FLYMPH Ⅲ
“A wingless artificial fly with a soft, translucent body of fur or wool which blends with the undercolor of the tying silk when wet, utilizing soft hackle fibers easily activated by the currents to give the effect of an insect alive in the water, and strategically cast diagonally upstream or across for the trout to take just below or within a few inches of the surface film.”
The Art of Tying The Wet Fly and Fishing The Flymph
・・・J.E. Leisenring, V.S. Hidy, 1971.
ハーディー・スタイルと言われる
英式FF釣法が僅かな好事家に楽しまれていた
日本での近代的FF釣法の幕開けとならば
1972
コートランド副社長「J.Leon Chandler」氏による
日本で初めてのFF釣法講習(米国式)
1973
ハーディー社「James L.Hardy」氏による講習会
それ以前にも・・・
Sports Illustrated Book of Wet-Fly Fishing
Vernon S. Hidy氏 著作
J. B. Lippincott Co.
Philadelphia and New York, 1961
初期の方にはお馴染みのFF釣法の教科書
フリンフを知らなくてもハイディ氏が米式FF釣法の
紹介者として日本に果たした役割は素晴らしい・・・
こちらで紹介された3パターン
THREE LEISENRING-STYLE FLY PATTERNS
・・・PRESENTED BY V. S. HIDY
BROWN HACKLE
Hook 12, 14
Silk claret or maroon
Body bronze-colored peacock herl (rather than natural green)
Rib gold tinsel
Hackle red furnace
(with black center and tips, rather than a plain brown hackle)
THE LEISENRING SPIDER
Hook 12
Silk primrose
Body hare’s ear spun on primrose
Rib gold wire
Hackle brown partridge
THE HARE’S EAR FLY
Hook 12
Silk primrose
Body hare’s ear spun on primrose
(as in the Spider)
Rib gold tinsel
(as in the Brown Hackle)
Wings C/af-inch-wide swatches of matching fibers
taken from two woodcock feathers.
Hackle none
Tail two or three fibers of mandarin duck
ソフトハックルパターンでは無いフリンフ
オリジナルがコックハックル指定レシピの場合でも
今のジェネティックハックルメーカーのコックネックより
高グレードのジェネティック・ヘンハックルがお似合い

敢えて書き添えると日本の古式毛鉤に使う蓑毛も同じ
当時、使われていた軍鶏の毛が手に入らなくても
羽根質・透明感・特異な色・小振りな羽根形の点で
高グレードのジェネティック・ヘンハックルがお勧め
ヘンハックルを使うからと言っても
フリンフも毛鉤もソフトハックルパターンでは有りません
質を選べばサドルハックルでも似合いが有ります
勿論、昔乍らのハックルが有れば・・・
グリズリー・フリンフ
・・・ホフマン時代のクリー・サドルハックルで代用

アイアンブルーダン・フリンフ
・・・スペックルドバジャー・サドルハックル自家染色で代用

ハニーダン・フリンフ
・・・ホフマン時代のハニーダン・サドルハックルで代用

フリンフパターン 各種・・・日本の渓流域用

春一番が吹き荒れても、今日は朝から雪交じり
・・・ともなれば久しぶりの毛鉤巻き
毛鉤の素材で山岳渓流に合わせたフリンフパターン
・・・胴の素材は山繭
山繭胴(ナチュラル)フリンフ

山繭胴(グレーダン)フリンフ

山繭胴(ダーク・ブラウン)フリンフ

マーチブラウン・フリンフパターンと同様に
ダブルハックル仕立て山繭胴フリンフパターン

日本の有名処の指導を根拠とする彼の地の市販される
伝承和式毛鉤「雄○○毛鉤」&「雌○○毛鉤」について
・・・テンカラ純粋主義者のお気に入り・・・
ハード&ソフトフェザーでの違い云々以前の問題点が有る
手近な権威に縋りつき易い日本人特有の気質を彼の地でも垣間見る
「テンカラ毛鉤」は戦後に作り上げられた物
尚更、日本各地で培われた地域の毛鉤とも違う
まして職漁師毛鉤を源とする物では無い
・・・FF釣法も知らない、田舎の水飲み百姓の戯言です
冒頭の文章
translucent body of fur or wool which blends with the undercolor of the tying silk when wet
文献に現れる日光毛鉤の金胡麻・銀胡麻以外に動物の毛を使う毛鉤には
静岡県の大井川上流、田代集落で使われていたモグラの尻尾毛鉤程度でも
絹糸や水中で光るとされた山繭胴なり、下巻きに金糸・銀糸を巻き添えた
地方独自の毛鉤は質素・簡便・有り合わせとされる以上に意味深い
同じく、「BROWN HACKLE」のパターン紹介での
bronze-colored peacock herl
・・・(rather than natural green)
古式毛鉤に使う、墨で染めた孔雀胴は銅色に光る
沈める毛鉤には銅色に光る孔雀を使い
浮かせる毛鉤には
青く光る孔雀羽根を使うとした先人の知恵と同意
使うハックルも「Red furnace」
(with black center and tips, rather than a plain brown hackle)
・・・芯黒先黒の油毛と同意
名も無き先人の毛鉤に対する経験と知恵を
”Fly”でのオリジナルレシピで見る度に
”Kebari&Fly”の世界は興味深いものがある
以下爺の戯言 ———————————-
日本でのFF釣法 キャスティング教科書と言えば
Fly Casting (自費出版 1989年)
ハーディー社公認インストラクター
長野県上田市出身の小平高久氏
FF釣法の全て並びにO.E,G等のハックル研究
自家生産でのハックル生産者
つるや時代の東京土産

・・・勿体なくて使えませんでした(笑)
蒸気機関車で一日掛かる東京行き
碓氷峠のトンネルで車内に充満する饐えた石炭の煙
朝出でも昼時は横川駅の釜めしに間に合う位
ニス塗の木枠に貼られたローズ色のビロードの座席
終着駅の上野駅は、薄暗い15番線から17番(笑)
こんな昔話を思い出すのも今日は
「旧あさま」昭和50年製造189系の最終運行日