早春の蚊針

三月の解禁を迎えながら大雪警報発令

その後、大雨ですから季節も落ち着きません・・・(笑)

こんな時はゆっくりと春を待ちわび乍ら毛鉤巻き

ガマカツ マス鈎 5号

こちらは、バーブを潰して・・・

使う材料は絹糸と補強の撚った銀線

蓑毛は雀の羽根の片側だけ

羽根先の色変わりが綺麗です・・・

胴に巻いた絹糸は、少し毛羽立たせた方が良いかと思います

付記 ————

日本に本来の英国のノースカントリー・パターンが紹介されたのは何時だったのでしょう?

明治時代等の日本の書物に残る古い毛鉤は以前にも書いた通り、使うマテリアルは違っていても狙い処は、そのノースカントリー、パターンと変わらない毛鉤が多いかと思います

今回の雀の毛鉤も大事な事は蓑毛の色が根元はダン色、毛先がジンジャー色

今回の蓑毛の巻き方も、色がハッキリと出た片側だけをまばらに巻くと言う注釈付き・・・

余りテンカラ毛鉤では紹介される事が無い蚊針の類は意外に・・・

同じく明治時代には、日本では手に入らなかったパートリッジの代わりとして、雌雉を使った蚊針も紹介されていたくらいですからね

それも、毛鉤以前に一般的に使われていた「蚊針」の名こそ・・・(笑)

ストリーマーの手も有りました

本流山女魚に信頼しているストリーマー

フックは昔懐かしの・・・

CS17でございます

ドレッシングをして・・・

久しぶりにティンセルも厚目の物を引っ張り出して・・・(笑)

ミッキーフィン改の出来上がり

自分も最初期だったし、犀川本流もまだ岩魚(ブルックも)や山女魚が多かった頃に使っていたストリーマー

今は信頼しているパターンも増えました

パーマシェン・ベルとかエメットとか・・・

突然に黒部川・・・Ⅱ

フライは沢山有るのですけど

良く使うフライは何時の間にか無くなっているので、なんだかんだと言いながら何時も追加で巻いているのが楽しいと言えば楽しいですね

こちらはバス用のワームフックですが意外に使えます・・・(笑)

バス用ワームフックと言われなければ昔のワイドゲイプ・ストリーマーフック・・・?

稚鮎をイメージして

大好きなTMC700 ー1/0 にアークロウドとか定番のシュリンプ系を・・・

もう少しシュリンプ系・・・

何と無く物寂しくなったので・・・

海外で見るG/Pとかはもっと細身でスッキリしているのは知っているのですけど、初期用ですからボサボサにしてます・・・(笑)

フライの選択は釣人の感性ですからお任せして・・・(笑)

果樹の剪定も終わりましたが、頼まれ仕事の伐採の為、チェーンソーの整備やら準備やらで雪降る中でも何かと忙しい

SILK-GUT & BLIND EYE HOOK

サモン・フライ用を選んでいたら昔、爺に成ったら巻くんだと用意していたシルクガットとブラインドアイフックが出てまいりました

サセックス販売のシルクガット

10本入り、当時800円

切られずに長いままのシルクガットも有った筈なんですけどね

2/0から5/0迄のブラインド・サモン・フック

チョット、バイスに挟んでみました・・・

美しいです

2/0でも大きいです、5/0ともなればそれこそ・・・(笑)

ひと昔前、鮭釣りがそれでも解禁された当初はフルドレス・サモンフライをしこたま巻き上げて臨みました

それがドンドン小型化してファーウィングが多くなり・・・

「トラウトフライは女性の手で巻け、サモンフライは男性の手で巻け」なんて言葉が有りました

トラウトフライは繊細に、サモンフライは大胆に巻くとの理解でしたが、爺の手で巻くとどうなるのでしょう

ダイナキング・シュープリーム・バイスの出番でしょうか・・・(笑)

突然に黒部川・・・

この時期に、黒部川となれば「サクラマス」ですね

釣友からそのサクラマス解禁日に黒部川に行って来たと連絡が有りました

200名の狭き門をくぐり抜けて、その遊漁券を手にしたと連絡が有ったのですが、仕事も手につかない状況も良く判りました

解禁日は考える以上に釣れない状況で周りの釣人と情報交換で終わったようです

いつもの通り、フライを巻いてくれと・・・

鮎釣りをされている方なら良くご存知と思いますが「幻の」と言われるそのサクラマスは意外に良く目にする魚

稚鮎が群れる淵の奥とか、跨げる程の用水路とかに24~5㎝程の雄山女魚を数匹従えて悠然と泳ぐ姿を見掛けるのは何時もの事

鮎毛鉤に掛けた稚鮎を咥え込んでなんて事も・・・

とりあえず・・・

どうも、サクラマス=稚鮎という図式が頭から離れません

バックテール用のストリーマーフックにフォックステールで・・・

大振りな石がガラガラしている黒部川本流ですから犀川本流のような深くて重い水流でも無いしと・・・色々な事を思い返しながら

同時期には大岩魚が意外に海沿い迄、下ってきている事も有ります

不思議な事ですが黒・赤・金の組合せが意外にも・・・(笑)

考え出すと切りがなくなりますので

トレブルフックが出始めた頃に衝撃的だったのが・・・

そんなこんなを詰め合わせて

ヘヤーウィング主体に詰め合わせて・・・

追 ———

昔はもう少しお洒落にこんなウッドボックスだったのですけど

爺になると拘りが無くなってきたようです・・・(笑)

ご訪問、感謝申し上げます。

渇水続きの去年後半、川を見に行くだけの日々でした

山に入れば熊の気配がより一層強まっていて気の荒さが伝わってくる程

大好きな釣りどころかキノコ採りすら等と、散々な年でありましたが今年こそはと思います・・・

釣りブログとしては場違いな山仕事の道具で申し訳ありません

スチール社製 MS260 2007年製造 火入れをしただけの未使用品

今ならMS261なのですけど・・・(私にとっては僥倖のようなものです)

手持ちの爪を付けてダブル仕立てにしてみました

御供も・・・

薪作り用最終兵器も有るのですが・・・(笑)

新入りのフォレストアックス

使い易い易い様に手を加えています

大事な柄の部分には亜麻仁油・・・

ゴアテックスが一般化する前、登山靴のソールの目止めに亜麻仁油を塗っておりました

その後は、油絵具用亜麻仁油・・・(当時、亜麻仁油は一般的に流通していませんでした)

木こり定番の赤黒ブラックチェックに木こり斧を添えて・・・勿論、今はスチール社製の防護ズボンとジャケットです・・・(笑)

この伐採斧と次の木工用斧は日本ハスクバーナ社で、取り扱いが今は無い様です・・・

左側がファントム・ベベル付き木工用斧、右側が伐採用斧・・・

玉切りしておいたものを薪にしています、奥にもう一山、自宅の薪置き場にも一山

こうしておくと、伐倒依頼も飛び込んで来るのが悩みどころではあります・・・

ほとんどの材料がリンゴの成木か初代矮化リンゴですから、木股に捻じれに瘤ばかりが続き薪にするには一苦労なんてものでは無いです、梨の成木が有ると割り易いので却ってそれが休憩時間・・・(笑)

釣りに行かないと仕事は捗るのですがその分、身体が壊れます・・・(笑)

ヘルメットは・・・カスク社製

面白い物・・・木目が杢目

もう少し近寄ってみると・・・

木目に直交した線が、その杢目です(左側)・・・判り辛いですね

右側の素直な木目も意外に得難い物なのですが、杢目ともなれば流通木材の数パーセントと聞いています

三十年以上前から使っていますがこの頃は、このハスク製の柄が手に余る様になりましたので・・・

・・・(左側二本は、斧と言うよりはスプリット・モールです)

柄の太さは、手に馴染む様に各斧の用途に合わせて変えています・・・

先程の柄尻から刃先まで繋がる真っ直ぐな木目は最良ですが、多少のブレが有りつつも柄尻から刃先まで繋がる木目が有る柄なら使い続けられます

新たに買い入れた「万能斧」フォレストアックスですが柄に塗られたニスも薄目で良かったし、ステッカーや焼印等から刃先にハスクの刻印に成ったので躊躇無く整形出来るのは良いのですが結構刃先も変わりました・・・

何時の間にか刃先の加工がプロユースに成っております

これで使えない事も無いのですが折角ですから刃先角度を調整して作り直します

ある程度の削り残りは今後の予定として・・・(笑)

支障木伐採で使える・・・(本来は木製電柱用です)

付き物・・・

今年こそはと思っています

付記 ———

SA Wetterling Co.

手持ちのハスクバーナ社の斧は上記のSA Wetterling Co.社製でしたが、新たに仕入れた万能型とされるフォレストアックスはその刻印が見当たりません

そう思い出すと仕上砥石の当たりに乗りも違う、スウェーデン鋼でも印象的には粘っこい?

刻印の入れ方と、メイド・イン・スウェーデンの字体・・・どこかで見た様な?

製造元が同じスウェーデンのハルタフォルス社製に変った?

詳細等は何も判りませんが、ならばと・・・

刃先をブラックフィニッシュに戻してハルタフォルス社製らしくしてみました・・・(笑)

暑中お見舞い申し上げます

北信濃とは言え連日の猛暑が続いています・・・

北アルプスの山雪も少しとなりました・・・

連日の大雨で涸沢が滝となっています・・・

ご自愛ください

本来の時期なら渇水時期で渋い釣りなんですけどね

神経質になった渓魚を惹きつけるには・・・

羽蟻用の「猩々」が意外にも役立ちますから今年はそのパラシュートパターン・・・(笑)

羽蟻用に蛍光オレンジ色

ほぼ、ポスト部分だけが浮かびます、流れに飲み込まれても・・・(笑)

番外編・・・?

もし平瀬に出て来るような好機に恵まれるなら羽虫の毛鉤・・・

胴は銘針「茜」同様にティペット仕立て、蓑毛はマコーのウィングフェザー

ソフトハックルを厚めに巻いています・・・

これを水面に落とさず操りますと俗に言う「空中殺法」・・・(笑)

本来なら水量は半分以下なのですが、大雨続きでしたから・・・

春先並に水量豊富・・・(笑)

こんな所まで連れて来られて些か困惑気味ではあります

タタキ鉤

擬蟲の躯幹を巻くに白馬の尾毛を以てし、其頭を蕨の軟芽に有する繊毛にて作りたるものあり之を「タタキ鉤」と云う。是れ武蔵国北多摩郡拝島村にて製作する所なり。又第三回内国勧業博覧会に羽後国(山形県の一部と秋田県の大半)より擬餌鉤を出品せる者あり。此の他に之を盛に製出するの地未だ之あらざるが如し。 ・・・・ 日本水産捕採誌(中村利吉氏編1886年著)

第三回内国勧業博覧会・・・1890(明治23)年4月1日~7月31日; 場所: :東京上野公園; 入場者数: :1,023,693人. 

毛鉤釣りを一部の地域で「タタキ」と呼ばれていたのですがその言葉を名付けられた「タタキ鉤」

直訳すれば鈎軸に白馬の尾毛を巻き頭の部分に薇を巻き付ける・・・

針のサイズも巻糸も色も判らないのですが毛鉤釣りの別名で広く知られていた「タタキ釣り」、その語源の基に成ったであろう「タタキ鉤」とは?

タタキ釣り・・・水面を何度もひっかくように毛鉤を操り、魚の興味を引き起こして疑似餌(毛鉤)に掛ける釣法・・・(フライ釣法で言うダッピングの類い)

文献に現われた初めての、ゼンマイを使った毛鉤というのにも興味を惹かれていました・・・(笑)

秩父水系で使われ販売もされていた先の「清次郎毛鉤」も蓑毛の色、胴素材にバリエーションが多かったようにこちらも「タタキ鉤」のバリエーションの一つとして・・・

一般的に使われていた黒糸・・・

赤糸と・・・

赤糸仕立ての方が胴の様子が判り易いですね

どちらも絹糸を使っていますが絹糸の輝きを白毛で倍化しているようです・・・

羽後国で作られていた疑似餌とはとかも、興味を惹かれます・・・(笑)

究極のスレ針

この鈎がまだ販売されていればBarbless-Tとして、ご紹介できるのですが余りにも個性が豊か過ぎて・・・

瀬釣りの吉村として有名な吉村氏の理想を形にした鈎 「吉村アマゴ」

この鈎については前出済ですし拙ブログよりも「鮎たわけ様」のブログに詳しく紹介されておりますので右側にあるリンク先をご覧いただければと思います

吉村アマゴ 7,5号

元々が餌針ですから毛鉤を巻き付けるには無理が有りますが・・・(笑)

商品ラベルの「一触必釣」を見るだけで感じさせる鈎はなかなか有りません

先回の丹吉針「やまめ釣」と比べても個性が際立ちます・・・

茶毛鉤・・・

スレ針続きですが、土州名産「丹吉鈎」は漁業に使える「半スレ」でも有名だったと思い出して・・・

芯黒先黒が有名になりましたが黒毛、茶毛、油毛も良く使われる蓑毛の色分類です

茶毛と油毛は共に茶色なのにわざわざ区別されたのは何故・・・?

「油毛」は菜種油の色と言われます・・・見方を変えれば蜂蜜色とも思えます

山女魚毛鉤には定番の蓑毛の色ですから言い方を変えれば「ハニー」とか「ハニーダン」・・・?

麻紐を胴に茶毛を乱巻きの山女魚毛鉤なんて事を考え出すと・・・

丹吉鈎 やまめ釣 6号

鈎の見事さは以前紹介済みですから早速・・・

中部山岳地域一帯で使われていた荒巻き式で茶毛毛鉤を巻いてみました・・・

黒部毛鉤は濡れても毛先が立つような蓑毛が最良とか、云々かんぬん・・・(笑)

面白いのが作者指定の「J型鈎」に巻き替えてみると・・・

二種の黒部毛鉤の様で、違う興味が惹かれてしまいます

これが「清次郎毛鉤」とは申しませんが鈎型を変えただけで違う毛鉤になりますので、当時に使われていた鈎型を見つけるのも大事なことと思います

作例のゼンマイ胴以外にも麻糸、カケス、孔雀等使われ販売(遅くとも1950年代)もされていたとのこと

ならば・・・(笑)

黒部毛鉤式でも・・・

早速、次の釣行で使ってみます

使ってみる事で、形だけ真似たであろうこの「清次郎毛鉤」の意味合いに近づけるかもしれません

日本各地で使われていたその土地に根付いた毛鉤の多くは失われております

その微かな断片はその土地の生活史、郷土史に残るだけ

なんと勿体無いことでしょう

注 ——— スティミュレーターに、良く似ています

ランドールカウフマン氏(RANDALL KAUFMANN )の有名なフライパターンにスティミュレーター(Stimulator)パターンが有ります

おそらく狙った効果は同等と思われます

どちらが早いかとか、だから和毛鉤は西洋毛鉤の模倣だとか言われる方がいらっしゃいましたがどちらの意見も情報が限られていた時代の話です・・・(笑)