掛かりの袖針にもショートシャンクワイドゲイプの関東袖(江戸袖、一部都袖名有り)とか前出のロングシャンクナローゲイプの秋田袖に、丸針にも見える河内袖等有りますしそこに茶焼きに青焼き(玉虫色名有り)・・・ピアノ鋼線製が主流だった頃は特徴的な鈎型が一番に際立っておりました、塗装では無いガンブルーの黒染めも魅力です
早掛け(喰わせ)の狐型にも関東狐に東京狐、更に短軸の軽井沢狐や長軸の秋田狐・・・長軸の利点は掛けた魚の口から外しやすい手返しの良さ重視とか
フライにはフライフックが有るけれど毛鉤用の鈎は餌針からの流用だから云々も有りますが今よりも、もっと沢山の様々な鈎型が以前からご紹介したように有りましたので(過去形に近いですけど)選択の幅は今のフライフックよりも有ったかもしれません
前口上が長くなりましたがもう少しだけご容赦ください
黒部毛鉤に使われた「海津針」に秋山郷毛鉤に使われた「丸セイゴ針」の例も有る様に海釣り用の鈎も使われておりましたが丈夫さも勿論ですけどその鈎軸の重さが釣り方に応じて必要だった点も有ります
本題に戻ります・・・

この秋田狐5号は鈎の元(チモト)の「切り込み」が特徴的なキスの投げ釣り用で本来の秋田狐よりも鈎軸が少し太目で丸軸です、柔らかい小口のキスの投げ釣りは渓流釣りで使われていた袖型や狐型が使われそれが効果を発揮しキス釣りに適した太軸に改良されたと聞いています・・・肩の張りが取れれば丸セイゴにも似てきます、刺さり優先の極細軸の渓流用餌針に比べ太軸は毛鉤を巻くのに都合が良いと思います
パートリッジ社TS2ST♯12と比べれば細軸・・・


・・・丸セイゴや軽井沢狐を使った時代の秋山郷毛鉤にお似合いかもしれません
狐型の究極・・・鮎掛け針各種で巻いた逆さ毛鉤とか

垣根を越えたところにこそ和式毛鉤の良さが有ると・・・(笑)