毛鉤の蛇口・・・ Ⅱ

細軸の餌針に合わせて長らく使っていたフライリール用のバッキングラインから、先回に紹介したグデブロ「D」や手芸用のポリエステル製しつけ糸に代わっては参りましたが蛇口の作りは変わっていません

釣針をセットしてワックスを掛けたスレッドを巻き進めてチモトまで凹凸を付けるように荒巻きで戻します

タタキの部分で蛇口糸を巻き止めて止め結びをした後にボドキンで大きさを調整

テーパーが付いた下地処理を兼ねて片側の蛇口糸を斜めに切ります

フトコロまでスレッドで蛇口糸を凹凸を付けるように荒巻で戻して止め結び

毛鉤によっては撚った金属製極細線を補強代わりにタグ&リブ

タタキの無い鮎掛け針等はブラインドアイフックに巻かれたサモン針と同じ様に少し鈎軸を多めに出して・・・

毛鉤の丈夫さは手巻き時代から行われた「一工程ごとの止め結び」・・・手巻きだからこそですけど

フライはそれに加えてワックスの効いたスレッド

定番の絹糸も使いましたが糸自体の撚りの戻りや材質其の物の弱さからブラインドアイフックに巻かれた古いフライを参考にして今に至ります

ナイロン製のティペットを巻き止めたりその物をアイにしたフライや毛鉤は形だけなら10年は持つでしょうけど単糸の天然テグスと同様に、経年劣化には意外と弱い物です ・・・粉々になります

ワックスで固められた極細のシルクガットが有れば一番でしょうけど(笑)

毛鉤入れの中には10年前の毛鉤も多いですし中には20年~30年程前の毛鉤も、今だに現役で使っていますが毛鉤とフライの耐用年数はどの程度まで考えれば良いのでしょう?

前にも書きましたがTMC102Y#13で30匹位までは針先が持ちましたが、その後は一気に刺さりが悪くなり釣針用砥石で針先を整えながらでも、50匹程度までが限界でした

何故か昔のピアノ鋼線製鈎が好きなのは研ぎ進めても保持力は落ちますが却って刺さりは良くなります・・・針先の長さについては短い方が刺さりは良いと思います

現在の表面硬化型は替刃式ノコギリに見られるように使い捨てでしょうか?・・・餌針ならまだしも、毛鉤やフライに巻き上げた鈎その物が使い捨てとは考えたくありません

天然素材の色や品質に拘るのも古い毛鉤やフライを見れば良く判ります

出来れば和式毛鉤もフライの様に、良くワックスを掛けたスレッドで巻かれていればとか、渓魚の歯で傷み易いフトコロ側に補強がタグの様に有ればとか毛鉤全体を引き締めるリブ巻きが有ればとかと思っていましたが「テンカラ毛鉤」と言われ出す前の和式毛鉤には下地全体を漆で固めたり、タグを「花入」、リブを「ネジ巻き」と言われておりました・・・ 丈夫な毛鉤作りで大事な事は一工程毎に「止め結び」を手巻き毛鉤の時代から行われていた事です,その中でも大切な蛇口の保護は鮎毛鉤やハス毛鉤に見られる金玉、当初は漆で固められ後に金箔を貼ったもの

テンカラ毛鉤とは無縁と言われやすい、鮎毛鉤とかハス毛鉤等はチモトの補強に金玉、タグ代わりの補強として先玉が備わっていましたし、却ってそちらの方が「テンカラ毛鉤」よりも歴史的には旧いものです

どの時代を切り取って「テンカラ毛鉤」とするかは有名な識者にお任せしてもそれだけではないのが和式毛鉤の面白いところです(笑)

フライ製作でも説明される、額縁用フルドレスサモンフライならブラインドアイフックに短いシルクガットを巻き添えても形は作れるでしょうが実釣となればテーパーとなったごく短い鈎軸のアイ部分に巻き付けられたその短いシルクガットが耐えられるのかは・・・(笑)

耐用年数とか耐久性とか経年劣化防止を無用とみるかその点を踏まえて「毛鉤とフライ」の丈夫さを大事にするかは毛鉤とフライの巻き手の好みとか時代に合わせた愉しみ方かもしれませんので・・・

耐用年数が残り十数年となった自分にとっては何を使っても巻いた毛鉤やフライに負けるかもしれませんけど、それでも丈夫さは大事と思っています

黒部毛鉤式

海釣の万能型鈎「海津」を使った 本来の「黒部毛鉤」は先記事をご覧いただいて・・・

今回は「黒部毛鉤式」 使う鈎は彦兵衛針「改良ヘラ6号」

毎度のことながら

今で言う「バーブレスフック」を使って

花入はオレンジシルク、補強に銅細線の撚糸・・・

花入は銀細線撚糸・・・

定番の朱絹糸を入れたり・・・

6号表示でもこの鈎型は大き目、フライフックサイズで#14程の同型3号と比べて

パーマーハックル=ドライフライ式では無いのが黒部毛鉤式の要

腰の有るジェネティックハックルではない食肉用鶏羽根仕様・・・水面下でこそ真価を発揮する

海用「海津鈎」を使うのも丈夫さよりは 太軸の 重さで沈みこみを早めた選択、必要なら針素に3Bの「嚙み潰し錘」を数個、付けて生餌代わりの毛鉤の脈釣り・・・

中には安曇野の爺様の様に巻き付けた羽根を上に扱いて「ハンプバック式」で浮かべても・・・(笑)

勝手な思い込みかもしれないけど前回の段巻き毛鉤も此方の黒部毛鉤式も、蜘蛛をモチーフにした毛鉤なのではと感じています

虫を捕まえて餌針に刺して釣る「フットバシ釣り」で一番に釣果が上がるのが「ジョロウグモ」・・・意外につつくだけで咥えないのがバッタやイナゴ(後ろ足を取って刺すとは聞いていても)

羽蟻に続き今回は蜘蛛ですが余り注目をあびないから敢えて掲載ではなく、あくまで実釣に拘った結果です(笑)

段巻き毛鉤

渇水期を迎える時期に、白く沸き立つ白泡の流れ込みに逃げ込む岩魚狙いに・・・

使う鈎は・・・

一般的には此方かな・・・(笑)

花入にポイントカラーを入れて・・・

大岩魚が好むチャートリュースとか

定番のオレンジシルク

使う鈎は大型ですが胴も蓑毛も細身です、胴は細く蓑毛は薄く長いこの独特のパターンは形では似るフライで言うレネゲイドとは別のパターンと感じています

先回の小型毛鉤の段巻き毛鉤も添えて・・・

岩魚が逃げ込む落ち込みの白く泡立つ水面で跳躍させて岩魚を誘います

梅雨真っ最中、各地に被害が出ている中ではありますがこんな毛鉤を巻いて天気の静まりを待ちます

補記として・・・

アーまたかとは言われそうですけど本来のレネゲイドも細身でハックルは細長い物でした

和針 3号毛鉤

使う鈎は「スレ針」(バーブレスフック)

彦兵衛針「改良ヘラ鮒スレ鉤3号」・・・軸峰にしっかりとした角(二方角)

何度も出てくる程、お気に入りの鉤ですが注意点が一つ

通常の和針3号はフライフックサイズで#17前後が多いですけれど似た形状のフライフックと比較すると・・・

左右はTMC206BL、左が#16で右が♯12・・・和針は対応魚種、釣り方によってもサイズは変わります

通常の蛇口

蛇口に使う糸はグデブロ「D」サイズ・・・ジーパン等に使われるステッチ糸の太さ

これよりも大針だと・・・

蛇口の大きさはこの程度に抑えています

毛鉤を巻き上げてからですがヘッドセメントで使い易い様に固めています

ヘラ鮒針の愉しみ方(笑)・・・金針も有ります

オーナー社 丸袖改良ヘラ3号・・・金針(笑)

同じ巻き方で・・・

蓑毛には拘りの逸品

昔の岩魚毛鉤の定番蓑毛・・・芯黒先黒の斑入り

追記 ————–

カテゴリー分類で「tenkara」となってはいても先回の#22フライングアントパターン等のミッジフライからマイクロパターンまでの概念自体、もしかすれば自身の毛鉤に対する根底まで見つめ直す機会を与えてくれた本

300ページを超える分厚い本の中は膨大な情報量・・・

各水生昆虫のラーバからピューパの精密図、マテリアルの電子顕微鏡写真、当時使われていたミッジサイズの詳細な鈎データ等は表題のマイクロパターンを形作る礎

和式毛鉤にもこれだけの本が・・・否、江戸時代から明治時代までは日本にも有ったのにと・・・

#22 羽蟻フライ

はいからはくち様から頂いたコメントで#22の羽蟻フライの件、 #22程度の蟻の流下に出逢った事はありませんが 自分ならどう対応するかと感じまして、場所も環境も知らぬまま・・・

此方で見かける極小の蟻、色は濃い赤色から赤褐色で意外とスレンダーボディですけど・・・?

フライならではの強調表現、はたまたインパクト重視、黒と白で 最小限の視認性を盛り込んで・・・取り敢えず(笑)

TMC200R #22

ウィングは少し長目にカウボディヘヤー ボディはウレタンフォーム材を折り返して・・・

少し浮力性を強くして・・・ガマカツS13S-M #22

ヘヤーウィングカディス風

TMC500U #22ならハックルドライ

ガマカツ C12 #22

パラシュートパターン

汎用型としてTMC100 #22 ハックルはジャックドゥのウェブ

クロノミドと余り代わり映えが・・・(笑)

強張る指と霞む目でも、まだ#22が巻けるとなれば次は色のバリエーションに他のパターン・・・(笑)

こんな楽しみも16/0やら17/0のスレッドにストレスが無いボビンホルダー、#22が巻けるサドルハックル、強度に富む各種フックが有るからこそ・・・

ジェネティックハックルメーカーのコックネックでも#22が巻ける部分は少ないか中途半端、ミッジサドルとなればサイズは限られてしまうけれど無尽蔵・・・(笑)

肩慣らしも済んだ事ですし何がトリガーポイントか判りませんが

好きなシルバーフェザント・ティペットなら・・・

使った鈎はガマカツ

どんな感じかと・・・(笑)

あまり代わり映えしませんでした(笑)

ならばハックルティップで・・・

これならウィングにジェル状フロータント塗布でしっかりと浮かびそう・・・(笑)

我儘な性分ですから、咥え方からライズの仕方まで魚に注文を付けたいのです・・・(笑)

本来ならこの時期は・・・

犀川本流の川の中に居るはず・・・道路陥没で交互通行中、復旧までは2年程かかる予定、流石に行けません

同じに見える自分の定番フライでも少しづつではありますが変わってきております、使っている物は古いですけど・・・(笑)