昔のテンカラ毛鉤 Ⅱ

昔のテンカラ毛鉤 Ⅱ
昭和8年(1933年)「川釣の研究」魚住清適(三省堂)より

データを確認しながら残りの毛鉤を巻いてみました
サイズ感は10号以上の羽根附きと段巻き毛鉤の三種

上段 三種
使うなら正しく「岩魚」用の典型的毛鉤

昭和8年「川釣の研究」 毛鉤図 3
鱒釣用疑餌

上段 左
ゼンマイ胴に羽根附き
撚り着けず巻き付けて、黒糸でリブ様に補強巻き
・・・今の胴の作り方とは違う
(同型で孔雀を胴にした毛鉤も多い)
蓑毛は油毛を寝巻き
鮎毛鉤パターンならケン・・・フライならテールを赤で厚め

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鱒釣用疑餌

和式毛鉤と洋式毛鉤の大きな違いは巻き順
・・・後先が呼び名と共に逆順となる

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鱒釣用疑餌

上段 中央
段巻き蓑毛 油毛と黒
それに合わせて胴も黒と茶の二色
太めのヒゲに金玉附き
厚く巻かれ羽根自体で浮力が有りそう
・・・クル巻きと呼ばれる盛岡毛鉤とは別物

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鱒釣用疑餌

上段 右
岩魚用に珍重された白毛の斑入りを大振りに巻く
・・・グリズリー又はバード模様とは一味違う
胴は孔雀に黄色の絹糸
鮎毛鉤パターンならケン・・・フライならテールを赤で厚め
暗めの茶羽根附き

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鱒釣用疑餌

80年以上の昔のテンカラ毛鉤・・・

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鱒釣用疑餌

以下爺の戯言 ——————————

江戸初期のポルトガル・オランダからの釣針なり美しい羽根の輸入
はたまた、ワーテルローで使われていた西洋甲冑に至るまで
世界に広く知見を広げた過去は史実として残る
鎖国政策と言いながら西洋文明を編まなく取り入れる
・・・果ては中国経由の抜道を使いもたらされた品物も有る
明治時代の国内の展覧会・博覧会だけでなく
海外の展覧会にも毛鉤は出品されている
それは西洋毛鉤を研究した先達が居ればこそ
和訳「釣魚大全」も有るし英国王室釣魚指南役ペネリ氏に
認められた銀座みす屋の中村利吉氏も居る

昔のテンカラ毛鉤

昔のテンカラ毛鉤

昭和8年「川釣の研究」 毛鉤図 1
昭和8年(1933年)「川釣の研究」魚住清適(三省堂)

昭和8年(1933年)「川釣の研究」魚住清適(三省堂)より

昭和8年「川釣の研究」 毛鉤図 3
鱒釣用疑餌

左下
ターコイズブルーのビーズ毛鉤
ボディは猩々仕立て(朱色)
金玉附き(作例ではビーズで代用)
蓑毛は黒
・・・余り見掛けないターコイズブルーが印象的な毛鉤

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鱒釣用疑餌

使った鈎は現在も営業されている「はりよし針」軽井沢狐 茶焼き 10号
形は袖型と共に昔のテンカラ毛鉤に良く使われていた角セイゴ針に似ている

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「はりよし針」軽井沢狐 茶焼き 10号

下段の昔のテンカラ毛鉤 三種

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鱒釣用疑餌

バイスに挟まれた毛鉤は金針に先玉と金玉が附く
ヤブカ髭よりはウェットフライに近いウィングでも全体的にはハス毛鉤風

中央は花入のチャートリュースが特徴的
帯巻きに孔雀のハールを添えて猩々仕立ての胴
ダビング材にリブ附きかもと思いましたが絹糸で荒く巻いてみると
データの雰囲気に似てまいりました

鮎たわけ様の高精細のデータを基に巻いてみました
今から80年以上前の毛鉤の艶やかさ
これを実釣で使っていたその頃の毛鉤釣りこそ、十人十色のテンカラ釣り
竹竿に合わせて馬素の撚糸で有ったにせよ毛鉤釣りのテンカラ毛鉤

鮎たわけ様 感謝申し上げます
お陰様で少し時間が出来ましたので早速巻いてみました
送って頂いた画像データを見れば見る程考えさせられます
・・・これが「田休め」 越後なら「じょんのび」 (笑)

鈎の形
狐型・・・セッジ・カディスフックまで含まれる

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鈎の形 狐型

袖型に対する狐型?

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鈎の形 狐型

英国メーカーのパートリッジ社ならばセッジ&カディスフック

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パートリッジ社 セッジ&カディスフック