ブラックミッジ or ブラックナット

ブラックミッジ or ブラックナット

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ブラックミッジ or ブラックナット

・・・ナットは蚋(ブユ)で無くユスリカ
グリフィス・ナットはミッジのイミテーション
・・・伝統的な英国FF釣法にとってのミッジは
ナットの様な極小昆虫よりは大きいサイズを言う
・・・ミッジとはナットのヴァリアントである
「フライフィッシャーの昆虫学」ロナルド氏

面倒な事を書き出しましたが
何時から思い描くサイズが反転したのでしょう
良く目にする文章として
「極小ミッジとしてグリフィス・ナットを巻く」
当たり前の様に今は感じますが
本来はミッジより小さいサイズがナット(笑)

リンク先にその当時の書籍群が有りますので
お時間のある時にでもお読みいただいて・・・

ブラックミッジ&ブラックナットは
ピーコックハールにパーマーハックル
又はボディをオーストリッチ

毛鉤釣りをしている私にはこの
「ピーコックハールにパーマーハックル」の
この文章に反応してしまいます
自分が見聞きしている周辺だけかもしれませんが
この周辺の伝承毛鉤はこのパターンが多いのです
孔雀だけでなく黒の手縫い穴糸の綿糸、絹糸
又は色違いの赤、黄、紫・・・

孔雀はヘラブナ釣りの浮子に使われ
羽軸以外の羽根はゴミ扱いで貰いました
無料という事は
それだけでは流通していないと同義です
自ずと手に入る地域が限られます

長野から十石峠を越えると埼玉ですが
(一日に米を十石、運搬したほど賑わった峠)
そこで見た毛鉤もこの形式でした
黒部峡谷で長野側で使われていた毛鉤も
岐阜から富山に降りる渓流域でも見かけました

一般的な文献で判る毛鉤は以前記載した
「蠅頭」1678年 巻針以前の形
・・・ハス毛鉤に残る形式
「櫻針」1723年「何羨録」
・・・縫針を曲げて手製の釣針を作るのが一般化
「巻針」1756年 諏訪湖周辺の巻針
・・・日本で初めて鶏羽根を巻いた針と記述
「菜種鈎」1818~1829年頃
・・・金玉を付けた黄毛の巻針
「漁猟手引」1834年 巻針
・・・文献に初出の毛鉤図「蜂頭」等

その後の明治時代初期
中村利吉氏が和式毛鉤と西洋毛鉤の融合を計る
エピソード・・・
その頃は通用していた天保銭を叩いてルアーを作る
日光辺りの鱒釣りはこの方が開拓したらしいとも
・・・幸田露伴「江戸前の釣り」より

ゼンマイとか剣羽根とか言われ出す前
長目のハックルを
パーマハックル状に巻いた毛鉤は
ここまできても出て来ない独特の形です
使う鈎はその渓に合わせて違うけれど
中部山岳地帯で使われた伝承毛鉤は
この形が広く伝わったのでしょうか
山岳地域並びに田舎独得の通信網かもしれない
介在者の多くは旅マタギ又は木地屋集団と言われ
地域から地域へと直接的に山棲文化が伝わる・・・
ならば秋田に元がと思いますが資料が有りません
行動範疇は重なりますので夢を諦めません
・・・出てくるのを期待してます

まさかテンカラ師が何故か嫌うハス毛鉤の一種
山女魚毛鉤の「石楠花」とか「姫石楠花」だったら
却って面白いのですが・・・となれば
松本周辺から飯田方面に安曇野で使われていた
二段巻きもハス毛鉤に同様のパターンが有ります
和式毛鉤では特異とか特殊と呼ばれて
釣雑誌で持て囃されたそのパターンの元が
全国流通していた「ハス毛鉤」に有るとするのは
使われていた渓流域を考えると
あながち強引な話では?・・・と思います
安曇野の爺様が使っていたその「段巻き」は
今になると「花入」?や「飾り巻き」?が有って
今より、もう少し派手な印象を感じていた
遥か昔の思い出とも繋がります

山女魚毛鉤 「二段巻き」

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山女魚毛鉤 「二段巻き」

・・・山女魚毛鉤 「二段巻き」は尻尾附きも有ります

敢えてハス毛鉤と共通項の無さそうな
中部山岳地方の毛鉤を持ち出したのも
自然発生的に、峰すら違う離れた地域で
同じ様な毛鉤パターンが愛用されたのも
何処かに元が有ったからと・・・
毛鉤もフライも
同じ様な素材と鈎を使うのですから
同じ様な形にはなるでしょうが
新リンク先のヨークシャースパイダーを
ご覧いただければお判り頂けると思いますが
同じ素材を使い同じ様な形であっても
向かう川の違いで変わります・・・
他の地域で使われた伝承毛鉤は
尚更、「ハス毛鉤」に見紛う有様です
特異と言われる剣羽根もハス毛鉤に使われていました

黒染め剣羽根 ハス毛鉤「清姫」

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黒染め剣羽根使用ハス毛鉤「清姫」

テンカラの創世期に富士弘道氏がその分類として
順毛鉤・普通毛鉤・逆さ毛鉤と敢えて三分類したのも
それを見据えての分類ではと感じてしまいます

富士弘道氏モデル 「富士流逆さ毛鉤」

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富士弘道氏モデル 「富士流逆さ毛鉤」

それはその後の、一連の富士流テンカラ毛鉤からも感じてしまいます

順毛鉤そのものは遥か昔の世界で初めて図で現された(1652)

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Wikipediaより

それ以前の200年 マケドニヤのフライも・・・
勿論、巻針となる前の「蠅頭」も同様です

それだけ大事なパターンを和式毛鉤には無い形として
今までは「普通毛鉤」としていた物を新たに「順毛鉤」と
呼び変える必要が何処にあったのでしょう?

「ハス毛鉤」が「山女魚毛鉤」になったように
取捨選択を経て各地の伝承毛鉤になった・・・
その方が和式毛鉤の歴史から見ても妥当な気がします

今は残るハス毛鉤でも問題なのが・・・
古い「ハス毛鉤」と近代の「ハス毛鉤」は
当時に使われた鶏の羽根色を名にした
「ハス毛鉤」ほど使う蓑毛が変わってきています
赤毛・・・「猩々」・「濃猩々」が近代は染めた赤色
白藤・・・ダンバジャーがプリモウス(グリズリー)等
「Red Hackle」が誤訳で赤い羽根となるのと同じです

埼玉で見かけた毛鉤
・・・先記事で使ったヘラ鮒鈎に巻かれていました
関東周辺で広く使われていたと聞いております

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埼玉で見かけた毛鉤

埼玉で見かけた毛鉤 横

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埼玉で見かけた毛鉤 横

黒部峡谷で使われた「黒部毛鉤」
・・・鈎は「海津」、人によっては「伊勢尼」
当時の短い羽根長でも3回転以上巻くのが肝

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黒部毛鉤

九頭竜川支流及びその周辺の「乾毛鉤」
・・・鉤は軽さを選んで鮎掛け針

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乾毛鉤

・・・尻尾附きも有ります

乾毛鉤の別形態

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乾毛鉤

・・・実釣用に弱い羽軸を守るため山繭を下巻きしています

面白いのがその近辺で使われた椋鳥の毛鉤
椋鳥の羽根を使い巻き止める
白いウェブまで使うのが肝らしい
白山毛鉤と同様らしいがあちらは烏の羽根・・・?
・・・フライで言えばハッチング・パターン似

羽根を刈り込む前の昔の秋山郷毛鉤も同じです
・・・実釣用にリブ・タグ付きです

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昔の秋山郷毛鉤

新潟地区周辺での「秋山郷毛鉤」
・・・丸セイゴから軽井沢狐へ代わる前

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秋山郷毛鉤

鋏で切るか煙草の火で短くする・・・

グリフィス・ナットのドライフライ型の米式よりは
ウェットフライとしても使われる英式の方が
汎用性が高く効果的なフライと思います
毛鉤でもこちらの方が主流でしたし
当時、手に入る羽根質に合わせれば尚更・・・(笑)

鉤は彦兵衛針ヘラ鮒スレ針4号

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ホフマンのダイド・ブラック

ホフマンのダイド・ブラック・・・羽根質が硬くイガグリ状

太い海用の「海津鈎」を使った「黒部毛鉤」は
黒毛の雄矮鶏を珍重したと本には書かれています
現在は愛鳥家によってその「真黒の雄矮鶏」は
豊富に飼育されていますのでその「幻」が見られます
ご覧いただければその羽根質が判ります
教えてくれた安曇野の爺様はパーマーハックルを
針先に毛が被さると喰いが悪いと説明し
わざわざ上側に漉いておりました
・・・フライパターンなら Crackleback似
それだけ当時でも色と羽根質に拘りが有りました

手持ちの羽根でその羽根質を見ます
メッツ・ナチュラルブラック&ホフマン・ダイドブラック

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メッツナチュラルブラック&ホフマンダイドブラック

裏側から

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メッツナチュラルブラック&ホフマンダイドブラック

・・・ナチュラルは毛先が透けます

メッツのブラックコックはナチュラルでも
それ以上に硬くなりますが適材適所ですから
良い悪いも上下も有りません

ホフマンのナチュラルブラック・サドル

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ホフマン ナチュラルブラック・サドル

ホフマン ナチュラルブラック・サドル 先端部

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ホフマン ナチュラルブラック・サドル

・・・黒毛の雄矮鶏に近いと感じます

ホフマン ダイドブラック・サドル

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ホフマン ダイドブラック・サドル

ホフマン ダイドブラック・サドル 先端部

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ホフマン ダイドブラック・サドル

インドコック・ケープ ナチュラルブラック

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インドコック・ケープ ナチュラルブラック

インドコック・ケープ ナチュラルブラック 裏側

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インドコック・ケープ ナチュラルブラック

ナチュラルブラック・ヘンケープ等

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ナチュラルブラック・ヘンケープ

以上の羽根質だけに注目しても・・・

販売されている伝統とか伝承毛鉤で一番に気になるのが
形は似せても今のジェネティック・ハックル仕様では
羽根質が硬すぎて口先で弾かれそうな印象を受けます
勿論、配慮はしているでしょうが・・・

当時の渓流釣りは一方通行ですから登るだけ
飛びながらポイントに毛鉤を置きました
帰りに下流に向けてなど釣る暇も有りません
宙を飛ぶように駆け下ります
魚籠の魚が一番のお荷物ですから
余分な物は持てませんし時間も許しません
・・・数を揃えた生魚だから高く売れます
一番大事な物は「丈夫な毛鉤」
竿なんざ折れても灌木の生枝で間に合います(笑)

進駐軍云々と古い話を聞いていた
妙高の爺様は案外と当時でも新しいタイプが好み
「蜂頭」と見紛う様な「レッドタグ」に

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妙高の爺様の毛鉤

真昼に効く毛鉤と聞いていた妙高の「カケス毛鉤」

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カケス毛鉤

青く光るカケスの羽根は尻毛に使うに限る
蓑毛にカケスを使うと却って魚に嫌われるとも・・・
確かにアイリッシュフライで使うブルージェイは
モルト色に染まる川だからこそ使われていた筈
ジンクリア以上の透明感のある
日本の山岳渓流ではと納得もしておりました

だいぶ昔の話になりますが
ボディをブルー&イエローのマコーで巻いて
蓑毛にブルージェイを巻いた毛鉤は手慰みでした

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カケス毛鉤?

その後に各地の方が一斉に掲載されたのが同様の「カケス毛鉤」
当時は数少ない毛鉤ブログですから目を引きます
きっと濁り対策で使われていたのだろうと
アトラクター・パターンかもしれませんが

時期的に、それも一斉に、でしたから
我先にと群がるさもしい昔の釣人根性にも見えます

本からだけとかネットからだけでは
判らない事も有りますし
自分の様な性悪は罠を仕掛けて反応を見ます
「山繭、剣羽根とこのカケス毛鉤」の反応は見事でした

話を元に戻すとこのパーマーハックルで巻かれた
丈夫で使い減りしない山棲みの毛鉤は
釣雑誌にはあまり出てまいりません

反面、ところ言う「テンカラ毛鉤」は
尻尾、タグ、リブ等の面倒な手間を掛けず
ずぼらでも巻けるいい加減で簡単な代物
なんでも良いのがその「テンカラ毛鉤」なのでしょう
その点だけでも
昔の毛鉤釣りの「毛鉤」とは違い過ぎる気がします
それでも伝承毛鉤を元にするとは言いますが
先達の経験とか知恵とかは、無縁なのかもしれません
きっと手間をかけて「丈夫に巻く」も無縁でしょう

丈夫に巻くのは毛鉤だけでなくフライも同じです
彼の父の遺産を引き継ぐと有ります
・・・ご参考に

職業フライタイヤーの作るフライと
自分自身が納得して使うフライの違い

この様な動画を見ると日本のフライタイイング教は
職業フライタイヤーを基にしているのかとも感じます

表題の「ブラックミッジorブラックナット]と
本文が余りにも違うと思われたでしょう
ここまでお読みいただくのもごく少数と思います
お付き合いいただきありがとうございました
表題と本文の共通項とすればフライも
時代が変われば大きさすら変わります(笑)
駄文の長文失礼いたしました

付記 —————————————-

インド・ケープの「ハニーダン」

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インド・ケープの「ハニーダン」

インド・ケープの「ハニーダン」

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インド・ケープの「ハニーダン」

羽根色と羽根質はとかく難しいです(笑)

付録付です ——————————————————-

右田氏が再現した飛騨の逆さ毛バリ

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右田氏が再現した飛騨の逆さ毛バリ

ここまでご覧いただいた御礼を込めまして掲載いたしました
・・・鮎たわけ様よりお借りいたしました、ありがとうございます

ブラックミッジ or ブラックナット” への12件のフィードバック

  1. 以下爺の戯言 ————————-

    各地の爺様達と仲間として釣りをするには
    値踏みもされますし謎かけもされます
    釣る腕以上に矜持の有り無を見られます
    「山繭、剣羽根、カケス毛鉤の謎かけを
    罠を仕掛けて反応を見ます」と
    言う程度なら可愛いものです・・・(笑)
    各地の爺様の頑固一徹とか偏屈はざらでしたから
    そこに釣人ならではの癖がつきものですし

    川漁師と山住の民とは明確に
    棲み分けられていたと
    先にも書きましたがそれ以外にも
    「川割り」・「山割」として地域民にとり
    互いの紛争が起きない様に明確にされています
    ・・・
    今も里山を地域の財産区として管理を
    されている所もあると思います
    日々の竈での煮炊きに使う薪や小柴から
    田畑で使う水路管理も上流部を含みます
    農村部と山間部の違い以上に地域間紛争は
    起こさない様に江戸時代に厳格に定められ
    田に使う水の取り合いである水合戦は
    ほとんどが地域内争議で済ませるものです
    同時に
    他地域の物を収奪するという概念自体が有りません
    自ずと互いの領分を守るという生活が身につきます
    「お町の人には見えない線が田舎には沢山有ります」
    とも書きましたが
    昭和中期迄は自家用車すら有りませんでしたから
    そもそも行動半径も狭いものです
    現在の自由に動き山に入れて釣りをする感覚は
    田舎の民にとって有りませんでした
    「孤高の職漁師」とお町の人が書きますが
    孤高という意味合いとその背景にあるものは
    お町の人と田舎の人では意味合いが違い過ぎます
    それは生活習慣なり精神的背景に宗教感覚すら
    直接に関わることです
    明確な線引きがるが故の「孤高の職漁師」
    「山住の民の蛋白源補給の為」の記述ともなれば
    もはや里川と勘違いされているとしか思えません
    田が作れる中山間地をも同一視しているからでしょう
    都会人から見ればどちらも一緒なのでしょうけど

    「職漁師の糧は換金物を得る事」という
    一番大事な点がおざなりに成り易いとも感じます
    山割の領分を持った職漁師は仲買人に届けます
    そこでは仲間内ならではの情報交換が付物です
    互いに何かあればその片方は
    「山でおっちんだ」で終わりですから
    ・・・お互いに自身の領分も確認し合います

    「一子相伝の毛鉤」などと言う謎めいた話
    個人の秘訣は有るでしょうが
    おとぎ話以下のお町の人らしい作られた笑い話
    互いの領分さえ確保できるなら
    互いの釣果を自慢し合い、使う毛鉤も酒の肴
    ・・・山の糧、里の糧も同じ

    「お町の人には見えなくとも
    踏んではならない線を踏むから疎まれる」
    中部山岳は山の峰を境に他県では有るけれど
    流れる川は互いに共有し合うもの
    互いに認めあうからこそ
    使う毛鉤も仲間内では共有されてきています
    それを勝手に踏み壊すのは・・・

    仲間内の話を今に伝えるのは
    垣根の低い民宿等の人だからこそ
    それ以上に各地には無名の名手が多いです
    ・・・当然のことですが

    「山に向かいその杣道を登る」
    毛鉤釣りについても、使う毛鉤についても
    その視点が無い話には違和感が残ります
    ガチャガチャいわせながら
    安全装備万全で人の世話まで懇切丁寧
    確かに世話焼きも有難いですけど
    山野に見えてもここは昔の生活道路
    そこにそのフル装備は場違いの様な
    そんな方と出逢う違和感と近いです

    一度だけですが行方不明の釣人捜索を
    道案内で手伝った事が有ります
    その方はそれなりの安全装備の重さで
    滝壺に沈み、渦巻く水流で手を
    「おいで、おいで」としていました
    身軽であればと考えたくも有りませんが
    安全は第一でしょう
    でも私にとってはそれがトラウマです
    見慣れた景色でもその時の風景は
    雰囲気すら静まり返っていました

    山野に見える場所でも人が歩いた跡は
    古くても足裏に硬さとして感じとれます
    それを感じ取れる話には共感します

    なかには「都会の自宅境界線争い」まがいを
    そのまま、山に向ける方もいらっしゃいます
    ほとんどの山は私有財産だから云々・・・
    その山に向かう山道は地域総出の道普請
    皆で維持する共有財産の意味がご理解不能です
    互いの線さえ守ればせせこましくも有りません
    反対に、都会人ならではの考え方に驚きます
    勿論
    「山の物は里に降ろすな」の諫めも有ります
    ・・・「過分に里に降ろすな」ですが

    こんなブログを書いていると
    若い方から質問めいた謎かけがSMSで来ます
    「○○毛鉤に興味があります」なんて・・・
    当たり障りのない返答をすると
    勉強している方ほど「あーだこーだ」と返ってきます
    悲しいかな
    ほとんどがあの本の文章とかこの本に書かれていた事
    たまには
    その地に行った事が有るとか見た事が有るとか
    ならばと一番大事な
    「その○○毛鉤はどの様にして使っていたのか?」
    と聞き直すと返事が無くなります
    「こうやって使うんだ」などと追伸すれば尚更です

    今のテンカラ師とかFF氏も頭でっかち過ぎて
    渓流釣り師の矜持が魚体保護とか環境保護へ
    狙いは同じでも道程となると些か・・・(笑)

    いまやカエシ付の毛鉤写真だけで怒られます
    そうゆう方ほど釣った魚を写真にします
    釣らなきゃ商売にならない釣業界人並の
    実績作りとか自慢のタネでしょうか?
    写真が好きだからの逃げ口上も付物
    流行りのインスタ映えでも相手は生き物
    それなりの配慮はしているでしょうが
    喰わない魚なら弄ばずにすぐ戻すのが心得
    魚を砂に摺り上げて針素に魚をぶら下げながら
    あっちに向けたり、こっちに向けたり
    そんな写真を撮る姿を見掛けた翌日の澱み
    底に溜まる白くなった岩魚
    殺すくらいなら喰えと感じます
    これも「昔のさもしい釣人根性」と変わりません
    C&Rと言いながら無暗に細糸で弄ぶのも同じです

    承認欲求でも備忘録でもない拙ブログですから
    実際に見て聞いて一緒に仲間として釣った
    爺様達との思い出をただ書き綴っているだけです
    今、その皆様は石のシャッポを被られていますが
    毛鉤の向こうにはそんな爺様達の笑顔が浮かびます
    無名の方々ですが有名なテンカラ師とは・・・

    「盛岡毛鉤」も当代の創意工夫を経て今は
    ハス毛鉤の「蜂」様に羽根を背負わせたようです
    ・・・昔にも有りましたがフライ風でした
    確かに当地で作られるのがオリジナルですが
    「伝統毛鉤」と「伝承毛鉤」はやはり違います
    勿論、自分も伝承毛鉤よりは伝統毛鉤と思いますが
    フライも毛鉤も、どの時点でオリジナルとするかは
    過去形でも現在進行形でも判断はつきかねます
    今、販売されている「真田毛鉤」はとか?
    加賀で販売された「加賀伝承テンカラ毛鉤」とか?
    現代版だからでしょうがこじ付けにも感じます
    変わっていくのが伝統ですけど
    伝える志が同じなら別地域で作られても
    「都会の敷地争い」よりは「田舎の共有財産」に近いような

    実際はこんなブログを書く程度
    鼻先で笑える方のほうが多いと存じますが
    幻とされた「蜂頭」すら異様な「現代蜂頭」となり
    テンカラは昔の蚊頭釣りになっているのが現状です
    ハス毛鉤すら羽根色に注目して
    「猩々」「濃猩々」「白藤」「五色」「油毛」・・・
    今のフライ・ハックルよりも説明が細かいです
    そこに流行りのFF釣法が衰退した時の
    フライ業界の一言・・・
    「まだカモはいっぱいいる」にも
    その後の独自メソッドの押し付けにも重なります
    一般的な概念だったものが変化しているのは
    たかだか60年前の「テンカラ」も同じと思うと
    「逆さ毛鉤」の扱い方の変貌ぶりと共に
    尚更、考え深いものが有ります

    今のテンカラ師が良く言われる「職漁師」は
    「川の職漁師」なのか「山の職漁師」なのか
    区別がつきにくいのも不思議な話です
    どちらが拠り所なのでしょう
    比べる事すら上下の無い話ですから
    殊更に「山の職漁師」を引き合いに出すのも
    説明自体が不似合いで場違いな気がします

    今風のレベルライン主流のテンカラは
    もともと「川漁師」の範囲で行われたもの
    そこに「山漁師」の毛鉤釣りを同一視するのは
    都会人ならではの「見えない線引き」を
    「知らずに渡る」と同じもの感じます
    此方にすれば踏み潰しているのと同義です

    いいね

  2. 長かったですが読み終わりました。一息入れたくなりました。中途半端な勉強でその土地土地の伝統毛鉤を商売ネタに使う町の方々が多いのは事実です。興味を抱き勉強するのは悪いことではないのですが。私もその1人。しかしながら地元の腕利き釣り師たちが秘密をペラペラとしゃべるはずはないと思っています。どこからか又聞きするたびに山から下った話は町に伝わった時には話の原型をとどめないほど変化している場合が多いでしょう。よほどの方でなければ毛鉤も釣り場のことも秘密なのです。おきてとでも言いましょうか。(笑)

    いいね

    1. おじゃまる様 コメントありがとうございます。
      お疲れ様でした、ただただ長いだけの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。昔の様に隠し沢とか秘密の毛鉤なんてものが有れば夢も多いのですが縦横無尽に道路が出来上がるとなーんにも残ってはいません、入れなそうなゴルジュ帯にも杣道が付いていましたから昔はそれだけ往来が有ったのかと思うと「釣人天国」なんて処も無いかもしれません(笑)
      それでも近くにある長野と新潟の県境、有名河川の関川でも三ノ滝から四ノ滝の間は短い区間ですが凄いです、糸魚川の大所川のゴルジュ帯に秋山郷の雑魚川上流部、それこそ群馬県の野反湖下なんてそれこそ「釣人天国」、一般道路からは杣道を知らないと行けない場所ですから大きな声で言えます。某ダム下の大きなプールなんてエレベーターで降りてすぐ目の前、これは小声になります(笑)
      昔使っていた通称「秘伝の毛鉤」も今の毛鉤擦れした魚は出てくれませんから知識としては面白いのですが実釣となると?、それをあたかも釣れる毛鉤として幻とか秘伝に祭り上げ、商売物にしてしまうから途端につまらなくなります。確かに釣場も毛鉤も竿が曲がってなんぼの世界です。
      昔に多かった、相手を押し退けても我先にとか、何でもかんでも魚籠に入れるとかのおぞましい姿を見ているからこそ、それとは一線を引きたかったから今の釣りが有ると信じています・・・高貴な鮎は別格扱いですけど。

      いいね

      1. 鮎たわけさんのブログでもありますが、名人クラス人に信頼され伝授していただいている最中でも先立たれることは多々あります。墓の中まで持っていかれる方々も。時がたてば膨大な古書を集め調べたおし想像を交えた文章になります。これができる2人は素晴らしいです。それに対し、本人ではない人から聞いた記事なんて言うのは私にとって信ぴょう性はゼロです。この件に関しましては文章を読む釣り人自身が成長しなければならないこと。信じれるかどうかの判断力。危ない釣り場は教えない方が無難です。私が通っている番匠谷も地元の方で知っている方がおられても聞いても教えてくれません。実際に私が谷に入りどこの堤防の何メートル先の淵だの具体的な話をした時のみ答えてくれます。危ない谷ですし、自分が教えたせいで帰らぬ人となったなんて絶対嫌ですからね。私の場合あきらめが早いのと川の魚たちが満足させてくれますので無理せずひきあげます。生きて帰ればまたトライできるという登山家の方の言葉も心の中にあります。命をかけてはいけません。遊びですからね。がまかつのB11 -B かっこいいですね。タイイングのバランスにもよりますが。ウエットのはりでS12-VHやL10-3Hは使っていて満足のいいハリなのですが、フラッグシップモデルかなんかで限定品でいいのでウエット用の太軸バーブ付きでほしいです。巻きたくなるハリはいいです。(^▽^)/

        いいね

      2. おじゃまる様 ご返信ありがとうございます
        仕事が酒類製造販売で担当地区が北信一帯と新潟の上越から糸魚川に白馬と渓流釣りには最適な場所ばかり、おじゃまするのが地区の酒屋さんからその先の民宿、ホテルと何かと好都合でした。スキーシーズンと夏が稼ぎ時でそれ以外の春と秋はそれこそ酒屋のダンナや民宿の親爺と釣り談義にちょっと釣りまで、気に入られたのか担当も30年以上変わらず、それこそズブズブのお付き合いが許された時代でしたから尚更でした。酒屋さんに居れば近所の爺様とも釣り談義、互いに都合が付けば直帰扱いでそのまま泊まり込む有様、その御返礼代わりに巻いた毛鉤の数は・・・(笑) いい時代でした。
        確かに巻きたくなる鉤が無くなりました、無い物ねだりになりそうなので昔の鉤で巻いています。沢田さんのクラシックスプロートTD3にオールドリマリックTD4、何処かで再販してくれればそれこそ飛びつきます。ちょっと気難しい英国の人でも、巻いたフライでは無く使った鉤に興味深々。廃番ですと答えれば「やっぱり、そう思った」と返事が来ます、どこも同じ様な気がします。

        いいね

  3. こんばんは。
    「川漁師」のテンカラ、「山漁師」の毛鉤釣り…
    なんかストンと落ちる気がします。
    残雪で真っ白な五月の奥利根で初めてイワナを釣った小学四年生の頃、イワナは本当に山奥にしか棲息していませんでした。
    山間の旅館の親爺から聞かされた、魚留に群泳する尺イワナの話、釣ったイワナが石を飲んでいてやがて大水になった話、今思えば良く聞く話…
    小さなタバコ屋で親が一本だけ買い求めた黒い毛バリ…すこぶる高価だったと記憶しています。あれは何処に行ったのか…
    職漁師という人にはついに出会えませんでした。
    こうした体験に、山本素石氏の著作が重なって、私のテンカラのイメージが形作られたのだと思います。
    昔、日光のゴロ蝶毛鉤や金胡麻・銀胡麻を探し求めて、地元を色々と聞いて回ったことがあったのですが、見知らぬよそ者には誰も教えてくれませんでした。
    まあ、本当に知っている人がいなかったのかもしれませんが。
    「昔はそんなのがあったような」という話ばかり…
    いかにも「それらしい」格好で登場しているわりに、意外と新しいテンカラの本…よく見ると、そこには商魂が見え隠れする…
    本当の本物に近いのはどれなのだろう…
    何とも不思議な世界ですね。

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    1. yugawasuki 様 コメントありがとうございます。
      おじゃまる様へのご返答にも有ります通り、付き合っていた民宿の爺様達が釣雑誌に紹介されていた職漁師と呼ばれる人達でした。当の本人達はそれ以前の本当の職漁師の姿を知っていましたから笑っていました。泊まりに来られていたお客様の道案内で釣場にも行きましたが釣雑誌に寄稿されるような方がいらっしゃったようです。最新の釣具一式のお客様、こちらはグラスの琥珀と芋虫毛鉤時代でした。釣らずに各人の釣り姿を後ろから見ていると自分が釣るより勉強になりましたので良い経験をさせて頂いたと感謝していますが、やっぱりお客様ですから連れて行く場所も塩梅しますし、琥珀のハナタレ小僧じゃ相手にもされませんでしたので(笑)
      一度だけですが失敗談が有りまして、釣り上がって行くのを見送った後、釣り残した場所で岩魚を掛け振り向いた時にそのお客さんが真後ろで口をポカンと開けてそれこそ仁王立ち、その後の気まずさはその時のお客さんの顔と共に今でも思い出します。でもその頃は釣りに甘い期待感とか真摯に釣りを極めるような気風が残っていたと思い出します。

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  4. サワダフックはないしょですけど ケンキューブ わ~るど わいどあんぐらーず にて通販でも購入可能です。内緒ですけどね。(^▽^)/ 内緒だよ。

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