ゼンマイ胴毛鉤 zenmai-kebari

ゼンマイ胴毛鉤 zenmai-kebari

This ”kebari” is not for Tenkara purists because it is not a tenkara pattern.

ゼンマイの収穫は換金作物として山間地の非常に重要な位置づけ
収穫して毎日干して手で揉むを繰り返す
収穫地の管理も厳しいものが有ったけれど
荒廃した嘗ての水田再利用で雪崩の地に小屋建ては昔話
そのゼンマイの綿は所詮ゴミの類い
その捨てられるゼンマイ綿では本来の毛鉤素材では無い
入れる者が限られる厳しい場所に有る一抱え程の株から得られる
そのゼンマイは太さも親指程にもなり綿毛も太い
別格の品だからこそ収穫もせず後年の釣人の為に大事に守られて来た
化繊と違い丈夫である事も大事な事だが時代を経れば経る程
その素材に経年変化で妙味が出ると言う
その資質を活かしたゼンマイ織の生地を見ればその意味が判ると思う
その素材を毛鉤の胴に巻いた先人の知恵
ゼンマイを巻けば良いとする今の毛鉤とは素材からして違う
100年程前のゼンマイ毛鉤として三体を巻いてみる

ゴロッチョ毛鉤で有名な雌雉を蓑毛にしたもの
・・・本来は片側の毛だけを使い蓑毛を疎らに巻く

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雌雉蓑毛ゼンマイ胴

柔らかな毛を活かし伏せ蓑仕立て
・・・節を形作る荒巻の孔雀が特徴的

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ゼンマイ胴伏せ巻毛鉤

真正バジャーの元黒先黒に拘る毛鉤も有る
・・・敢えて長めの蓑毛で巻く

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ゼンマイ胴元黒先黒蓑毛毛鉤

過去の文献で何度となく繰り返される同じ言葉
「毛鉤釣りはその時期に飛ぶ蟲に合わせる」
これは蚊頭針だけでなくそれ以前の江戸時代の文献にも頻出する
蓑毛も元黒は当然の様に使われ最善は先黒が良いとする先達の拘り
岩魚は白毛の斑入りが良いとするのも共通した認識であるのも興味深い
初期は白毛で始まり川によって茶毛・黒毛で飛ぶ蟲に合わせ
盛期では蓑毛を敢えて疎に巻くその経験の蓄積
蜂頭で始まる効果的な孔雀胴すらその毛を敢えて煙草の火で焼く
沈める毛鉤ならその孔雀を黒に染め銅色に輝かせる
先人達の思い入れと経験の蓄積が毛鉤の愉しみを深める
ここに後人の浅知恵で有るシルバーティンセルを下巻きに巻く
・・・濡れると透けるその素材を少しでも効果的にする
チャドウィック№477も銅線を下巻きにしたりリブにしたり
ピンクのスレッドで巻いてみたりはその効果を知る為

その時代で叶わなかった素材が有る今の時代
有難い事では有るがこの素材が
昔の先人達に有ればどんな毛鉤を巻いたのかと思う

興が乗ったので釣人社創生の佐藤氏が本で紹介された毛鉤

同じくゼンマイ胴で羽根附毛鉤
・・・テンカラ毛鉤では無いとする意見が出れば面白い

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ゼンマイ胴羽根附毛鉤

毛鉤釣りをテンカラとした自己矛盾の極致ともなる

こんな事が毛鉤釣りを総じてテンカラ釣りとした時代から
幾たびも定期的に行われている
其の都度消えて行く毛鉤達とその製作者の経験と蓄積
勿体無い話では有る
田舎なればこそ潤沢にある素材だけで作られる毛鉤
「テンカラだけは止めてくれ」と真顔で言った釣具屋の親爺
今は石のシャッポをかぶっているから仕方が無いけど
今の時代を見ていたらきっと驚くと思う

餌針のその小さなミミすら嫌い鈎素の内掛けに拘った昔の渓流釣り

今の時代のテンカラ毛鉤ならではの
外掛けで大きい蛇口を見たらもっと違う意味で驚くかもしれない

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ゼンマイ胴毛鉤各種 85年程前~100年程前

ゼンマイ胴毛鉤 zenmai-kebari” への7件のフィードバック

  1. 昔の先達方にこの材料があったら、きっとKebari and Flyさんが今回巻かれた毛針になることでしょう!! 笑い。 どれもこれも美しい実用品ですね。

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  2. おはようございます、芋虫毛鉤そのものでこれが嫌いでFF釣法に憧れたのですが
    此の頃はこの手の毛鉤が堪りません、自分でも変わったなと思います。
    完全な実釣用ですからシケ糸もミシン絹糸でキッチリ巻いています(笑)

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  3. 井戸茶碗に美しさを見出すような心持ちです、掌中の機能美、小宇宙ですね!  もちろんKebari and Fly さんの巻かれた隙のない毛針だからこそなのは重々承知しています、、笑い。 道具の美しさは誰かに見せるために作られたのでなく、その静かなしかし圧倒的な存在感に気がついてしまった人だけが見出せるものなんでしょうか、、、それにしても美しいイモムシさん達です。笑い。

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  4. それにしても見事な毛バリです。
    昔は同じ材料があっても、こんなにスマートに美しく巻けなかったでしょうね(笑)
    しかし、テンカラの原点を調べれば調べるほど・・・
    仰る通り「毛鉤釣りを総じてテンカラ釣りと呼ぶ」現代に違和感を感じざるを得ません。

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    1. ありがとうございます、穴が有ったら入りたいぐらいのお言葉です
      ゼンマイ綿の面白いのが年数を経る程、しっとりと巻き易くなりました
      40年程経ちますが太い繊維の赤味が強くなって爺様達が言った様になってきました
      そんな先人達の存在そのものを消し去るようなそんな行いは何処かで足元を掬われる(笑)
      待ちに待った”KA-I-KI-N”です、GWと言う準備体操も終わり身体も温まりました
      いざ!勝負・勝負・・・下手は下手なりに足元を波で掬われない様頑張ります!

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  5. こんにちは
    賑わいのGWを無事終え、また通常の街暮らしの始まりです。

    田舎では休日の終盤テンカラをするお客もちらほら…?
    (釣果は上がらずエサ釣りに切り替え)
    いま徐々に周辺を整えていってます。

    10年単位で寝かせるとこんな色味になるのですね。
    自分のまだ日の浅いゼンマイとは大違いです。
    イモムシさが良いのです(若造の意見)。

    下記のブログで廃盤の本紹介も参考させて頂きましたから、
    最近の雑誌で良かったものを、私のほうより。
    RIVER WALK という年間誌です(Vol.1と2)

    ゆっくりじっくり読ませて頂きます。

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    1. R.Y様 コメントありがとうございます
      百姓強化週間も無事に終わり、サクランボハウスの収穫時期を迎えております
      GWは人も多いし、増水中だし、等と自分に言い聞かせて川にも立たず・・・(笑)

      古くなったゼンマイは却って丈夫で巻き易くなります
      決して、皆様にお褒め頂けている様な腕ではこざいません
      大物狙いと言われるのゼンマイ胴はヒゲナガやストーンフライ等を模したと
      思っています(もしかすればシャックも含めて)

      一気阿世に書きなぐっておりますので間違いも多いかと思います
      何かお気づきの点がございましたらご指導お願いします

      RIVER WALK の件、ありがとうございます
      凝り固まった頭には良い薬かも知れません

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