テンカラ毛鉤の鈎 Ⅱ
・・・バーブレスフックの件
アメリカのアイダホ州在住の方から
Tenkara-Kebariを友人にプレゼントしたいと
ご要望がきました・・・
Southern Idaho に在住となれば
イエローストーン国立森林公園を背後に山岳渓流に湖
FF釣雑誌で有名な南中部のSilver Creek
南東部のHenry’s Fork、South Fork Snake
対象魚はカットスロートに虹鱒、茶鱒
Tenkara-rodで釣るという
アイダホ州の内水面漁業規則を調べてみると
基本的にFF釣法とルアーフィッシングでバーブレス
・・・となれば毛鉤もバーブレスで巻くしかありません
どんな毛鉤を贈ろうかと
グーグルアースでその周辺を散策・・・(笑)
近くにヘンリーズフォーク川にスネイクリバー
高低差も有れば湖も有る自然豊かな場所
基本的にはゆったりとした流れに囲まれているらしい
逆さ毛鉤が順当かなと衛星写真では感じてしまう
・・・グーグルアースのお陰です
Tenkara-Kebariに使えるバーブレスフックとなると
手持ちの鈎の中からは候補がやはり限られます
好きなオーショネー型、和名では都型の鈎でスレ針なんて無いし
イーグルクローの鈎を手に入れるには時間が掛かるしと
彼の地の大型カットスロートを考えると悩みます
Idaho行きの毛鉤
・・・鈎は先回の彦兵衛鈎各種
彦兵衛鈎
彼の地の定番「逆さ毛鉤」
鈎は彦兵衛6号改スレ鈎で巻いてみます
逆さ毛鉤
トビケラ・トビゲラ用のハーフストーンパターン

ソフトハックルパターンとして
ゼンマイ胴 タグは山繭
・・・鈎はアキスコ AFB1190 #10
ゼンマイ胴毛鉤
剣羽根毛鉤
こちらはバーブ付きの鈎を潰しました
・・・gamakatu‐IWANA&パートリッジ社ST2
剣羽根毛鉤
黒部毛鉤の一種 カラス毛鉤
黒部毛鉤
日本らしい毛鉤と言えば蜂頭毛鉤
・・・金張り「都型鈎」
蜂頭毛鉤
伝統的な毛鉤の原型を少し化粧しました
伝統的な毛鉤
三段金伏蓑毛鉤
ゼンマイ胴仕立て・・・日本のニンフパターン
三段金伏蓑毛鉤
鮎掛け針を使った日本のドライフライパターン
鮎掛け針を使った日本のドライフライパターン
日光毛鉤で有名な「ゴロ蝶毛鉤」
各釣雑誌に説明される毛鉤は
太目のゼンマイ胴に雌雉のハックルが定番
昔に見た「ゴロ蝶毛鉤」とはイメージが違う
細身の紡錘形に長めの軍鶏の蓑毛
水中で光り、魚を魅了すると言われた山繭を花入に纏う
鈎はgamakatu R10-1H1.5LB #12
gamakatu R10-1H1.5LB #12
北信濃で見た「ゴロ蝶毛鉤」とご容赦ください
ゴロ蝶毛鉤
テンカラ毛鉤と言っても各地で様々・・・(笑)
ピアノ鋼線は素材自身が
錆びやすい弱点が有りますのでその点を補います
Dear friends
Have a good Tenkara fishing day
With the traditional “KEBARI”
traditional “KEBARI”
I sent it on June 24
以下爺の戯言 ——————————-
何も知らない身勝手な言い草ですが
今の鈎は、カエシを潰してもルーター等で削っても
・・・平打ち針は特に!
何故かそこが弱点になり折れ易い気がします
表面処理で硬度を高めているからでしょうか?
かと言ってFF釣法用のバーブレスフックを見ると
現行品は細軸が主流になっているからでしょうが
今一の役不足感が何故か付き纏います
太軸だからといって、昔に販売された
ルアーフックモドキのテンカラ毛鉤用は論外です
「太軸で重いので投げ込みがし易い」との商品説明が有りました
昔は有名メーカーでもテンカラ用鉤についてはその程度でした
・・・よく言われる「十人十色のテンカラ」とは別問題と感じます
伝統的な渓流魚用鈎の色も不思議です
山女魚鈎(アマゴ含み)は細軸で強度を高める為、青焼きとなり
岩魚鈎はそれに比べれば多少の無理が効く太軸だから茶焼きとなる
(茶焼きの方が焼き入れ温度が低く捻じれに強い)
昔の大袋入り茶焼き鈎を見ると玉虫色や青色になっている鈎が混ざる
色変わりは焼き入れの温度管理がまずく、硬くなり折れやすい
・・・使う前に一本ずつ捻り、強度を確かめるのが定番でした
今は青色と茶色、中には玉虫色表記の着色処理で素性が判りずらい
その分、均一な製品として販売されているのでしょうが
着色してまで青色に拘る必要も無いと思ってしまいます
ミミズの赤と鈎の青はコントラストが強すぎると思っていたら
キジ用の赤針が販売されるようになりました・・・持ってますけど(笑)
今の鈎にはどうしても使い捨て感が強すぎて・・・
手道具も替え刃式が主流になったと同じ寂しさを感じます
付記 ——————————-
ゴールデンとかマーブルトラウトに件のカットスロート
これに興味を惹かれて昔に外書を購入しました
大雑把には在来種で保護育成も盛ん
研究対象として細分化されてもいるらしい
イエローストーンカットスロートは別系統かもしれないけれど
CUTTHROAT
NATIVE TROUT OF THE WEST
・・・Patrick C.Trotter
CUTTHROAT
NATIVE TROUT OF THE WEST
Colorado State University
コロラド州立大学出版
Bob Friedli氏による8種の亜種の精密画が秀悦
在来種の有り方とその存在と永続性について考えさせられました
日本の在来種である岩魚でも各地域によって地色と顔付きが違う
亜種とまでは言えないかもしれないけれど
ミヤベは別格として日光岩魚に大和岩魚だけではないはず・・・