昭和8年「川釣の研究」が本題で何故、英国が出て来るか

魚住氏の毛鉤を巻いているとバランスが英国式さながらです
ボディ後端がキッチリとバーブの上から始まり
蓑毛の長さも決められたレシピの通りに収まっている
蓑毛の向きと巻き方が寝巻でも無く傘巻とも違う等
和式毛鉤よりは全体の印象が何故かバタ臭い・・・
蛇口を内掛けにしているのも餌針への拘りよりは
ブラインドアイフックでの定番(内掛けです)
シルクガットでアイ作りに近いような気持ちにもなります
となると
鱒用疑似餌1の下段の毛鉤三種はヨークシャースタイルとか
Clyde Style Fliesまで範囲が広がります
一般的に言えばスパイダーハックルパターンかもしれません
・・・スパイダーフライとなると意味合いが違うので
細身に仕上げた胴に巻いた蓑毛とタグらしき花入
ハス毛鉤ともヨークシャースタイルとも見て取れます

Clyde Style Fliesについてはこちらのブログ
http://www.spanglefish.com/realclydestyleflies/index.asp

スコットランドパターンからアイルランドパターンまで話は広がります

広がり過ぎたので問題の三点の毛鉤の胴に戻して
右と左はフェザーウィング・尾羽等を巻き付けた胴らしいです
フェザントテールを胴に気持ちはハニーダンかもしれません

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅲ 

すると、中央はシルエットがダビングボディらしく見えてきます
モール=モグラと直訳されるフライ素材
本来はトガリネズミ、別名カワネズミ胴となれば・・・妄想に近くなります
となればこの花入の色は黒に見えるけれどクラレット
写真の蓑毛の色は油毛では有るけれど気持ちはブルーダンかもしれません

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅲ 

こうなると残りはレッドタグかレッドクイル若しくはコッキーボンヂュー

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅲ 

ハックルさえ正規で有ればフェザントテールにアイアンブルーダンにコッキーボンヂュー

模倣と創造の世界の続編からでは無く、妄想の世界でした(笑)
此処まで英国パターンで有れば左上の順毛鉤仕立てのウィングはブラウンマラード

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅲ

環付き鈎はマスタッド社 94840 #10 ですが気持ちは少し違います

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅲ

以下爺の戯言 —————————–

日本のFF釣法導入期である1960年代から1970年代は世界的に見れば
スピニング釣りがFF釣法を席巻した時代です
1980年代には又FF釣法が復活してまいりますがその当時とすれば
新たな顧客を得るために日本にFF釣法がもたらされていたのだと思います
英国の名門ハーディー社が日本向けに独自の竿やリールを開発したのも
今となれば懐かしい思い出ですがそれだけ高度成長期を迎えた有難さかもしれません
日本の釣具業界とすれば「貴族の釣り」と喧伝して購買意欲を高められます
アメリカ東海岸の顧客層とも道具仕立てが共用出来ますから
ショートロッドに低番手3~4ライン全盛となるのも仕方がありませんが
テンカラ毛鉤を安直に「職漁師毛鉤」と結びつけるのも
”tenkara”のレベルライン至上主義と何か同じ様な匂いがします

昭和8年「川釣の研究」 Ⅱ

昭和8年「川釣の研究」 Ⅱ

お借りした画像で申し訳ありませんが
先の毛鉤写真を見ていると伝説の書の意味が染みて来ます

昭和8年「川釣の研究」 毛鉤図 2
昭和8年「川釣の研究」

胴は孔雀に定番色の黄色・朱色・赤色の絹糸で段巻き
・・・単純な胴でありながら魅惑的
先ずはコガモ(ティールダック)で蓑毛を順毛鉤仕立て
途中からグレーマラードに変更したりしても
フェザーウィングウェットフライ其の物

写真と比べるとやっぱり羽根質が柔らかすぎる
・・・これはこれで効果的な毛鉤

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅱ

それではと、次はもう少し硬めのブラウンマラードで巻いてみる
まだ写真と比較すると柔らかい様で巻きながら次を考える
・・・これは犀川本流(犀川漁協区)で常用した當毛鉤に見える

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅱ

まさかと思いながらも金胡麻・銀胡麻の代用となると
手持ちの素材ではコックデュレオンしか有りません
羽根の質を写真に合わせているだけで
スペインのあの毛鉤に誘導している訳では有りません(笑)
・・・あの毛鉤とは蓑毛の立ち角度が違います

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅱ

如何でしょうか?
写真に残るその質感を合わせてみました
本来は白髪状態になった老齢の軍鶏の頸毛ではと思います
もし英国パターンを標榜しているならばブラウンマラードと思われます

その横に有る典型的な孔雀胴毛鉤も何やら秘密が隠されている様で
昔の毛鉤は一工程ごとに仮止めをしたり補強でオーバーラップしますが
それだけではない様なくびれが二カ所
・・・段巻胴の毛鉤と並べたのも意味が有りそうです

順毛鉤のサイズを7号から7.5号程度とすれば少し大きめの11号程度
サイズ的にも山女魚毛鉤ではない様な気もします
著者自身が日光湯川のFF釣法を説明している程ですからパーレット鱒用?
ならば魚の好みに合わせてフライと毛鉤を融合します

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅱ

先達達の毛鉤には味わい深い世界が隠されていると思うのは
自分だけでは無いと思います
これらが発表されたのが85年程前と考えれば尚更かもしれません

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昭和8年「川釣の研究」 Ⅱ

本稿は写真の角度でポイントの形が緩やかなアウトポイントに見えます
そのカーブの有様がマスタッド社の鈎に見えてしまうのは
安曇野の幼少時代の面影が根強いのかもしれません

手が止まってしまったのが下段の蓑毛が油毛の三点の毛鉤
上段の三点と同じく色違いを並べた物と思うが違いが判らない
唯一、下段中央は花入附き(写真では黒色?)右側も?
他2点は烏胴なり雉の尾羽かもしれないシルエットが見て取れる
ハス毛鉤ともなれば色の組み合わせは様々有るが
三点共、蓑毛が茶色の油毛だけが却って気に掛かるし
その掲載の位置からも定番の毛鉤であろう事は良く判る
これはひとまず置いといて・・・

以下、のんびりと続きますのでご笑覧お待ちしています
ありがとうございました