魅力的なモンカゲロウをハックルドライフライにしてみると
ホフマン時代のクリームバジャー・・・

クリームバジャーにアウルのボディ・・・



これだけで済まないのが気狂いの性
同じクリームバジャーの別ハックル仕立て・・・

こちらのハックルは消え入るような淡いクリームバジャー・・・



どちらのハックルも自分にとっては選りすぐり・・・

同じ巻き数でも、ファイバーの質だけの違い・・・

だからといって何も変わりませんけど・・・視認性は(笑)
「釣り道楽」について等という大層な話は未だ先の話ですし、かと言って「羽根道楽」もいまだに・・・(笑)
「足るを知る者は富む」を理解する程にも至っていない半端者ですから、今ある好みの羽根と英国製の鉤で1950年代のパラコナ竿とシルクラインに似合うフライを巻きたくなっただけです
ストークボディ材の前身であるコンドルクイルでも使ってハックルを際立たせてみようかなと・・・(笑)
テールはカイト氏に倣い巻き止めた後にスレッド一巻きで扇型に開き、下巻きのスレッドでボディのシルエットを作り、コンドルクイル補強の為に極細金線でカウンターラップ、ハックルの巻分だけストーク保護のためにモールをダビング、巻き止めたハックルに撚って細くしたスレッドを4~5回転程巻き締めてヘッド側に戻しアイ一つ分以上開けて云云かんぬん・・・(笑)
角度によっては・・・
巻き上げると画像では判りにくくなります・・・
相反する要素が堪りません・・・
モノポストウィングのテンカラ毛鉤を添えて・・・(笑)
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小説家 開高健氏・・・「スコットランド紀行」
初めてのフライフィッシングでアトランティックサーモンに向き合う
スコットランドの朝は・・・草の匂いがする 水の匂いがある
「釣り道楽」の言葉が似合う方
虚弱体質で二度ほど死線を彷徨う幼少期を山野を駆け巡る事で乗り越え、ベトナム戦争当時、記者として従軍し同行者200名の内17名の生存者の一名となるも、生き残った事より広場で行われた少年兵の公開処刑を目のあたりにしたことが以後の生き様を変え、寿社入社後CMの今で言うコピーライターとして才覚を現しながら日本の酒税法上ではウヰスキー規格でも世界では紛い物扱いの・・・以後、小説家
政情不安と著者自身の二回にも及ぶ妻との死別そんな生き様をベースにしながら微塵も文章には現れない著者 Izaak Walton 氏の“The Compleat Angler” 和訳「釣魚大全」の訳者として、この方以上の方は無いと感じてしまう・・・現実逃避と相反する”great escape”
「釣魚大全」とほぼ同時期に著された日本の釣り名著「河羨錄」との対比は・・・
ガンクラブチェックにスコットランド・ハンター社製ブーツ、正式なフィッシングジャケットに蝶ネクタイの出立ちでアトランティックサモンに臨む姿勢に対して・・・釣りを知らないテレビクルーに対する開高氏の相反する苛立ちは今の釣り業界に対する苛立ちにも似てる、キャスティングに附けた効果音ときたら無様以上に、嫌悪感しか思い浮かばない
「釣魚大全」と書きながら、最後の “STUDY TO BE QUIET”の意味合いを未だに勉強中です・・・(笑)
お町のアイザックウォルトン氏に対しキャプテンフランク氏(リチャードフランク)の存在を忘れない
Jig nymphsとかEuro nymphsは重いヘッドに細い胴と規定されているとの事ですから・・・
こちらは規定から外れていると・・・(笑)
ならばJig nymphsならぬJig kebari
使った鉤はガマカツ
gamakatu C15ーB #13
ジグフックでは有りませんけど・・・(笑)
ダンベルアイが思いの外、綺麗に収まります
使った蓑毛はクートと雌雉
何でも引き入れる「低下凡夫の毛鉤」其の物です
節操が有りませんけど・・・(笑)
節操が・・・(笑)
プリンスニンフの和式毛鉤仕立て
テンカラ竿で使うなら・・・
シンプルなテンカラパラシュートパターンとか・・・
飾りっけが無い方が実釣には何かと都合が宜しい様です
魚を釣るには好いのでしょうけど日本には「釣りを愉しむ」文化が有ります
水の趣味・・・ベースボールマガジン出版社
釣りそのものを味わう「釣道楽の文化」は素敵な世界観です・・・
吉村氏考案 新てんから仕掛け
吉村本夫氏・・・1939年(昭和14年生まれ)
オーナー社「吉村渓流」・「吉村アマゴ」等でご存知の方も多いかと思いますが長良川を舞台に「瀬釣りの吉村」と言われた名人
前にも何度かご紹介させて頂いていますが今回は使われている毛鉤について・・・
太目のクリーム色の胴に片方は茶鶏の羽根を二枚、もう一つは同じ胴に黄毛を背負わせた「順毛鉤」
こちらが連1(No、1)とすれば・・・
連2・3・4・5・・・シリーズ化されていたんですね
「蓑毛で誘って胴で喰わす」その言葉そのものの出で立ちに只々、驚きます
つぶさに観ていくと・・・
赤毛・油毛・黄毛・猩々・・・定番の蓑毛ですが
もしかしたらこれは日本のブルーダン「浅葱色」・・・まさかこれだけ染色物?
思いもかけない処で出逢える愉しみは格別です
コックデュレオン?今はコックデレオン?が日本に紹介された折に、ほんの一瞬紹介されたスペインのフライ・・・こちらも順毛鉤式、同様のフライがフランスの山岳地域でも使われています
釣針に毛糸やら糸を巻いて鳥の羽根を付けただけですからどこの国でも似てくるのは不思議でも無いのですけど、実際の話、日本各地でも順毛鉤式は伝統的な毛鉤として古くから存在していたのですが今の「テンカラ」では無い物として無視されているのが不思議なことです・・・?
後輩用の毛鉤も巻き終わりましたので今度は自分用に・・・(笑)
「吉村アマゴ」制作に影響を与えた「重兵衛針・新アマゴ」に敢えて
順毛鉤二種・・・
巻針式になる前、世界最古のマケドニアのフライも同様かも・・・(笑)
鮎毛鉤でも前に紹介した「福富針」の様に存在そのものを無視されてしまうのは不思議な風潮です
近代テンカラ毛鉤の道標「魚心毛鉤」も同様にならないよう折にふれて・・・(笑)
釣りに使う前ですから外観だけ・・・志もく留 アマゴ針 8号
外観と志もく留部分・・・
単体では判りにくいので他社のアマゴ針ヒネリ入りと比べてみます
同型の鈎型・・・
現行品では海外のテンカラ愛好家にも評価が高い・・・
此方はお気に入りの改良ヘラスレにも似ています・・・(笑)
針だけだと判りにくいので逆さ毛鉤に仕立てて・・・
剣先の長さとフトコロの違い・・・重箱の隅を楊枝でほじくり出しました(笑)
似た鈎型では・・・
どれも同じに見えますが実釣では思った以上に違いが出るのが面白い点です
鮎掛け針やこちらの山女魚針にアマゴ針は水中姿勢がキール状態に成る点も重要な鈎型と思っています
フトコロが広く剣先が長いのは総じて保持力に優れると思いますが個人の釣り方と好みも有りますのでどれが良いとは一概に言えません・・・折れる位なら伸びてくれた方がとは思いますけど(笑)
アマゴ針の関連で・・・
高平釣具製造株式会社 「イカリ針」・・・雨子
アメゴ針として作られた丹吉型・・・
軸は四方に角を持ちヒネリ入り・・・
上から見ると旧式の海津針にも似ています・・・
基本的な「山女針」に、好いとこ取りの「マス針」や「「ベテラン細地マス針」とか、この「雨子針」とか海釣り用がメインの製造元でしょうが商品構成が渋い製造元
癖のあるこの形が「用の美」と感じるかは個人の好みですけど・・・
この「イカリ針」だけでなく他社メーカーも「丹吉型」を製造していましたので今には伝わっていませんがそれだけ使われていたとは思います
テンカラ毛鉤にフライフックが一般的に使われる今に、わざわざ蛇口を附けてまで餌針を使うのも酔狂な事と自覚はしていますけど・・・あくまで疑似餌ですから
フライフックよりも多種多様な餌針を毛鉤に仕立てて魚の反応と毛鉤の出来を見るのも毛鉤釣りの愉しみと感じています
集め始めたのも個性豊かな、だからこそ今は製造されていない鈎型の一つ一つが味わい深く、号数が同じでも釣針の種類によってサイズ感が違うので現物が無ければ大きさも判らない、毛鉤巻きでの現実的な面もあります
無骨に見える海津針に丹吉針とかセイゴ針や軽井沢狐等の岩魚針に袖型で鈎先が長めの山女魚針各種・・・地域に根付いた伝承毛鉤にはそれに応じた鈎型が有ります(信頼に応える鉤が有ってこそですけどね)
そんな伝承毛鉤でも釣圧の高まりに応じて、袖型からセイゴ針に変わり軽井沢狐型にと変化して毛鉤サイズも小型化(それでも7号~7,5号ですからフライフックで言えば♯12程度)
細軸で軽量な鮎掛け針を使い全国的には珍しい「乾毛鉤」に、それ以上に特異な存在であった「逆さ毛鉤」とか、チョークストリームでも通用しそうなムクドリや烏の綿毛を蓑毛にしたり、雀のウィングフェザーを使った雀毛鉤に、羽虫其の物に見える羽根附き毛鉤・・・伝承毛鉤と言えど各地に根付いた和式毛鉤は思っていた以上にそれこそ様々、使われた釣針も様々ですから使われていた鉤でなければ実際の毛鉤そのものから逸脱してしまいます
又、前口上が長くなり失礼いたしました
喰わせてまで(飲み込ませてまで)確実に岩魚を手に入れる為の「岩魚針」・・・
ウェットフライさながらの羽根附き毛鉤とか・・・
掛かりの良さに保持力を加味した「山女魚針」・・・
日光毛鉤の一つ・・・
乾毛鉤式とか・・・
ごく一般的な・・・
続きは「アマゴ針」を予定していたのですけど長良川を漁場にする各名人監修の銘針が多過ぎますし折に触れて前にもご紹介していますのでひとまず・・・
長良川の広さと奥深さというか凄さを、使われていた各釣針から感じ、バイスに挟んだ鈎に手も出ず、ただ見惚れてしまうからですけど・・・(笑)
前にご紹介した飛騨毛鉤に使われていたと聞く「丹吉針」は、拙な文章や拙な写真では現物の凄さをお伝え出来ないでしょうし・・・釣針だけでなく長良川のアマゴに、溜息が出そうです
「吉村アマゴ針」にお似合いと思っている段毛鉤式・・・
伝統毛鉤とか伝承毛鉤とかの話も有りますがそれを踏まえつつ個性豊かな鈎に、お似合いのパターンを組み合わせて・・・テンカラと呼ばれる前の和式毛鉤には、フライ並みに様々なパターンが存在していましたし拙ブログに出てくる和式毛鉤は多少のアレンジ(今だからこそ使える素材)は加えてますけど地域に根付いた伝統的な毛鉤は踏襲しています・・・勿論ですけど、使われていた鈎も可能な限り使用しています
チェコニンフがいつの間にかユーロニンフですか?・・・もしかすると今の「テンカラ」も、いつの間にか日本で行われていた毛鉤釣りとは別のジャンルの釣り方に代わってしまったのでしょうか ?
雑記 ————–
毎日雪搔きしてますけど毎日、雪が降りますから・・・(笑)
雪搔き見物を堪能した後は、毛布の上でゴロゴロしてます
4~5年前から海外のテンカラサイトでもジグヘッド型毛鉤を多く見かけるようになりました・・・流れが無い、深いクリークでの対処策でしたけどほぼ「脈釣り」と同じバーチカルフィッシング
敢えて言えば餌竿に餌の代わりに毛鉤を付けた本来の「毛鉤釣り」がユーロニンフィングとかヨーロピアンニンフィングと言い換えられただけにどうしても思えてしまい、折角の軽やかさとリズム感を手に入れた今のテンカラとは趣に些か違和感が・・・
でも8割近くの釣り方が下流に向けての流し毛鉤式を「TENKARA」とされているようですから・・・
ごまめの歯ぎしりが少しだけ・・・(笑)
折角の機会ですから以下は戯言です —————————
彼の地でジグヘッド毛鉤等という毛鉤が流行りと聞き及び、近辺の山で間に合わせた質素で貧しい素材だけでは有りますが見様見真似、何でも取り入れる低下凡夫の毛鉤をご笑覧ください
彼の地の掟に従いましてカエシは潰しました・・・
赤角にゼンマイを荷札の金線で絞り込む胴仕立てに元巻きは孔雀、雉蓑毛を合わせて・・・(笑)
京都の老舗永原屋茂八商店(釣具製造と総卸)の存在は重要です
・・・日本の毛鉤の祖
1818~1829年頃に
京都三条河原町東・永原屋茂八が菜種鈎(natane-bari)を販売
「菜種鈎」は黄色の小毛を鈎軸に巻き付け鈎頭に金色の玉
(文献では黄色でもその系譜で残るハヤ毛鉤はペールイエローの蜉蝣色)
此方の詳しい話は「鮎たわけ」様のブログにございます
永原屋茂八商店・・・昭和4年卸部「永原屋茂八商報」
アマゴ釣り用針 ・・・「大極上釣針」袖型・狐型各サイズ
100本入り200円ですから1960年代初期でしょうか?
「たたき」の形が一般的に使われる用語の「撞木型」ではなく「志もく留」表記が興味深いです・・・たたきは平打ちがほとんどの今では撞木型自体が一般的ではありません
中身は確りと銀紙に包まれて錆も有りませんでした
今風の表面硬化処理ではない総ハガネの製造法
中身はこれからご紹介させていただきますが今の物と比べて遜色がないどころか・・・と勝手に思っています
今年も、毛鉤作りが愉しめそうです・・・(笑)
掛かりの袖針にもショートシャンクワイドゲイプの関東袖(江戸袖、一部都袖名有り)とか前出のロングシャンクナローゲイプの秋田袖に、丸針にも見える河内袖等有りますしそこに茶焼きに青焼き(玉虫色名有り)・・・ピアノ鋼線製が主流だった頃は特徴的な鈎型が一番に際立っておりました、塗装では無いガンブルーの黒染めも魅力です
早掛け(喰わせ)の狐型にも関東狐に東京狐、更に短軸の軽井沢狐や長軸の秋田狐・・・長軸の利点は掛けた魚の口から外しやすい手返しの良さ重視とか
フライにはフライフックが有るけれど毛鉤用の鈎は餌針からの流用だから云々も有りますが今よりも、もっと沢山の様々な鈎型が以前からご紹介したように有りましたので(過去形に近いですけど)選択の幅は今のフライフックよりも有ったかもしれません
前口上が長くなりましたがもう少しだけご容赦ください
黒部毛鉤に使われた「海津針」に秋山郷毛鉤に使われた「丸セイゴ針」の例も有る様に海釣り用の鈎も使われておりましたが丈夫さも勿論ですけどその鈎軸の重さが釣り方に応じて必要だった点も有ります
本題に戻ります・・・
この秋田狐5号は鈎の元(チモト)の「切り込み」が特徴的なキスの投げ釣り用で本来の秋田狐よりも鈎軸が少し太目で丸軸です、柔らかい小口のキスの投げ釣りは渓流釣りで使われていた袖型や狐型が使われそれが効果を発揮しキス釣りに適した太軸に改良されたと聞いています・・・肩の張りが取れれば丸セイゴにも似てきます、刺さり優先の極細軸の渓流用餌針に比べ太軸は毛鉤を巻くのに都合が良いと思います
パートリッジ社TS2ST♯12と比べれば細軸・・・
・・・丸セイゴや軽井沢狐を使った時代の秋山郷毛鉤にお似合いかもしれません
狐型の究極・・・鮎掛け針各種で巻いた逆さ毛鉤とか
垣根を越えたところにこそ和式毛鉤の良さが有ると・・・(笑)
あけましておめでとうございます
雪片付けで始まるそんな静かな新年の幕開けでした
それでもタイイングベンチは賑やか・・・
お洗濯日和が続きます(笑)
お気に入りの秋田袖8号・・・軸一本分の捻り入
定番の普通毛鉤・・・
後輩から一人で釣りに行っては云々等と心配されるお年頃となりましたので(使う毛鉤も終わったからとのお言葉も有り)・・・新春恒例行事の定番毛鉤巻き(笑)
解禁日も後、30日ではありますが自然解禁はまだまだですから何時に成りますやら判りませんが準備だけは・・・後輩用ですからおろそかには出来ませんし(笑)
同じパターンを5本で10種類ありますから50本、そこにプラスαで等と増えていきます・・・(笑)
自分用に・・・少しだけ(笑)
解禁日の海川・早川下流域を思い浮かべて逆さ毛鉤もと考えると、もっと増えていきますけど・・・(笑)
単一焦点式魚眼レンズ並みとなった目の為にジタバタしています・・・
苦肉の策は・・・
スイングアームで鈎自体を自分の目の焦点に合わせます・・・
バイス云々も有りますがバイス自体よりこのスイングアームで助けられている方が多いかもしれません
本年もご笑覧のほどよろしくお願いいたします
お気づきの点がございましたらご指導いただけると幸いです