Japanese Small Kebari Ⅱ

Japanese Small Kebari Ⅱ

先ずは制作例・・・「二葉」

金玉漆塗を省き、金メッキのグラス・ビーズ
・・・ビーズの内径合わせの下巻き

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Japanese Small Kebari 「二葉」

ウィップフィニッシュ後、ヘッドセメント塗布

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Japanese Small Kebari 「二葉」

ビーズを固定
・・・ガラス・ビーズの破損防止策

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Japanese Small Kebari 「二葉」

先玉の代わりに金ツイストワイヤーでタグ付け

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Japanese Small Kebari 「二葉」

本来は染色したフェザーですが丈夫さ優先の絹糸胴 

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金ネジ仕立てにします

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Japanese Small Kebari 「二葉」

ソラックス代わりにピーコック・ソード

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Japanese Small Kebari 「二葉」

油毛が指定ですからミディアム・ジンジャー蓑毛

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Japanese Small Kebari 「二葉」

Japanese Small Kebari 「二葉」

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Japanese Small Kebari 「二葉」

変更点をご覧ください

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胴に使われる染色した羽根は
補強をしても弱いため絹糸胴に変更しています

 
以後 続きます
 

以下爺の戯言 ———————-

毛鉤で言われる「飛ぶ蟲に合わせる」とか
FF釣法で言われるマッチ‐ザ‐ハッチ(match the hatch)
基本では有っても
全面的に釣り人側の愉しみなのだと思う
大きさ、形、色だけでなく
魚の気を引く何かがあるからこその毛鉤とフライ
鉤の存在感すら忘れさせるのか
それ以上の魅力を持たせられるのか
蓑毛やハックルは隠れ蓑?
はたまた、アピールポイント?
数寄者?傾奇者?
Japanese Small Kebariとはどちらでしょう
ホットスポット?アトラクター・パターン?
釣人の釣りに対する美意識が案外と大事な事
美意識と言っても、エッグフライは良くても
管理釣り場で定番となったペレットフライとか
ソフトルアーのニンフ・フライ版まではとか・・・(笑)

ハッチマッチとアトラクター・フライは
あくまでも釣人から見た区別と前置きをして
鱒類がアトラクター・フライに反応を示すのは
羽化する虫が沢山居る中でフライに興味を持たせる場合
通常のフライに擦れた中で素材の動きにより興味を持たせる場合
ラバーレッグとかバグにサンファンワーム・・・
柔らかな皮革にフォーム材や各種化繊フライマテリアル等
懐かしさも感じる○○マラブーにモンタナ・ニンフとか・・・

海外で認知されたテンカラは道具立てが少ない手軽さも有って
釣り自体の入門編や森林・湖水での愉しい時間の過ごし方としても
障害を持った方やメディカルクリニックの試みでも活用されています
レギュレーションで餌釣りが禁止されている地域も多いから尚更ですが
対象魚自体が違う「温かい水でのテンカラ」は
もっと扉を開けるべきテンカラ釣りの楽しみ方とも感じています

ルアー釣りの方々が言われるルアー選択での疑問が一つ
湖でのトップウォーター・プラグの虫系ルアー
春ゼミ等の時期ならマッチザベイトと理解も出来ますが
春ゼミが湖水に浮かぶ時期だけでなくても有効と聞きます
・・・食べた事を覚えていれば大丈夫
経験則でフライなり毛鉤で釣り上げられた魚は
三日も経てば同じ物に怖がりもせず同じ魚が食いつきます
食欲旺盛な虹鱒の場合は翌日でも同じフライに反応を見せます
でも春ゼミ・フライが年がら年中有効とは考えにくいです
・・・虫ルアー独特の動きなのか波紋なのか?

ユスリカのライズで本物よりミッジフライに反応が良い場合とか
複合ハッチともなりますと小型フライの方が効果的だったり
ティペットを細くするだけで良かったり・・・
愉しいはずのマッチザハッチ自体に疑問が残る場合も有ります

ルアーとフライの違いは探れるレンジとステージだけではないのかも
ルアーと呼ばれるフライも有ればソフトルアーも有るし
広範囲の話を部分ごとに切り取っても話にはなりませんが
鮎毛鉤の様に錘を付けて上下の動き(限定ではない)に反応したり
フライなり毛鉤が水流により水面に押し上げられた時に
岩陰に潜んでいた岩魚が追い食いをして咥える事も多いし
敢えて静かな水面に波紋を広がせる様に叩いてみたりと
総じてルアーより小型のフライは釣圧も低いため
集魚効果も低いと考えて渓魚と向き合うことが毛鉤釣りの要でも
渓魚に対し警戒心を与えずに最大限の集魚効果を試みるのが
アトラクター・フライの有効的な在り方ではないかと思います

剣羽根毛鉤の役割は硬い剣羽根によって生み出される水中での微振動
敏感な魚の側線を刺激し流れ下るゴミとは違う生き物としての
振動と水流の乱れを表現して餌としての存在感を示します

テンカラ毛鉤は総じてアトラクター・フライを演じますが
水量の乏しい山岳渓流域での誘いは却って警戒心を抱かせます
集魚効果=採餌行動を引き起こす本来の「誘い」は
過度な竿やラインの動きで行うよりもその場に適した毛鉤選択で
行うべきものでありその為にこそ毛鉤の種類が有ると感じています
反対に同じ様な渓流域=得意な渓流環境が限定されるなら
何時でも(何処でもでは無く)同じ毛鉤で楽しめるでしょう
水流が沸き上がる程の強い流れならそれに応じて
渓魚の警戒心も少なく釣人の存在感を薄れさせますから
どんな毛鉤でも一旦は口に咥える程度の採餌行動を取らせ易いです
岩魚は特に感じますが一旦は口に咥え食事場所に持ち帰りますので
その間に咥え直しながら食べられる物か否かを判断します
・・・木の枝や細かい葉等を咥えて吐き出してもいます
その時の異物感を渓魚に与えないために考えられた毛鉤も有ります
渓魚にとっては肌で感じる餌としての匂いに対し考えられた毛鉤とか
生命感を発揮する視覚に訴える毛鉤だけではない和式毛鉤の存在
それがハッチマッチ云々以前のアトラクターとしての毛鉤の姿です
採餌行動が警戒心を上回る場合とか競合相手が多い場合は特に
アトラクター・フライはハッチマッチを意識したフライの効果を
上回りますので多くの釣場状況なら、より重要性は高いと感じます
5㎝程度のルアーに同じサイズの渓魚が掛かる事を考えると
フライはサイズとシルエットが重要と一般的に言われてはいますが
それよりはその動きこそと捉えるべきかもしれません
海外でのテンカラは様々な魚種を対象としています
対象魚がブルーギルとなればストラクチャーを背後にしながらも
群れを作りながら旺盛な採餌行動を取りますので
毛鉤もそれに応じて素材自体が動きを演出するタイプが有効です
要はキラキラ・もじゃもじゃ・ブルブル・ユラユラを支えるのが
サイズでありシルエットであり毛鉤の色と成ります
想定される釣場は池とかクリーク等の止水域でしょうから
釣り方自体を容易にするには毛鉤に巻き込むウェイトも重要です

思わずの長文になってしまいましたが
テンカラが海外に広まった時に涌いた仇花の様なテンカラ毛鉤達
ウーリーバッガーとかウーリーマラブーにエッグサックリーチ
これをテンカラの改革とか革命とまで持て囃した日本の釣雑誌
奇を衒い読者を困惑させる不様な駄文が添えられてもいました
各フライは素晴らしい銘パターンですから
中途半端な釣雑誌の解説には虫唾が走る思いを感じていましたし
海外でもそれを素直に信ずる方と失笑の思いの方に二分され
当時、質問をされて返答に困った思い出が湧き出てきて・・・
もともとのテンカラ毛鉤は職漁師毛鉤と違い
フライに影響を受けて作り上げられた商品名ですから
どんなフライを使おうが十人十色ですが
ならば形だけでなくそのフライの成り立ちを説明するべき
テンカラ毛鉤は日本独自の釣り文化としたがる
薄っぺらい説明では海外の方からも・・・(笑)

釣れる魚の本数も釣りの愉しみでしょうが
釣れない魚を釣り上げる愉しみは無常の愉しみです
立ち位置と流す水筋を変えるだけでも魚は出てきますし
釣り方を変え毛鉤を変えて出てくる魚は存外に多いです
出る魚を拾う釣りは若い時に遣り尽くしましたから
今はじっくりと釣れなかった残りの魚で遊ばせて貰います

バーブレスとか”C&R”とかのお題目より
魚を釣る楽しみよりも魚に毛鉤で遊んでもらう愉しみ
もともとハス毛鉤は魚に遊んでもらう遊釣の毛鉤
傾奇者よりは数寄者でいたいです(笑)

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