モンタナ州への”Kebari”

モンタナ州への”Kebari”

先回のアイダホ州行の毛鉤に続き今回はロッキー山脈を隔てた
お隣のモンタナ州立大学へ”Kebari”を寄贈するとのご用命
イエローストーン国立公園繋がりでは有りますが
対象魚が在来種のカットスロートでは無く
日本で使われている岩魚鈎と山女魚鈎が先方のご所望

ならば・・・一番手は剣羽根毛鉤から

山女魚鈎と岩魚鈎の二種類で巻き始めます
・・・蜉蝣対象と陸生昆虫対象が二体の違い

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剣羽根毛鉤 山繭胴

下拵え済みの日本雉の雄剣羽根

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日本雉の雄剣羽根

使う鈎も応じて変えます

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スーパー山女魚7号と彦兵衛鈎6号

岩魚鈎と山女魚鈎

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山女魚鈎と岩魚鈎

水面では水流に抗い、水中では細かい振動で
渓魚を誘惑するのが目的の硬い剣羽根は
雄の日本雉を使うのが本来の「剣羽根毛鉤」
良く見かける高麗雉では・・・
それも雌雉では・・・五月蠅い話は続きます
ましてゼンマイ胴との組み合わせともなれば
当時言われた三大好物「巨人・大鵬・卵焼き」の
巨人と大鵬を組み合わせるような場違いと似ます
・・・フロータントを沁み込ませれば不沈空母に成ります

高麗雉の「雌」の剣羽根なら形は同じでも
柔らかいのでゼンマイ胴には、お似合かもしれません
本来の機能を持った「剣羽根毛鉤」とは別物です

古いタイプの”Kebari”・・・羽根附き毛鉤、二種

時代的には「B‐29の様」とする形容詞がまだ通用した頃
B‐29の様・・・絨毯爆撃で根こそぎ魚を釣り上げる様
(ついでに書けば悲惨や苦難を笑い飛ばす元気が有った時代)

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羽根附き毛鉤

羽根附き毛鉤は日光毛鉤の「ゴロ蝶毛鉤」にも見られるよう
古くから各地で「テンカラ毛鉤」として使われていました

同系の羽根附き毛鉤は「ハス毛鉤」にも多く見られますが
スペントパターンの様な羽根附き毛鉤は少数派かもしれません

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羽根附き毛鉤

在郷の毛鉤として「秋山郷毛鉤」二種
古いタイプとその後のタイプ

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秋山郷毛鉤

鈎は当時使われていた「ハリヨシ軽井沢狐」
・・・現地では「東京狐」と呼ばれていました
他にもマルセイゴ型等も有りましたし時代によっても様々です
近辺に比べ小型の7号を使うのが「秋山郷毛鉤」でした

安曇野周辺で定番「段巻き毛鉤」と「荒巻毛鉤」

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「荒巻毛鉤」 & 「段巻き毛鉤」

乳川に見られるような白い川底に映える黒毛・黒胴が多く見られます
丈夫なため、職漁師が好んで使った毛鉤です

飛騨地方とも、沢を挟んで交流が有りました
廃藩置県の際の混乱期には松本県に編入されたことも有りました
岐阜県だけでなく山を隔てた富山県とも交流し影響を与え合いました
黒部川を挟み、富山側と長野側で沢の呼び名が地域色を表しています

カラス毛鉤
・・・飛騨地方にも松本にも同型の毛鉤が有ります

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カラス毛鉤

普通毛鉤 各種
ハス毛鉤に見られるよう好みに応じて様々
九頭竜川支流で使われた鮎掛け針を使ったドライフライも有ります

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普通毛鉤 各種

彼の地の定番「逆さ毛鉤」

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逆さ毛鉤

昔に流行った「キヨシ毛鉤」

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キヨシ毛鉤

ハス毛鉤に似た遊釣の毛鉤

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遊釣の毛鉤

 

最後は「蜂頭毛鉤」
この毛鉤の正体を追い求めて様々な方々から
知識を分けて頂きました
お陰様で、今回はモンタナ州立大学への毛鉤寄贈となりました
自分にとってもこの様な展開になるとは思いもしませんでした
長野の片隅から三拝九拝いたします ありがとうございました

「蜂頭毛鉤」

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「蜂頭毛鉤」

蜂頭毛鉤に敬意を顕わすために蓑毛は贅沢をしました(笑)

付記 ・・・・・
モンタナ州立大学の件

米国のフライフィッシャー(PDF)
The American Fly Fisher

以下爺の戯言 —————————————-

農繁期もやっと終わり、じょんのびと浮かれていたら
用水組合の会合やら他地区との顔合わせに豪雨対策
これから管理施設の視察に行きます・・・(笑)

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モンタナ州への”Kebari”” への4件のフィードバック

  1. L.R.H様 モンタナ州立大学への毛鉤の寄贈、長年の毛鉤への情熱と研究が評価されてのことと思います。L.R.Hさんの活躍、とても誇らしいです。今までは、欧米のフライの知恵が、ほぼ一方通行で日本に来ていた感じでしたが、いよいよ日本の毛鉤が相互通行になりますね。モンタナマラブーのような、デザイン性と機能性を備えた遊び心あるフライが生まれた土地なので、私もワクワクします。

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    1. flyukulele様 コメントありがとうございます。
      お褒めに預かり恐縮です、flyukulele様のお近くなら、旧妙高高原町の古畑さん、山崎酒店の五郎さん、加藤蕎麦屋の爺様をはじめ、秋山郷「カジカ荘」の爺様、安曇追分の爺様、鬼無里村、戸隠の曽根原さん、野沢温泉の・・・思い出したら溢れる程、各地の手練れや名手から様々な事を教わりました。個々の友人・知人からともなりますとそれこそ。そこに今はネットで瞬時ですから展開も早いです。テンカラがブームとなり毛鉤に対する興味も深まる今だからこそかもしれませんが彼の地から教えられるフライや毛鉤の写真に頭の中がしびれる程の衝撃を受けています。ややもすると重箱の隅を楊枝でほじくる様な記事になりがちな自分を諫め乍ら続けて参りますのでよろしくお願いいたします。

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  2. 拝見させていただきました。
    現在、様々な日本文化が海外に注目され観光客を呼んでいますが、「KEBARI」もキラーコンテンツになるかもしれませんね。
    楽しみですが、それを見て体験できる環境が無いのが残念です(笑)

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    1. 鮎たわけ様 コメントありがとうございます。
      元はと言えば鮎たわけ様のブログの御陰です、前にお話しした通り海外テンカラフォーラムの方から紹介されて以後、この様な次第と成った訳ですから最前線を走っているのは鮎たわけ様ではと感じています。お造りになられた近代釣法の資料等がキャッツキルフライフィッシング博物館に飾られる等、少し前までは考えも及ばない事と思います。ご指示頂いた「有りの儘に伝える」を肝に銘じています、ありがとうございました。

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