SEALYE SF3 二重蓑毛毛鉤

一般的なダウンアイフックです、アップアイのSF2のお陰で余り作例が出ておりませんが、シーリーSF11と共に好きな鈎型です

パーフェクトベンドにキレを持たせたベンドの形が堪りません・・・一般的にはスプロートベンドと説明されるのでしょうけどラウンドベンドとも違うし軸の太さと独特のベンド(細かい事ですけど)

定番の下巻きを終えて

フロントハックルはフレンチパートリッジのネックフェザーです、ソフトハックルの中では張りも有り強い流れの山岳渓流で存在感を発揮します・・・渓魚の反応も良いと感じています

コンプリートスキンでも得られる羽根は、ほぼオーバーサイズなので巻く位置を調整して・・・

アイ方向に折り返します

折り返しを巻いた所にセカンドハックルを薄く巻きます・・・

スレッドで胴の形を仕上げながら下巻き・・・

胴を仕上げて・・・

スレッドをアイ方向に戻してから・・・

ボドキンの後ろ側、ハーフヒッチャー側でハックルを抑えて・・・

アイの所で3回転程・・・ヘッドは小さくても全てのハックルを抑えますから丈夫です

手持ちの全てのハーフヒッチャーは各フックのアイと胴体を抑え込めるようにドリルで穴径と深さを加工してあります

美しいフックは三重苦の腕で巻いた毛鉤すら綺麗に見せてくれるかな・・・?

自分にとって魚釣りは山菜採りやキノコ採りと同じく山間地近郊の愉しみの一つで趣味と言えるほどの大層なものではありませんがそれでも様々な情報の中で紆余曲折を繰り返し、悪あがきを繰り返した拙ブログにご訪問頂く方、並びにコメントを頂ける方、メールでやり取りさせて頂く方に恵まれてSNSならではの肩ひじ張らず等身大の釣談義が出来るのはフライショップや釣具屋さんが周りに無くなってしまった地方住みにとって新たな愉しみになっています、ありがとうございます

二重蓑毛毛鉤の基

度々で、申し訳ございませんが二重蓑毛毛鉤の基は英国の古いパターンからと説明させて頂いておりましたが敬愛するDavie McPhail様から動画がアップされましたのでご紹介させていただきます・・・

こちらはドライフライ版・・・

二重蓑毛毛鉤はテンカラ毛鉤で使い易いようにサドルハックルで薄めに仕上げて浮かせと沈めは竿先の操作で行っています、稚拙な文章のブログですから説明が今一つ足らないのも自覚はしつつ、かと言って動画の才も有りませんので安心しました

英国の古いパターン帳を見ているとこのマーチブラウンだけで無く同様のハックリング方法で様々なパターンが作成されておりますし、これらのパターンが米国に渡りウェスタンドライフライの基となり、一方ではフリンフ・フライの基になったと感じています

勝手な当て推量に成りますけれど使われる鈎の変遷も、ドライフライが一般化したからこそ巻き辛いと言われたアップアイが廃れてダウンアイにドライフライが巻かれるようになり、少数派だったからこそフリンフ・フライにはニンフフライフィッシングと混同されない為にもアップアイが当初は用いられていたのかなと・・・ダウンアイしかほぼ選択肢の無い時代に言ってもそれこそ笑い話ですけど(笑)

コメントを頂いた中で郷愁すら今は感じてしまうマスタッド針

下手糞の手前味噌で今一足りない三重苦ですけどキャッツキルフライならマスタッド針が一番に、様になる気がします

パートリッジ社フックに毛鉤巻き

これから始まるタイイングシーズンに向けて先ずは使う鈎のご紹介から・・・

当時は「高嶺の花」でした、棚一面に飾られて何故かそこだけ輝いて見える高級品でした

1パック25本入りで600円から700円でしたけど渓流用の針なら100本入り小袋で300円でしたしマスタッドなら10本で150円から160円、そこにTMCが同価格帯でそれ以上の品質(初期型は良く折れた気がします)・・・いつかは使うつもりで買ってはいましたが勿体無くて使わず仕舞い、思いがけず欠番の贈物が有ったりして喜んでいたのですが、いざそれを使うにも、それがクラッシクとかビンテージ品になってしまったのかと思い、久しぶりに見たパートリッジ社のホームページ・・・今でも、ご存命中でした(笑)

partridge-of-redditch.co.uk TROUT HOOK ・・・パートリッジ社のホームページ

以下のフックはレデッチ・スケールと言われるサイズ感とは異なるタイヤー泣かせのサイズ表示が多いです・・・それだけでも一癖も二癖もありそうです

PARTRIDGE HOOKS  K4A  ・・・強めの捻り入(カネリ)でポイントはストレート

Originally developed for John Veniard in 1976 to tie bloodworm imitations, this pattern has remained a top seller in Europe. Often copied but never bettered it remains in the original medium-weight wire and is a truly versatile pattern. The K4A has now been modernized to include a micro-barb. Suitable for small grub, scud, shrimp and emerger patterns.

PARTRIDGE HOOKS K14A ・・・は有るのですが手持ちは(B

Standard wire, forged continuous curve. Inspired by the Oliver Edwards K14ST Original Masterclass Nymph / Emerger pattern – Ideal for tying Caddis Emergers and small nymphs.・・・環付き海津針に似ていませんか?

PARTRIDGE HOOKS K12ST・・・ Sedge / Caddis Hook これはグレーシャドー版

Standard Wire, Long Shank, Forged, Straight Eye, Black Nickel

今はブラックニッケル表示ですけどホイットレーフライボックスと同じく、昔はジャパニーズ・ブラック仕上の表記だったと思い出しました

—–  ここから廃盤品

PARTRIDGE HOOKS Simazaki TS2ST ・・・フローティングニンフ用

PARTRIDGE HOOKS K12STに似ていますがショートシャンクのヘビーワイヤー版

Partridge K2B Yorkshire Sedge/Caddis Hooks・・・岩魚毛鉤にお似合いと思います

不思議な事ですけどこの鈎に和式毛鉤パターンを巻くと彼の地にも同様のパターンが有るのです

ヘビーワイヤーになりますがティムコならTMC207BLとかTMC205BL、ガマカツならC10Uが似ています・・・こちらも廃盤品

PARTRIDGE HOOKS TS3A・・・淡水用では珍しいピークポイント

スペシャルドライフックも廃盤品・・・癖のあるものは残れない様です

フライのセッジフックなら岩魚用和式毛鉤に、似合っていると思うのですけど好みは廃盤品ばかりですから少数派なのでしょう

昔懐かし、太軸のシュープリーム版で復活したりと、定番商品で有りました、本音は「B」とか「SF2」とか「CS32」がまだ有ればなんて、その当時の思いが強すぎたのか、今は丸軸フックをアングリングしてます(笑)

余談ですけど・・・

TMC207BLとTMC205BLが手持ちに有るのですが何処で入れ間違えたのか同じ鈎に見えます、ネット検索しても今はその情報がありませんでした・・・認知症の始まりかもしれませんけど(笑)

番号的にはその間に成るTMC206BLは好んで使う改良ヘラスレに似たアイ付きフライフックですからハス毛鉤用に愛用しています

ヘラ鮒用鈎に毛鉤巻き

ヘラブナ用の針で岩魚を釣るなんて、自分にとってはepoch-makingな出来事・・・(笑)

定番のヘラブナ用の針・・・ガマカツ針 ヘラ鮒スレ 4号

毛鉤用に蛇口を付けて・・・フライフックならTMC 2499SP-BLでしょうか

さもない毛鉤ですけど・・・

自分にとっての岩魚毛鉤は・・・と決めつけていた当時でしたから、こんな小さな毛鉤で岩魚を釣るのか等と・・・

三峰山荘の親父さんが淹れてくれたゴツゴツしたカップの中のインスタントコーヒーの旨さとか、そこに向かう岩だらけの十石峠越えとか、40年以上前になる話ですけど全線未舗装の峠道のその先、寄居とか秩父とか青々とした清流と共に思い出すのがヘラブナ用の針に巻いた毛鉤

当時、各釣りは互いに敷居が高過ぎて渓流釣りなら渓流用の釣針を餌釣りでも毛鉤巻きでも使っているのが普通だったと思いますがそこで見たのが小型で今まで見た事も無い鈎型

今でもヘラ鮒には定番で使われていますし自分が知らないだけの話で、それでも自分にとっては、渓流釣りの一つの小さな、思い込みが足元から崩れる程の刺激でした(笑)

毛鉤の為の釣針を考える

低下の凡夫だからこそ毛鉤を色々な釣針に求めに応じて巻いてきましたがその各種鈎型とは違う視点で毛鉤用として、餌針をご覧いただきたいと思います・・・重箱の隅を楊枝でほじくりだしました(笑)

鮎掛け針で「The村田」となれば説明不要の村田名人と思いますがこの狐型で意外に他の釣針ではあまり見掛け無い「早かけ先短型」の表示

毛鉤用に蛇口を付けて・・・

判りにくいと思いますので古来からの型

もっと判りずらくなってしまったかもしれませんので・・・

掛けた後の保持力を重視した針先の長い物・・・ストレート型やカーブ型

山女魚用はもっと長い物が多いです

余り一般的では無い針先の短い物・・・

一般的では無い為、針先の短い釣針は短命で終わっていますがどれもが、その釣りの先鋭の方々の好みでした・・・

針先が短いから全てが早掛けとは思えませんが針先の長さを見比べると・・・餌針から環付きにフライ用まで、何でも引き入れる低下の凡夫ならではですからお笑いください

早掛けに特化した針先の短い釣針は、餌針だからこそかもしれませんがその特性を生かした毛鉤巻きも禁漁期間ならではの一興かと思いますし、袖型や狐型に丸型や角形の各様の鈎型でも針先の長短の違いで釣針の印象そのものが変わるかもしれません

一瞬の針素の張りを、周りからは見えない、ほんの僅かな手首の返しだけで合わせるのも愉しみです(笑)

丹吉針を愉しむ・・・山繭胴毛鉤

丹吉型として他メーカーでも作られていた鈎型

裏書・・・

拙ブログで度々出ては参りますがそれだけに愛着が有ります

捻り入と言うよりは「ネムリ入り」と説明した方が判り易いかと思います

造形は繊細です

こちらを使って先回と同様の毛鉤を巻いてみます・・・

蓑毛も同じでサイズを合わせます・・・

蜉蝣に合わせて・・・

同じ素材ですが鈎型が違うだけで印象は変わります・・・

仕上げてみれば一般的な和式毛鉤に見えますけれど、シンプルだからこそ色々のものが詰っています・・・(笑)

餌針は魚種、魚の大きさ、時期、釣り方、釣人、餌に合わせて豊富な種類が有りますし信頼できる好みの鈎型に出会えたなら釣り人冥利に尽きるかもしれません

言い古されてはいますけれど英訳すると伝わりませんので解釈を添えて・・・

「毛鉤は道具」・・・地域に合わせ釣人に合わせた丈夫な手道具

「蓑毛の腰は流れに合わす」・・・様々な蓑毛の選び方は釣場の流れの強さと釣り方に合わせる

「蓑毛で誘って胴で喰わす」・・・鈎型、蓑毛、胴の組み合わせが要

付記・・・

山繭の件で続けざまに書き連ねてしまいましたがこの時期は山繭を探し出すには一番の好機です、キノコ採りに向かう葉の落ちた雑木林ならまだエメラルドグリーンの色が残る山繭が見つけ易くもなります

使っている蓑毛は雀のプライマリーウィングとセカンダリーです、砂地が多いドックランなら雀達が砂浴びで使っていますから行く度に10枚ほど拾えていますので毛鉤用には十分な量を確保しました

山と里で拾った素材で作る昔の懐かしい定番「雀毛鉤」ですけど今でも効果は薄れていないと思います(笑)

山繭を愉しむ・・・山繭胴毛鉤

山繭の一つの特徴としてしなやかで長い繊維・・・

使う鈎は彦兵衛針「秋田袖9号」

ヒネリ入り・・・

蛇口を付けて・・・下巻きにはバケ皮

補強代わりの撚った細いワイヤーへ山繭を直接ダビングします

使い馴染むと今以上に茫洋感に溢れて下巻きのバケ皮を光らせます(笑)

使う蓑毛は・・・9号サイズに合わせて

リストがダークダンで羽根先がダンがかったジンジャー色・・・どちらも魚にとっては刺激的な色です

羽根を裂きます・・・

羽根の向きが逆ですがスレッドの巻きを変えて対応します

春一番の蜉蝣に合わせてみました

釣針は袖型に始まり袖型で終わる・・・かもしれません(笑)

毛鉤に使う山繭について

山繭・・・

この時期は雑木林で見つけられます・・・綺麗なエメラルドグリーンから黄色がかったベージュ色まで時間の経過と共に変化しています

羽化した穴を広げると・・・

ガラス質の様な煌めきが有る繊維にほぐれます

蛹の触れている内側・・・和紙の様に緻密ですから解すのは大変です

精製された絹と比較すると・・・左側が家蚕、右側が山繭

・・・繊維の太さの違いをご覧下さい

シールズファーと比較してみます・・・下側がシールズファー、上側が山繭染色済み

シールズファー程の繊維の太さはありませんが素材としての性格は似ています

山繭を染色した染料・・・ローパスバチック各色

羽毛や獣毛にも使えますし常温染色で堅牢な染め上がり、混色も可能ですからマテリアルの染色には適していると感じています

こちらを使い染色した山繭各色・・・

布用とか皮革用を様々、試してきましたが手軽さと堅牢性で気に入っています

染色を楽しんだ後に・・・

濡れると透ける山繭の性質を利用して手縫い絹糸9号各色にナチュラルの山繭をダビングしてみると・・・

昔の記事の写真からで申し訳ありませんが、フライや毛鉤に使ってきました・・・

落ち羽根も貯まりましたので

来季用に、この組み合わせで・・・(笑)

Tenkara Dry Fly

和式毛鉤の形態を保ちながら・・・秋山郷毛鉤の亜流です(笑)

先ずは使う針の紹介・・・

新ヘラ鮒スレ鉤 5号  同型のTMC400T なら#12程度・・・同型のヘラ鮒針なら現在でも定番の形です

ボディの絹糸は蝋燭の蝋をスレッドにワックスを掛ける様に擦り込みます・・・張りが出ます

絹糸を撚り巻き付けます

ソラックス部にドライフライ用の上質なハックルを密に巻きます・・・視認性重視でファイヤーオレンジ色を使っています(ディアハンターオレンジ色の名前の方が、この場合はしっくりくるかもしれません)

ハックル抑えにアイまでスレッドを戻します

スレッドを止め結びしてソラックス部の整形をします

ハックルはソフトハックルを使っていますが・・・

ハックルで浮かばせる訳では有りませんのでお好みで・・・

ソラックス部にジェル状なり液体フロータントを沁み込ませますと良く浮かびますし水流に揉まれて沈んでも浮かび上がります・・・この時に咥える魚が意外と多いです

ファイヤーオレンジや蛍光ライトイエロー等の渓魚に違和感を与えず人間には視認性に富む色が有ると感じています

アップストリームのテンカラなら「泳がせ釣り」が良いのでしょうし沈んでも、毛鉤自体が浮かび上がると渓魚は特別の執着心が沸き起こるようです

同様にライトイエローの場合・・・

小さなインジケーターですがラインがFFに比べれば短いテンカラなら案外に見えます

秋の夜長も始まりますから・・・

和式毛鉤を巻いて愉しみましょう

旧い鈎の再生 Ⅱ

旧い鈎への一手間・・・

入手先の保存状態に係わらず30年以上前ともなれば経年劣化も仕方が無いのかもしれないけれど気に入った鈎を少しでも寿命を延ばしたい

太軸のJ1AとかG3Aは先記事で紹介済みですがドライフライ用の細軸ともなれば一点の錆でも応力集中による破断が心配でと、結局は使わないまま宝の持ち腐れになる前の処理

たまたまですがパートリッジ社のK14 #14を例に・・・

写真ですと綺麗な状態に見えますがコーティングが薄れて所々に地金がぽつぽつと見えます

これをそのままにしておくと錆が出てきますので磨き上げて再度、バーニッシュを塗って仕上げるかは判断の為所ですけど

金属黒染め定番の・・・

ブラスブラック・・・金属フェルールの黒染めにも使えます

スチールブラックも有りますけどこちらの方が使い易いと思いますが、どちらも毒性は有りますので取り扱いにはご注意下さい

青味がかった透明の液体ですが鈎を漬けると30秒程で反応が始まりドロドロとしてきます

その直後の状態・・・被膜が薄いので綺麗には見えます

ほぼ黒染めは出来ている様に写真では見えますが均一では無いのでかき混ぜながら暫く置きます・・・丁寧にするなら洗浄してブラスブラックに漬け直しても良いのでしょうが余り違いを感じられなかったのでこのまま一晩おきます

ブラスブラックの液が更にドロドロになります

これを流水で洗い流して良く乾燥させます・・・

擦っても落ちない艶消しの黒色となります

シリコンスプレーでコーティングします・・・

タオルで磨きを掛けると半艶消しの黒色に仕上がります・・・CRC556やミシン油等を試してきましたが今はシリコンスプレーを使っています

処理前と処理後の比較・・・

毛鉤なりフライを巻く時に再度、磨き上げると艶が出てきます・・・勿論、コーティングが薄くなった場合の対応策ですけど・・・

処理前

処理前と処理後

一つ一つビニール小袋に入れて、それを種類別に大袋に入れて保管しています・・・(乾燥剤入り)

せっかく巻き上げたフライや毛鉤がフライボックスの中で錆びていたら悲しいですから・・・

集めたマテリアルも虫害が怖いので殺虫剤を入れ替えたりしながら確認する時期にもなりました